戦争で残された人たちの物語。『銃後の社会史』一ノ瀬俊也
この本は、一ノ瀬先生が、全国各地の遺族会(第二次世界大戦までに戦争で家族を亡くした人たちの会)がまとめた追悼文集や戦争中の地域の広報、日本政府の調査書を網羅して書いたものです。
戦争に行く兵士と、それを見送る家族の話、駐軍地へ面会に行ったときの話、戦死通知が来た時の話、お葬式を準備した話から、その後の遺族補償まで、とても丹念に再現しています。涙なしには読めない部分がたくさんあって、特に幼い子供と病気の奥さんを置いて、戦争に行かなくてはならない若い父親の描写等は辛かったです。