この道の先は、空へ
好きな音楽を聴いて、高速道路を走る。
ナビはいつからか見なくても大丈夫になった。
何度も走ってきたこの道路を、また走れるのはとても気持ちが良くて、近づくにつれて込み上げる想いがまたひとつ。
ただいまと行ってきますを、この場所で何度言ったことだろう。
楽しかった思い出が溢れてるこの場所は、いつしか夢見た場所で。
夢を追いかけてここに来ることはなかったけれど、違う楽しみを見つけて、こうして来れている。変わらずに、好きでいられている。
耳に届く日本語、英語、そして聞き取ることの出来ない言葉たち。
外に出れば当たり前に聞こえるエンジン音。
誰かが握るカメラのシャッター音。
笑顔を交わし働く人々。
大切な人を待つ誰か。
ただこの場所を楽しむ家族たち。
ただいま、と思う。
やっぱり、好きだと思う。
心の中で、ありがとうを何度も繰り返す。
初めてここに来た時の嬉しさを思い出して、あの初めての瞬間をくれた両親にいつも、ありがとうと伝えたくなる。
あの時間がなかったら、私がこの場所をこんなに好きになることは、なかったよ。
こんなにワクワクすることは、なかったよ。
時刻表を見ながら、もうすぐ旅立つものたちに、想いを馳せる。
「人生を最高に旅せよ」と誰かが言っていた。
飛行機に乗るといつも思い出すその言葉を、これから先も、私は何度だって考えるのだ。
離発着する飛行機を見ながら、
ただいま、久しぶりと口にする。
そして日本の出口へと。
みんな、気をつけて、いってらっしゃい。
そして今日は私も、行ってきますと口にして。
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