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2024年Steamで遊んだおすすめゲームのまとめ
今年もあとちょっとで終わるということでNoteには書かなかった2024年Steamで買ったゲームのまとめをしようかなぁと…
全体的に見ると大体読み物が5,6割ぐらい占めてるけどまあ気にしないでくりゃれ
愛され美少女ホラー『MiSide』で様々なミタちゃんに恋しよう!
やっと会えたね…!すごくうれしいよ…!
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もしゲームの女の子が突如として愛したいがためにそのゲームの世界に招待されたら…?多くの人は困惑しながらも一緒に料理を作ったり、写真を撮ったり、ゲームをしたり…一緒に過ごすうちに多くの人は幸せな生活だと感じるだろう。
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だがある時、二人きりの世界に相応しくない奇怪な音が鳴る。何かを叩くような音。クローゼットの方に何かがあると思った主人公が確かめようとすると、ヒロインは慌てて止めるのだ。知らなくても良いことがあると。そして続けて言う。私と一緒にずっといてほしいと。貴方が今の生活に不満を思わないならこのまま甘々な生活を送れるだろう。しかしその生活を拒絶してでも真実に確かめようとすると…
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…そうして紆余曲折あって色々な世界を渡り歩き、様々なヒロインに出会いながらも襲われたり、手助けしてくれたり、時にはミニゲームを楽しんだり…異なる世界を観測しながらゲームの世界の脱出を目指していくのだ。
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ホラー美少女ゲーと聞くと人によっては可愛すぎて怖くないと思うし反対に怖くしすぎると可愛くない!と感じる人もいる。だがこのゲームはちゃんと怖いホラーゲーしてるしちゃんとカワイイ!もしているという絶妙なバランスを保っており、このゲームをクリアしている頃にはあなた好みのミタちゃんに恋してるだろう。きっと
来年には大型アプデも控えているのでぜひ買ってミタちゃんに恋してほしい。
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不可思議な文字列を駆使して全てのマスを埋める傑作パズルワード『LOK Digital』
世界を変える言葉とその驚きの効果について学びましょう。
このゲームはパズルゲーとしては非常にシンプルに進めるのにも関わらずステージが進んで新たな情報を得る度に何度でも上質なアハ体験を味わえる脳の活性化として最高のフルコースなゲームだ。
クリア条件は全ステージ共通で、全てのマスを黒く塗りつぶせばクリアになり次のステージに進めるというもの。塗りつぶす方法は文字の規則によって特定の単語を作ることによって塗りつぶせる。しかし面白いのがここから。なんと特定の単語を完成させるとその単語に応じて様々な形でマスを新たに塗りつぶしてくれるのだ。これは実際にはどういうことなのか?
ステージ1のチュートリアルを例に見てみよう。
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ここにあるの”L”と”O”と”K”がある。これ”L”をスタートにして”O”,”K”と繋げると…?
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このように新たな効果でマスを塗りつぶしてくれる。単語にも様々な効果があり、LOKではどこでも1マス黒く塗りつぶしてくれる能力、隣接しているマス二つを黒くする、特定の1文字のみを塗りつぶす…そうしてステージごとに獲得した知識を得た知識を元に高難易度のステージを解く度に脳の若返りを感じていくのだ。
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後になってから改めて取り掛かると解けるようになっている…かもしれない
音楽も全体に落ち着いたメロディが多く、マスをいじる際にカチャ…カチャ…とSEがなるためこれがより深く集中できる。ステージが進むたびに1時間ぐらい考え抜き、ぐあーっ!!分からんンンンン!!!ってなりながら苦心の末に解けた時はものすごい感動と疲労と開放感を一気に味わえる。
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カワイイ
なおこのゲームは本編をクリアした後も、デイリーパズルと呼ばれる毎日更新系の要素があり、そのおかげで常に新鮮なパズルを楽しめる。
充実した脳のアハ体験を今すぐに堪能したい人にはおすすめ。
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口悪少女が大砂漠の街を彷徨う短編ノベル『q.u.q.』
はじめに神がいました。神は空と地を創造しました。他にもたくさん‥‥
神はすべてを愛していました。
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真っ赤な空、照り付ける白い砂漠…熱砂に横たわり寝ていた少女はある目的を抱えて銃を引きずりながら街に向かっていく。そこで出会う奇妙な生命体との交流。強烈な何のために行くのか、そして何を成そうとしているのか。時には即死やバッドエンドルート確定の選択肢を選びながら少女の結末を見届けるポストアポカリプスなビジュアルノベルゲーだ。
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手助けをしようとしてくれているが…?
全体的に赤と白と黒で構成されたアートでこの世界を表現しており、白い空を真っ赤に塗り上げ、白と黒で淡白な建物や砂を描くことでこの世界が死んでいるという残酷さを詰めており、3色という単調な色でもいかにこの世界が過酷であるかをひしひしと訴えてくる。そんな世界の中で似合わないヘンテコなキャラとの出会いと掛け合いが時にはシュールな笑いを誘い、時には凶悪なシリアスを呼び込む…そんな感じ。
物語性は多少考察をする必要があるが全体的にしっかりとまとまっておりテンポが手早く、伏線もしっかりと張られているためとても良質。特に着地点がしっかりしているため何をしたいのかが明確で分かりやすかった。
音楽も壮大な神話のようなメロディからおどけたリズムまでシーンにピッタリな表現もしており、個人製作とはとても思えない上質な出来だった。
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バスタブとアヒルで2神合体失敗しただけですよね?
ルートによっては先ほども述べたようにバッドエンド確定で取返しのつかないこともあるが再周回がとても楽で高速スキップ、ロールバックも可能なためサクサクとルート回収もできる。
歪で奇妙で、残酷な世界の中で少女が迎える結末の全てを見届けよう
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『深夜のラーメン』での不可思議な交流の環
この屋台は深夜だけに営業する
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もし”VA-11 Hall-A"や”Coffee talk"が好きならこのゲームも好きになれる。なぜならこのゲームはそれらに影響を与えたラーメン作りを舞台にお客さんと交流するゲームだからだ。この”深夜のラーメン”は想像通りお客さんラーメンの要望通りに様々な味のラーメン、多種多様なトッピング選び、ごはんや飲み物を組み合わせて叶えるいわばラーメン屋台が体験できるナラティブノベルだ。
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ナイーブな考えは捨てろ
物語の展開によって合わせる音楽は全体的にチルいイメージが多いがそれが深夜という時間のカテゴリーに非常にマッチする。このゲームを開始した時自分は深夜に始めたが曲を聴きながらラーメン作りをしているうちに眠くなってしまうほど良曲だ。ストーリーは客が様々な悩みや体験を他の客や店主、見習い店員ほむらちゃんを通して交わりあうことでキャラごとにコンパクトかつ王道でありながらも感動する仕立てになっている。
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実はこの絵には深夜にしか営業しないささやかな伏線が張られている。
しかしこのラーメン屋台、普通のとはちょっと事情が違うのだ。そもそもなぜ深夜にしかやらないのか?一体なぜなのかはぜひ、このラーメン屋台を訪ねてみよう。
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図書館の新人職員として働く『市立カクレザ図書館』
あなたは今日から当館の職員です
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このゲームは黙々と作業を進めるゲーム…ではなくどちらかといえばちょっと珍しい形で進めるアドベンチャーゲームだ。プレイヤーは見習いとして次々とくるお客さんを相手に本の貸し出しを行い、時にはちょっぴり難解な本の貸し出し検索をして話を進めるというもの。やれることはかなり限られてくるがまったりポチポチと楽しむ感じだ。
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図書館で貸し出すというゲームだけなあって貸し出す本は多い。その数はなんと250種類。しかも表紙やあらすじといった細かな部分が描かれているため時にはこの本はどういう本なのかな…?と立ち止まって確認して楽しんでみてもいい。
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主人公は設定上、雇用期間の1ヶ月間働くことになっているが、1週を通してみるとかなりテンポが良いため30分ぐらいで終わる。そのためマルチエンド方式のにも関わらずそこまで退屈じゃない‥というのが感じ。
ただ全てのエンドを通してもしかしたら消化不良感が否めないかも…しかし主人公が他のキャラとの関係を深くなりすぎず浅くなりすぎない程度の視点になっているためそれがより図書館司書としてのコンパクトでありながらもとてもマッチしている。
もし図書館司書として空気をゲームとして堪能してみたいという人にはおすすすめする。
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ダンス!ダンス!ベルトスクロールアクションダンス!『亜電』
ダンス!ダンス!ダンスしかなし!
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空を割って落ちてきた記憶喪失の少女”とあか”が落ちた先にいたダンス少女”こばこ”。ひょんなことからこばこによってダンスの魅力を教えられ意気投合してたとこへ”暴”という生命体が人々を襲う。とあかはダンスによって”暴”を退治していくが、それによって世界を救うという使命を思い出し、人々を脅かす”暴”を退治に踊り出す。がしかし思ったより世の中は混迷を深めていき…?というSFのようなバカゲーのような導入だ。
だがはっきりいうとこれはバカゲーの類ではない。むしろ終盤に向けてどんどんSF特有のシリアスになっていく。
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基本的にはステージクリア方式になっており、お話だけで進むパートと雑魚を蹴散らしながら最終的にはボスを倒す戦闘パートの二つがある。
基本的にはアクションもシンプルでボタン一つで敵をどつく突進攻撃と雑魚限定の近づいたら移動キーで上下左右に連続叩き付けしながら投げる技のみ。雑魚戦も、ベルトスクロール方式でステージが進んでいくため、おかげで直感的に分かりやすく爽快感もあってとても楽しかった。
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技名も良き意味で厨二病らしくとても好き
このゲームの地味にすごいところはBGMが戦闘にぴったりと合わせてきているのだ。というのもボス戦は基本的に体力を減らして空にしたところでダンスという音ゲーが始まり、タイミングに合わせてボタンを押すのだがその際にリズムずれみたいなのが一切ない。おかげで常にノリノリで合わせることができるのだ。
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変な語尾をする店員ザウルス。
…ベルトスクロールアクションのダンスゲーなんて属性盛りすぎだろと思ったが最後までやってみるととても面白くストーリーが常にこちらを驚かせるため飽きが一切来なかった。ドット絵も可愛いくできておりカワイイキャラクターから繰り広げられる濃厚な話は絶対にアクションとともに飽きさせないようにしていたに違いない。
是非貴方もダンス!ダンス!しながらベルトスクロールアクションを踊り歩きませんか?
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メタフィクションに自己の定義を少女と語り合う『存在/しないあなた、と私』
じゃ、私が本当に実在していると思う?
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貴方は実存主義という思想運動をご存じだろうか?ようは人間の実存を哲学の中心に取り入れた思想的立場というものだ。もっと簡単にいうならば人間の現実存在として自分の在り方を問うというもの。この謎の少女、リリスは主人公と常に自身のあらゆる実存のテーマを章ごとに展開して対話してくる哲学ビジュアルノベルだ。
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ちなみにCVここのえゆかり
…ただこのゲームは他のゲームと違い、ノベルゲーとして受けているというよりはそういう講義を受けているような感覚である。基本的にはよくあるノベルゲーよろしく選択肢が出てきて選んだ内容によっては好感度が増減する…というもの。内容も人によっては退屈したり、理解が難しい内容だったりするためぶっちゃけ人を選ぶ。だがそれに負けず理解しようとすると、同時に実存主義もリリスの可愛さも同時に深まり、脳に染みわたっていくのだ。リアルINTが上がる。
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全体的に見ると1週を通してクリアできる時間はじっくり声を堪能して2時間ぐらいだが、マルチエンド方式なので3,4時間ぐらい堪能できる。セーブは完全オートセーブ方式なので手動のセーブができないが、チャプターごとの話は短いのでそこまで不便ではないっていう感じ。
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この娘の名前はナデシコちゃんと呼ばれている。音ゲーマー。
わいの推しや
もっと彼女たちの魅力あるスクショを取り上げたいがあまりやるとゲームをいざやった時の魅力が半減するのでここまでにしておこう。
残りのカワイイ姿も見たい人はぜひ購入して実存主義の知見を深めつつリリスの愛くるしさを存分に楽しんでほしい。
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コーヒー中毒探偵が立ち向かう本格推理『The Adventures of Fei Duanmu 端木斐异闻录』
今にして思えばあの日から、
「信じがたい日々」
が始まりを告げていたのだろう。
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…貴方はインディーで本格推理ゲームといえば何を思い浮かぶだろうか?
シロナガス島や未解決事件、ObraDinn号…きっと自分も知らないだけで様々な推理ゲームがあるはずだ。そこで中国から発売されたゲーム”The Adventures of Fei Duanmu 端木斐异闻录”を紹介しよう。
このゲームは基本的には重度のコーヒー中毒者でありながら探偵かぶれの大学生でもある端木斐が様々な奇妙な事件に対して真相へと導く推理ノベルゲームである。
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タバコで死ぬ探偵ならぬカフェイン中毒で死にそうな探偵だ。
このゲームの魅力はなんといってもキャラの掛け合いがとても逸品だ。特に翻訳がすごく親しみやすいというか、個性を大事にしている翻訳の仕方のため、印象に残りやすい。大体20分ぐらいも話を読み進めていくと自然と頭にダルがいないシュタインズ・ゲートみたいな掛け合いをしているなぁていう印象を覚えた。
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北京語がでてしまう設定を日本語に直すととたんに江戸っ子みたいなしゃべり方するモブ。
もちろん翻訳だけじゃない。片目が色違いの幼馴染、厳しそうに見えるだけで優しいゴシック少女、女好きのイケメン親友…キャラ絵だけでなくキャラが会話するたびに動くからそれがより、没入感に一役を買っている。
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… ゲーム開始時に上からチャプターを選ぶ形で色々な事件のあらすじが読める。ストーリーの根幹となる”事件”も”謎”も一筋縄でいかないものばかりだ。車ごと消えるガソリンスタンドの霊柩車、目撃証言もある飛び降りなのに死因が窒息の遺体、人のパソコンのパスワードを当てたり、時には制限時間内に問い詰めて証拠を集めるという展開もある。
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ゲムー常にしたいよ~
基本的にこのゲームは本編を買うと2話ぐらいしかお話を堪能できないが、DLCを込みで買うとなんと2倍に増える。値段も比較的良心的なのでぜひキャラの会話が魅力的な推理を堪能しながら貴方もコーヒー中毒者になろう。
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黒森町の謎を解くちょっぴり怖めのドットストーリー『Tales of the Black Forest』
目を開けると、そこは見知らぬ駅だった。
濃い霧が山々を覆い
ぼんやりとした視界の先には真っ暗な森が広がっている。
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Tales of the Black Forest、通称”黒森町奇譚”とは、RPGツクールで構成された2Dホラーアドベンチャーゲームだ。ホラーといってもそこまで怖いわけではない。『Ib』とか『マヨヒガ』とかそういう雰囲気のゲームである。
舞台は1998年。高校生の希原夏森がいつも通りに電車で帰宅していたらいつの間にか見知らぬ黒い森の駅にいた。どうやって家に帰れるか、困っていたところ見知らぬ不思議な女性・桐谷雪に出会う。彼女曰く二人とも呪われており、ここから出るにはこの黒森町の過去にあるといわれる。とある事情で過去に干渉できる能力を得た希原は幾度の過去に行って黒森町の謎を解き明かしていく…というもの。
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このシーンは筆談で会話している。
このゲームの特色はなんといってもその丁寧さに尽きる。例えばホラー表現として日本の妖怪を出しているのだがどこか変な表現をしているとかそういうのがない。むしろ詳しすぎるだろってぐらいしっかりと妖怪の表現を表している。それは今作を表現する街も同じだ。こういう日本を舞台にしたものはどこか表現がヘンテコだったりするのが多いが、このゲームは細かい部分もしっかりと作られており日本の家屋を精査して作られたんだろうなって分かるぐらいだ。
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冬はミカンが必須だよね…
ストーリーもものすごく良い。基本的には感動させるようなことが多く、どうしてそうなってしまったのかがしっかりと納得させてくれる所には感心した。ホラー表現としてもジャンプスケアやめっちゃくそ難しいチェイスも要求されない。謎解きもあるが基本的にはちょっと考えれば分かるものが多く、そこまで詰まることもない優しい設計となっている。
キャラも埋もれることなく皆個性的だ。特に主人公の希原は幼いころから妖怪といったものが見えてしまっているせいで他の人と精神がずぶとくなってしまっており恐怖に怯えるどころが淡々としていてそれがとても彼女の大きな魅力となっている。
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このように2Dホラーアドベンチャーとしてはとても上質な出来だが、ひとつ注意として書かなければならないことがある。
このゲームは実際のとある事件をモデルにしている。その内容は人によってはとても選ぶ内容だと思う。もしそれも気にならない人であるならばこのゲームはあなたの心に残る珠玉の一つになりうるだろうと私は思う。
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まとめた感想
あれもこれもってやって足しまくったらめっちゃくそ長くなりすぎた…なんなら今年もあと三日ぐらい(この時2024年12月29日)で終わるじゃねぇか!時間かかりすぎぃ!
でもなんだかんだ書いてるときは結構楽しかった。来年に発売を期待しているのはMETRO PENGUIN EUTOPIAとか、SAEKOとかかなぁ?もしかしたら私が知らないいきなりのダークホースみたいなゲームがでてくるかもしれない。出てきてほしい。