ゲーム感想記事 #3 メトロ リダックス
お疲れ様です。
今回はPSstoreでセール中の名作『メトロ リダックス』を購入したので、そのプレイ感想記事です。
例によって主観マシマシ、ネタバレ少なめでお届けします。
メトロシリーズとは
そもそも『メトロ』シリーズとは何ぞや、という話だ。
コアなゲーマー以外の知名度が低い(と勝手に思っている)本作は、ロシアの作家ドミトリー・グルホフスキーが2002年にネット上で発表したSF小説及びそれを書籍化した『METRO2033』シリーズを原作としている。
今回プレイした『リダックス』はシリーズ一作目『メトロ2033』(2010年発売)と二作目『メトロ ラストライト』(2013年発売)がセットになったお得版だ。日本の販売元はスパイク・チュンソフト。
PS4/5及びXbox、steamでプレイ可能。
ちなみに原作小説も『メトロ2033』は上下巻で翻訳版が発売されており、Amazonで買える。
余談だが、Amazonアソシエイトに参加したのはいいが、あまりにもアフィリンクからモノを買わせなさ過ぎたせいで、先日普通に資格をはく奪された。そのためマージンが1円も入らないので安心してリンクから購入してほしい。
プレイ雑感
荒廃の美学
終末戦争の影響で文明が滅びかけているため、ハイテク兵器なんぞ微塵も出てこないのが美しい。辛うじてコンピューターは出てくるが、終末戦争勃発が2013年設定のため、iPadみたいなタブレットは影も形もない。PCですら今からすれば骨董品みたいな姿をしている(ブラウン管は骨董品ではないという貴方は現実を受け入れた方が良い)。
線路はボロボロ、駅も日本のJRなんかとは比べ物にならないくらいボロい……というか駅=人間の居住区なのでめっちゃ狭い。住居とマーケットと軍事施設……色々纏めすぎだ。マーケットエリアはさながら東南アジアのマーケット通りみたいなギチギチさである。
地上はもっと凄い。
人類文明の痕跡は20年ぽっちじゃなくならないが、ほぼほぼ廃墟と言って差し支えない状況となっている。あのモスクワが一面荒廃し廃墟となっている。その光景は一種の美しさすらたたえていると言っていいだろう。廃屋の雰囲気が最高。
ゴッドイーターのフィールドとか好きな人は刺さると思われる。
通貨は登場せず、通貨の代用品として”軍用弾薬”が登場するのもいい味を出している。通常の弾薬と同じように武器に装填すれば高威力を発揮するが、同時に通貨としての役割も持つため奥の手的な意味合いが強い。銃や弾薬を購入するために残しておくか、強力なミュータントにブチ込んでやるかで悩むのも楽しい。ちなみに筆者は一発も軍用弾を撃っていない。
登場する銃器は”カラシニコフ”(作中で出てくるのは74)、VSVなど実銃ベースのものもいくらか登場するが、それ以外の大半はお手製感溢れるデザインとなっている。そこも堪らないポイント。
ちなみにだいたいどれもレーザーサイトをつけておけば安定して戦いやすい。サプレッサー付きの武器でステルスキルするとき以外はADS殆どしないくらいなので、下手にスコープ付けるよりもレーザーサイトだけの方が使い勝手が良かったりする。全部乗せが一番だけど。
ガスマスク
地上や地下の一部区域では空気が汚染されているためガスマスク着用が必須となっており、装着しないと死ぬ。しかしフィルターが滅びかけ文明クオリティなためクッソ粗悪で、頻繁に交換する必要がある。そのため、ミュータントや野盗との戦闘中だろうとお構いなくフィルター交換をする”隙”が生まれる。こういった部分が演出としてもニクい。
フィルター自体はぶっ殺した敵兵や先人の遺骸から追い剥ぎできるので、そうそう枯渇することはない。一部駅では予備の購入もできる。
また、敵の返り血や泥でマスクのレンズが汚れたり、被弾で割れたりして視界不良になることがある。前者は拭くモーションで解消可能だが、後者は結構深刻で、あまりにも攻撃を受けすぎるとレンズが全割れしてしまい、前が全然見えなくなる。まぁ敵兵から追い剥げばいいので、その局面さえ乗り切ればどうとでもなる。
そういったシビアさも魅力だ。
(SSを撮っていなかったので、そのうち撮って差し込んでおきます)
ドキュメント
主人公アルチョムは所謂無口系主人公というやつだが、各シナリオのロード画面では回想という形でめっちゃ喋るし、道中拾う日記(回収要素)でもめっちゃ書き込んでいる。その心情描写は一見の価値アリ。作品のストーリーを追う意味でも、積極的に探して読んでおきたい。
ちなみにロード画面の方はフルボイスで回想してくれる。CVはてらそままさき。このnoteの読者向けの出演紹介をすると、キンタロス(仮面ライダー電王)、ガイゼンボーガ(グランブルーファンタジー)、ハンク(バイオハザード)あたりが有名どころになるか。
登場人物
敵も味方も個性派揃い。
『2033』冒頭に出てくるだけなのに異様な存在感を放つ”ハンター”(CV.乃村健次)
あらゆる方面に借金しまくっているが主人公を手助けしてくれるブルボン(CV.ふくまつ進紗)
この作品のスピリチュアル担当、原作小説だと自称”チンギス・ハンの生まれ変わり”。絶対宗教家とかそういうやつだけどめっちゃ助けてくれるいい人、カーン(CV.高瀬右光)
敵対陣営である共産主義者だが一時共闘することとなるパヴェル(CV.後藤ヒロキ)
などなど、魅力の詰まったキャラクターがわんさか登場する。
無論、こいつら以外も重要NPCは多数登場するし、味方陣営のキャラは大半好きになれると思う。
情勢的に大丈夫なのか
作者がロシア人、舞台がロシア、デベロッパーがウクライナ(4A Games)と、昨今の世界情勢における地雷原要素で盛り沢山である。
なんなら作者のグルホフスキーはロシアの独裁政治に反対的な立場をとるジャーナリストでもあるため、ウクライナ侵攻を批判した際には国家反逆の容疑で指名手配された(国外脱出していたため欠席裁判になった)という話もあるなど、かなりセンシティブな状況である。
だが、作品そのものに罪はなく、良質なゲームであることは疑いようもない。いち小市民としては、政治的スタンスの如何はともかく、買って遊ぶことで氏の応援が出来ればと考えている。
まぁめっちゃファシストとか共産主義者が敵として出てくるし、ぶっ殺しまくるんですけどね……。
再現性の高いエラー
普通に許せないポイント。
どういう訳か特定のチャプターでロードするとゲームがクラッシュして強制終了したり、操作不能になってフリーズしたりする珍事が発生した。
どちらもオートセーブからのコンティニューではなくチャプターセレクトから再開することで解消できたが、それまでのオートセーブが上書きされるためチャプターの最初からになってしまうのが痛い。戦闘続きの長丁場だと特に。
影の薄い装備
自分のプレイスタイルの問題かもしれないが、暗視ゴーグルや暗視サイトが驚くほど息をしていなかった。
基本レーザーサイトとリフレックスサイト、時々2xサイトがあればなんとかなるお気楽仕様であるため当然ともいえる。
ただ、これは難易度ノーマルでプレイしているからであり、難易度ハードコア以上になるとどうなるか分からない。
トロフィーが無いため挑戦する気はあまりないが、気が向いたらやってみても良いかもしれない。
真エンディングの分岐が分かりづら過ぎる
分かるか……! こんなもん……!(トネガワ)
初見ではほぼ確実に無理だろってフラグを踏ませるのはどうなん……という思いと、真エンドなんだから当たり前だろという思いがある。
『2033』は勝手が分かってなかったので、一周目で取れなくても仕方ないなと思うなどした。二周目でトロフィー埋めつつ真エンディングも見れたし一安心。
でも『ラストライト』はフラグ全部回収してたのに真エンド回収できなかったので釈然としない。カルマ値調整に失敗していたと思われるが、”敵対mobを可能な限り殺傷しない”ってのは流石に厳しいって! 何のための武器だと思ってんねん(見的必殺プレイングの申し子)
余談だが、古いゲームなので攻略サイトがあまり無いし、質もそんなに高くないものが多い。二周目で参考にしてた個人ブログは途中でエタってた。悲しい。
自分で書いてまとめた方がいいなと思ったらやるかもしれない。かもしれないだけ。
終わりに
最後なんやかんや書いたけど、とっても面白いゲームでした。
一人用FPSとしての没入感の高さと完成度は、決して近年のゲームに引けを取らないなと強く実感しました。10年以上前のゲームってのが信じがたい。
ストーリーも『ラストライト』の方は特に色々と考えさせられる部分もあり、ストーリーの余韻に浸りたい人や”ゲームを通じて何かを得たい人”はプレイ推奨。
なんとPSstoreで7/31までのセール期間中、たったの433円!
続編の『メトロ エクソダス』も500円ちょい! 実際オトク!!
筆者も後で買っておこうと思います。
そろそろ夏休みシーズンですし、モスクワの地下で気分だけでも涼んでみませんか。
『ラストライト』2周目やってトロフィーもあらかた取ったら、『GGST』を少し触ってから『リダックス』もやっていけたらと思います。
あと最近は『ブルーアーカイブ』の最終編を読み終えたところなので、それの雑感も書けたらいいな。
それでは。