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麺をきっかけに探る敦賀の「学校給食」

敦賀には、現在3軒の製麺所があります。「わたしとつるが 02 | めん」では、焼きそばをきっかけに、3つの製麺所を訪ねましたが、取材を通して製麺所の大きな販路である学校給食にも興味を持ちました。

学校給食といえば、学校給食法により地産農産物の活用に努めることが規定されています。そのことから、給食には敦賀の食文化が反映されているかもしれないと考えました。

そこで、今回は敦賀市教育委員会にご協力いただき、給食センターを訪問したり、実際に学校給食を試食させていただいたり、敦賀の学校給食について学ばせていただきました。

自校式と給食センター式が混在

敦賀市には幼小中合わせて16校2園の給食を提供する学校があります。そのうち9校1園が自校式(米飯みセンターを含む)、7校1園が給食センターの給食を提供しています。

自校式給食とは、学校に設置された調理室でその学校の分の給食を調理し、提供する給食のこと。その反対、給食センター式は施設で複数の学校の給食を一括して調理し、各学校へ配達する給食の方式です。

実は私、自校式という給食のスタイルを、敦賀に来て初めて知りました。私の出身地である岐阜県恵那市では、当時給食センターで調理された給食のみ食べていました。そのため、学校給食とはセンターで調理されるものだと思い込んでいたのです。

学校給食センターを訪問

そんな敦賀の学校給食の現場を見せていただけるということで、敦賀市野神にある敦賀市学校給食センターを見学させていただきました。

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この日のメニューは「肉うどん」。給食センターの栄養士の方々に、麺についてお話をうかがうことができました。

学校給食では、2週間に1度、水曜日が麺料理の日です。個包装にした麺を食べる直前にスープや出汁に投入できるメニューが多いようです。

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写真の麺は、この日の給食「肉うどん」に使用するうどん。このように個包装されて生徒の元に届けられます。このうどんも、敦賀の製麺所が作る麺ですが、独自の重量規格に基づいて作られた給食用の麺です。また、学年に応じて麺の量を調整し、提供しているそうですよ。

いざ実食!敦賀の給食を試食

給食センターを見学し、献立を考える栄養士さんたちの「生徒児童が安全に給食を食べられるように」という並々ならぬ配慮を知りました。

そんな敦賀の給食を食べてみたい…!
ということで、今回は特別に学校給食を試食させていただきました。

やって来たのは松陵中学校。

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松陵中学校は、米飯のみ給食センターを利用する自校式給食校で、同校に所属する栄養教諭さんが献立を作成しています。この日の献立は、なんと先日給食センターで見学させていただいたのと同じ「肉うどん」でした!

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麺を入れて「かき揚げ」をトッピングすると、もう溢れそう…。ウインナーが入った洋風のかき揚げが新しくて美味しかったです。

はじめこそ、これだけで足りるかな…?なんて思ってしまいましたが、肉うどんの出しには野菜などの具材がたっぷり。学生の頃こんなに食べていたっけ…?と感じるくらい満腹になりながらも、なんとか完食。優しくて懐かしい味付けにほっこりしました。パックの牛乳も久しぶりに見ました。

地域食材の多様性が給食献立の多様性を左右する?

ここまで、麺をきっかけに敦賀の学校給食の現場を見学してきました。前述の通り学校給食では、「なるべく地元産のものを使おう」という工夫があります。地産地消というと、農産物や畜産物などの1次産品が注目されがちですが、麺のような地元の商工業者が生産する商品も地産品です。そういった商品も学校給食で活用されているのですね。

さて、この「なるべく地元産のものを」という取り組み。逆に、地元に無くなると、給食から消えてしまうメニューもあるようです。

その例が、ソフト麺。学校給食の代名詞とも言える麺ですが、敦賀ではソフト麺を製造できる業者さんがいなくなってしまったため、今は献立から消えてしまったのだとか...。

帰り道、校舎の廊下にこんな掲示物が。

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ブランド魚「敦賀真鯛」が給食で食べられるというのは羨ましいかぎりです。地元で作られる食材の多様性が、子供たちが食べる学校給食の多様性を生み出しているのかもしれません。

海も山もある敦賀の給食は、海の無い私の地元よりバラエティーに富んでいるような気がしました。何も知らずに当たり前のように食べていた子供の頃は考えもしませんでしたが、今思えば、私の地元にも独自の給食文化があったのかもしれません。見落としてしまうような「当たり前」のことにこそ、地元の面白さやオリジナリティが隠れているのかもしれないと、学校給食の現場を知って改めて感じさせられました。



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