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愛憎入り乱れるイタリアのブランド。映画『ハウス・オブ・グッチ』2021年、アメリカ
レディー・ガガ主演の映画といえば『アリー /スター誕生』ですが、この映画はよかったけど、全然レディー・ガガのイメージじゃないなと思っていました。彼女はもっとアグレッシブで、人生を掴みに行くタイプに見えました。
なので、『ハウス・オブ・グッチ』の予告編を見たときは、「これだ!」と思って期待マックス。すごく楽しみにしていたし、実際に見に行ってとても楽しかったです。
物語の舞台は、イタリア。1980年代。運送業会社社長の娘パトリツィアが、偶然グッチ家の一人息子マウリツィオとパーティで出会い、彼を射止めるところから始まります。ここの恋愛部分がすごく魅力的です。青春。
真面目一徹で、勉強の虫で、弁護士をめざしていたマウリツィオ。父親に交際はいいけど、結婚はダメだと反対され、彼は家出をしてまで彼女と結婚します。父親からは勘当同然の二人を心配した叔父のアルド。彼が助け舟を出したことで、よそ者だったパトリツィアがグッチ家に入っていくことになります。
祖父が創業したグッチの株券は、マウリツィオの父と叔父が二分していました。マウリツィオは家業に関わる気はなかったのに、叔父やパトリツィアにすすめられるままに、やがてグッチの経営に参加するようになっていきます。ただし、パトリツィアはよそ者。マウリツィオの父の死後、彼女は自分の思うようにグッチを動かしたくて、マウリツィオの叔父といとこを陥れます。
そもそも、弁護士をめざしていたマウリツィオに、経営手腕もありません。そして、妻のパトリツィアがやってしまったことを追認するしかない状況が続き、不満がたまっていきます。叔父が投獄され、いとこも警察に通報した妻に愛想をつかしてきたマウリツィオ。ちょうどそのとき、昔なじみの女性と再会し、彼はパトリツィアに離婚を切り出します。
愛する夫とグッチ家を手放す気などないパトリツィア。彼女はカルメンに出てくるホセみたいに、愛する人を手にかけます。このあたり、愛情も恨みも深いラテン系っぽくて、ゾクゾクします。映画の2時間以上があっという間でした。
真面目な映画や日常系の映画も好きですが、出演者たちがみんな豪華で、縁起も演出もファッションや住宅なんかもゴージャスで、嵐のような愛や憎しみが展開する映画も1年に1,2本くらいはみたいです。せっかくの大きなスクリーンで、高いお金を払ってみるんですから。
邦題:ハウス・オブ・グッチ(原題:House of Gucci)
監督:リドリー・スコット
主演:レディー・ガガ、 アダム・ドライバー、ジャレッド・レト、ジェレミー・アイアンズ、サルマ・ハエック、アル・パチーノ
制作:アメリカ(157分)2021年