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がっこう早口ことば(全3巻)

2024年度の学校図書館むけシリーズです。企画編集を担い、文をながたみかこさん、絵をすみもとななみさん、デザインを芝山雅彦さんが担当されています。

本シリーズは文字どおり、学校生活を題材とする早口ことばを集めたシリーズです。2024年から全国の小学校で、新しい教科書が利用されはじめますが、国語の教科書のなかに、早口ことばを紹介する単元があり、多くの学校現場で活用して貰えるこのタイミングで、新しいシリーズを発刊することに決めました。

今では他社からも関連書籍がたくさん登場していますが、言葉あそびを我が社が定期的に発刊し始めたのが今から15年ほど前。図書館むけシリーズの位置づけでつくった先駆けだったりします。そのため、良くも悪くも、たくさんのご意見をいただいてきたのですが、それらリクエストを加味してつくられたというのが、本シリーズ最大の特長です。

本作でも、既刊同様、言葉あそびの達人・ながたみかこさんが、新作をたくさん考えてくださったのですが、私からは、「古典的な早口ことばも盛り込む」ということをリクエストさせていただきました。

これは、以前いただいた、ある問い合わせに基づくものです。新しくおもしろい早口ことばは子どもたちが喜ぶが、教師が授業などで実際に活用するときは、やはり、自分たちに馴染みがあるものの方がつかいやすい、ということでした。こうして、本シリーズでは、昔から知られた「名作」を、たくさん、盛り込むことに決めました。

そして、我が社の言葉あそびシリーズは、これまで、B6という小さな判型で作成してきました。学校から自宅へ持ち帰りやすいという観点からだったのですが、昨今の言葉あそび本の活用方法を調査したところ、最近は、ひとりで読むというより、みんなで一緒に遊びながら読むことが多いことを知ります。そこで、絵本などで良く用いられる、AB判という大きなサイズを本シリーズでは採用することを決めました。

ただ、大きな判型にするということは、単に絵柄を大きく描いて貰えば良い、というものではありません。本作における絵の役割も、改めて考える必要性を感じました。そのけっか、画面いっぱいに表現される、物語性をより感じさせるような、「おもしろく、かつ、ぬくもりのある」絵をイメージしました。そこで、近年、絵本での活躍も目立つ、旧知の仲の、すみもとななみさんに依頼することを決めました。

発注された内容を忠実に表現することを第一目的に絵を描くイラストレーターという仕事を考えれば、かなり無理難題だったはずです。そんなすみもとさんが「おもしろくするための壁」にぶつかったときが、編集者の私の出番です。学生時代落研で培った「だじゃれ制作能力」を駆使しながら、少しでも、おもしろおかしく読んでくれるようにと、いろいろ提案しました。

こうして完成したのが本シリーズです。文と絵のスペシャリスト、そして我が社の経験値をもとにつくられた本作を読めば、子どもたちは、笑いながら、語彙力をかなり高めてくれるはずです。ぜひ、大人のみなさんもいっしょにご一読ください。

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