見出し画像

母と複合個別人格

愛されたかった。一緒に食卓を囲いたかった。朝におはようと言いたかった。怒って欲しかった。そのまま嫌々に学校に行きたかった。今の私をその目でただ見て欲しかった。当たり前なんて言葉が嫌いになった。死んで欲しくなかった。



この長い夜は終わらないと直感する。あなたは月を見つめているように見える、ただ目に写してるのかもしれないけれど、全てがどうでも良くなるようなそんな気がした。



赤ちゃんは万人が自分を愛してくれてると思ってる。それが自我の芽吹きに見られることなんだ。嫌いなってモノは何一つなくて自分が愛おしい最初のプログラム。愛がないと赤ちゃんは育たないんだって。
でも私は心に2人の自我がある。多重人格なんてものじゃなくて、矛盾する巣窟の螺旋が見出す太極図のように。
私の初めの感情は友達への殺人衝動だった。どこにいても孤独じゃない安心感だったんだと思う。1人になりたかった。旅は孤独であるべきだもの。
でもそれは私を庇って死んでしまった。借りを返そうにももう手遅れだ。血塗られた真赤な包丁がそれを物語っている。どうして失ってから優しくなるんだろう。いつだって君はここにいてくれたのに。男女は相容れなかったのか。そんなに酷いものだとは思わなかった。今日も私は思い出に浸りながら殺人衝動を抑えられなくなって殺す振りをしている。おもちゃみたいなものなのかもしれない。
阿頼耶識、万物は無意識下にある。まがい物でも楽しく生きれないのだろうか。親友は人形で崩れてしまっていた。ただの灰になった親友を見て私はただ怒った。ただただ怒ったのだ。
曲げる権能など持ち合わせていない。全て正しく終息する。だから私が貴方を壊します。愛を持って殺します。だから責任は半分こで。また明日会いましょう。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集