冷水をぶっかけるにしても、やりすぎだろ!!!【ジョーカー フォリ・ア・ドゥ/途中からネタバレ有り感想…というか過剰な考察】
めっちゃ好きだけど、めっちゃガッカリな人の気持ちも分かるわぁ!
ジョーカー フォリ・ア・ドゥを公開初日の朝っぱらから観てきました。
というのも、ネタバレを喰らいたくなかったのと、朝だと安いから。
なんか、先行上映していたアメリカでは、すんごい低評価だったじゃないですか。コミック映画史上最悪の評価だとかなんとか。
個人的にあんまりそういう先入観みたいなのは入れたくないんですが、めちゃめちゃ「酷評w」「お金のために無理やり作られた駄作w」「ミュージカルw」みたいなのがTwitterでもYouTubeでも流れてきてて、期待値がめちゃめちゃ低かったんですよ。
なので、まぁ、安ければ傷も浅いかな…という。
前作のジョーカーも、初日に御徒町のTOHOシネマズで大学の講義をサボって観に行ったんです。その頃はまだ、映画大好きマンでもなかったんですけど。なんとなしに。
んで、めちゃめちゃ面白いな!と思って、超お恥ずかしながら、僕、かなり影響を受けやすいタイプなもので、いわゆる「ジョーカーは俺だ!」というような感想ももったりとかして、ニヤニヤスマイルで上野公園を徘徊した記憶があります。超恥ずかしい。
そんなわけで、観に行かないわけにもいかなかったわけですよ。
どうなるかを見届けずにはいられないな。どんなに酷評されてても、駄作になってても、ミュージカルでも、見届けるぞ!と。
この映画でしか表現できないことがある。
観た映画を☆5段階評価でざっくり記録しているのですが、ジョーカー フォリ・ア・ドゥは☆☆☆☆☆。
7月から記録し始めて、毎月10本ぐらい観て、☆5は2つ。
こういうブログにまとめることも、普段はしないんだけど、あんまりにも世間の評価がアーサーに向けられていたような冷笑ばかりだし、YouTubeとかでもざっくり検索したら、やっぱり煽るような誇張が見受けられる(今検索したら、好意的な評価も意外と少なくなくてビックリ)から、ちょっと記録として残しておこうかなと思って。
ここから、ネタバレ有りの感想になるので、もしよければ先に映画館に観に行ってね!
まぁじで、自分のことを信じてなくて、「俺は、逆張りしているだけなんじゃないか???」という気もするので、個人的な感想と考察というぐらいにとどめておいてください。
あと、そんなにバットマンに詳しいわけでもファンって言うわけでもないっす。
以下、ネタバレ有り感想。
あのジョーカーの次回作!レディガガがハーレークイーン!
どんなに狂気的で、ぶっ壊しまくって、殺しまくるんだろう!
世間の仕組みとかを否定してくれるんだろう!!
PVもめちゃめちゃカッコよくて、美しくて、劇的で、全然物語の展開が見えないけど、なんとなくTVショーっぽいシーンとかがあるから、ハーレークイーンとジョーカーが逃げ出してメディアを乗っ取るのかな!
みたいに期待してました。
まさか、殆ど裁判所と病院で、あとは妄想だとは・・・。
そりゃあ、そのまんま期待してた人からしたら、ガッカリでしょうよ!!
ゴッサムとか、出てきてたし。
めちゃめちゃリドリーみたいな人居たし。
リッキーだっけ…?わざわざ名前が示されてたし。
ゲイリーの入廷の仕方とか、めっちゃペンギンって感じしたし・・・。
隣の人と同じタイミングで座り直しちゃったよ。
こっからどうやって逆転するんだ!って、そりゃ期待するでしょ!
ニューヨークなのかよ!!
本当だ、あの階段ってニューヨークにあるのかよ!!!
意図的に過剰な期待をさせて、冷水をぶっかける作品
この映画がこういう仕組みの作品なんだと思う。
リドリーは死ぬし、
ペンギンはいい奴だし、
ハーレークイーンは見捨てるし、
ジョーカーは懺悔する。
精神異常のアーサーに『ジョーカー』を期待して、失望する。
作中の『ジョーカー信者』と観客をリンクさせる作品なんじゃないかなぁ。
期待して、盛り上げて、背負わせて、
思い通りじゃなかったら、ボロカスに叩いて、
炎上させて、こき下ろす。
現実でもよく行われていることじゃないですか。
この映画自体だって、そうじゃないですか。
トゥルーマン・ショー説(この辺からは、かなり僕の妄想)
ジョーカーとして逆転して暴れる脚本が用意されていて、そのために段取りも取っていたのに、アーサーに自我が芽生えて、映画をめちゃくちゃにしたから、創り手に降板させられて、ジョーカーを引き継いだ。
そういう風な考察をしてみました。
『ジョーカー信者』と観客をリンクさせる作品、ということで、第四の壁を超えてきている感じがしたんです。
裁判所の最終弁論のときの、あの長い沈黙。
僕は、テレビ越しにコチラを見つめている、あのシーンで、この映画はどうなるんだ!!って、ジョーカーに期待してました。
と思ったら、アーサーの「殺すべきじゃなかった。」「ジョーカーは僕一人だ。」という告白。
あの裁判所の爆発、ありえなくないっすか?
めちゃめちゃ急だし、石造りの堅牢そうな裁判所を吹き飛ばす威力の爆発、戦車とかでぶっ放したのか?っていう感じ。デウス・エクス・マキナっていうやつ??
出てきたアーサーに、取ってつけたようにわざとらしいセリフで、「あんた例の男か?」「おい、ジョーカーを乗せてくれ!」とか。
外でずっとジョーカーのコールみたいなの聞こえてたけど、人少なすぎない?警察も少なすぎない?
あの規模の爆発が起きたなら、外でももっと犠牲者がいていいはずだし、あるいは、絶対にジョーカーを救い出してやるんだ!みたいな奴らがいてもいい。
明らかにこの辺の内容が辻褄が合わない。アドリブでやってる感。
この辺の取ってつけた感、急に映画のクオリティが下がったのではないならば、意図的なものなんだと思う。ジョーカーを求める観客のための映画を作っていて、アーサーだけがそれを知らないかのような感じだなぁと感じた。
助けられた信者の車から飛び出して、走り出す。
信者が後ろから投げかけた「ジョーカー!愛しているぞ!」って言葉を振り切って、リーに愛を伝えに走る。
前作ではアーサーがジョーカーとして覚醒して下った階段を、今度はジョーカーがアーサーになるために上る。
誰からも愛されなかったアーサーが、ジョーカーになることで信者からの愛を得たが、その仮面を捨てて、アーサーとしてリーに愛を求める。
階段の途中で、リーに拒絶され、捕まり、
誰でもないままに、役を降ろされて死ぬ。
本来、かなり警戒されているはずなのに、再逮捕されたアーサーは、めちゃめちゃ自由な感じだった。模範囚のときは3人なのに、看守はたった1人。
アーサーが刺されてから、すぐに誰かが駆けつけても良くない?
刺したアイツ、刺したナイフで自分の口を切り裂いていたように見えたんだけど、気の所為かな…。まるで、僕らが知るジョーカーみたいに。
ラストシーンだけ、あの爆発だけとかだったら、前作が素晴らしい作品じゃなければ、クオリティの低いクソ映画だな!みたいに思うんだけども。
悪のカリスマジョーカー、凄まじい狂気と破壊を魅せてくれるんだろうな!という観客に対して、お膳立てして用意したキャラクターとストーリーを、リーを愛したアーサーがぶち壊しにする。
っていうメタ的な映画なのかなと思いました。
ガッカリして、「クソ映画だな!」「しらねーよ、アーサーとか!過激なシーンをもっとくれよ!」っていうのが1段階。
さらに、アーサーに同情するところでもう1段階。
そこからさらに、ジョーカー信者のようにアーサーに狂気と破壊を求めていた観客自分自身に気づくところでもう1段階。
みたいな感じなのかも知れないという、ここまではやりすぎなのかも知れないけど、考察をしてみた。
ジョーカーの一作目を経て、日本でも直接的とは言い切れないかも知れないけど、事件が起きた、今だからこそ出来る作品なんじゃないかなぁと思った。先行上映で観た人が「冷水をぶっかける作品」「前作にマジレスする作品」っていうのは確かにと思ったけど、ぶっかける冷水をちゃんと雑にかけるんじゃなくキンッキンにして、ちゃんと真正面からぶっかけてきた作品だったなぁと思う。
現実にはジョーカーなんていねーよ!!
じゃなくて、
現実にはジョーカーなんていねーけど、
やっぱお前ら、ジョーカーを求めてんじゃん!!
だからジョーカーっていうキャラが要るんだよ!
っていう映画だったなぁ…。みたいな。
ちょっと言葉まとまってないっすけど、とりあえず、以上!!!
すんまっせん!