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小山駅きそばに想う。


2022年1月14日 金曜日。

宇都宮線小山駅上りホームにある立ち食いそば店
きそばが閉店した。
1991年から約30年に渡り沢山の人に愛されてきた。
私が学生の頃は両毛線ホームにもあり、学校帰りに食べていた記憶がある。
大好きな映画、【秒速5センチメートル】にも登場していて、特別思い入れも強い。
閉店を知った時ものすごく悲しくて、いてもたってもいられなくなった。
世界一美味しい!と叫び続けてきた自分の感情を
どうにか言葉にしておきたくて、今この文章を綴っている。

学生~フリータの時代は電車を利用していたため、頻繁に通っていた。
店員のおばちゃんと顔見知りになり
「よく来たね。いつも美味しそうに食べてくれて嬉しいよ。」
なんて言われたりして、自分もおばちゃんとよく言葉を交わしていたことを覚えている。

きそばで食べている時間は、いつもちょっと特別で幸せになれる。
どんなに寒い日でも、いつも心が温まった。
それはきそばの物理的な温かさだけではなくて、店員さんがくれる人との関わりから得ることのできる、温かさでもあったのだと思う。
就職が決まり、駅を利用しなくなる時とても寂しかったけれど、その後も駅を利用する際には食べに向かっていた。
主に都内へライブに向かうお昼。飲み会前の腹ごしらえ。オール明けで帰ってきた二日酔いの朝。
大好きなばあちゃんが亡くなる前日も、呼び寄せられるように食べに行っていたことを思い出した。
どんなタイミングでも、きそばはずっとそこにあって、いつでもあたたかく迎えてくれていた。
将来大切な人ができたのなら、絶対に一緒に食べたいと思っていた。
それ位、大切で大好きで、愛おしい場所なのである。閉店の知らせを耳にして、沢山のファンが押し寄せていることを知った。
そりゃそうだと思う。ひとりひとりに、きそばとの思い出があって、愛しい気持ちで溢れているのだ。


1月13日 閉店前日、最後のきそばに向かった。
もうこの場所で、きそばの汁の匂いを嗅ぐこともなくなる。あの甘く優しい汁の匂いに、何度心惹かれただろう。愛おしくてたまらなくなった。
この券売機を使うこともなくなるのか。
いつもアホみたいに七味かけてたなぁとか。
色々なことを思い出しながら、しっかりと最後の一杯を味わうことができた。

「ごちそうさまでした。」と声を掛け、どんぶりを戻す。
「いってらっしゃい。」と笑ってくれた、おばちゃんの笑顔を思い出しながら。


帰り道、ものすごく切ない気持ちになった。
ずっとあるなんてことない。物事も命も有限だ。
その事実は都度痛感して今までも生きてきたつもりだ。
だけどやはり現実になるとつらい気持ちにもなるけれど。
この味が一生食べられなくなる訳ではないんだと
心を奮い立たせ、これからも小山駅きそばのいちファンとしてあの味を愛していこうと思った。


JREモール限定商品【オリジナル丼付き JR小山駅きそば 自宅で再現セット】なるものも購入できるようだ。
(注文殺到により、1月上旬受注再開予定とのこと)

きそばの丼を手に入れたら私も
きそばのおばちゃんみたいになれそうだ、なんて思ったりして。嬉しくなった。
また、委託運営会社の中沢製麺でも、【小山駅きそば 自宅で再現セット】が購入可能。

小山駅きそばはこれからも続いていくのだ。
ずっと。ずっと。

長い間、本当にありがとうございました。
大きな愛と感謝を込めて。

膨大な画像フォルダから見つけ出した、今まで食べたきそば達。
私のお気に入りは、きつねうどんに新生姜トッピング。
たまにねぎだくも。
本当にありがとうございました!
また会える日まで。

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