マガジンのカバー画像

歳時記と落語

67
旧暦と二十四節気に基づいて、落語を紹介しています。2020年4月から語り直していきたいと思います。三代目桂米朝の『米朝ばなし』(講談社文庫)をイメージして、米朝師匠風の語り口調で…
運営しているクリエイター

#歴史

【歳時記と落語】小正月・元宵・藪入り

旧暦の1月15日は「小正月」ですな。2021年は2月26日に当たります。 昔はこの日までが「松の内」とされました。注連縄やら書初めやらを燃やす「左義長」が行なわれるんもこの日です。「左義長」は地域によっては「どんと」「とんど」とも言いますな。 中国でもこの日は、「元宵節」というお祭りです。昔の暦は月の満ち欠けをもとにしてしておりますのんで、まあこの日は必ず大体満月ということになりますな。それになぞらえて、この日は「湯円」という団子を食べます。胡桃やゴマの餡をもち米の粉で作っ

【歳時記と落語】清明

2020年4月4日は「清明」です。祖先の墓にお参りし、草むしりなど墓掃除する日とされてます。この頃から雨が多くなってくるんで、その前に墓の手入れをするんやそうです。あちらの庶民の墓は土盛りでっさかいに風雨で容易く削られ草が生えてしまうんですな。 元々、そのついでと言うてはなんですが、野に出て遊ぶという風習もあったんで、今は大型連休の一つになってます。 「清明」にはヨモギ餅を食べるという風習もあるんですが、もう一つ、今は廃れてきましたが「寒食」というて煮炊きをせずに冷たいも