賢くなりたかったら愛情を注げ!
愛情と学習能力に関して、こんな実験がある。
エサを一定の場所に隠した迷路にメスのラットを放ち、エサまでの道順を覚えさせるというものだ。
この実験に用いられたラットには下記の特徴がある。
この中で、エサまでの道順を最も早く覚えたのが『母ラット』。
次いで僅差で『里親ラット』という結果となった。
同様の実験でマーモセットを用いたものもある。
マーモセットはオス親も子育てをする習性があり、やはり子育て経験のあるオスは学習能力が高い結果が得られたそうだ。
つまり、子育てを通じて愛情を注いだ経験のある個体は性別や出産歴に関係なく、学習能力・記憶力の向上が認められたということである。
このことは、愛情ホルモンであるオキシトシンの働きが関係していると考えられている。
これを裏付けるように、独身ラットにオキシトシンを注入して同様の実験を行った結果、学習能力と記憶力の向上が認められたことが報告されている。
オキシトシンは、子育て以外にも他者との関わりで分泌されることがわかっている。
だから好きな人とハグをするとか、ご老人の介護に携わるとか、或いは部下に愛情を注ぐことでもオキシトシンを分泌することができる。
その結果、愛情を注いだ当人の学習能力と記憶力が向上する。
人間関係の良好な職場は業績が良いのも、保育士が園児一人ひとりのその日様子をこと細かに覚えていて連絡帳で知らせてくれるのも、オキシトシンの効果によるものなのだろう。
ということは、資格試験や受験勉強もオキシトシンを利用すれば、効率を向上させることが可能だと思うのだ。
注いだ愛情は自分の財産として返ってくる。
賢くなりたかったら、まずは身近な人に愛情を注ごう。
愛情は、自分も他者も幸福に導いてくれる魔法なのだ。
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