本を読めなくなったわたしが出会った31音の物語│ 1ヶ月書くチャレンジDay15
8月も折り返し地点まで来ましたね。さてあと半分どう過ごしましょうか。
こんにちは、あるいはこんばんは。
今日も4歳とずっと家で工作してました。自分の手で何かを生み出すのってすごく楽しい。ああこれ、わりと夢中になってやれることかもしれません。
そんなわけで今日の書くチャレンジです。
Day15 誰かにオススメしたい本・映画・アニメ・ドラマ
子どもの頃から、本を読むのは好きでした。母もよく本を読む人なので、2週間に一回、図書館に行くのが休日のルーティーンで。
エッセイや小説をよく読んでいて、ハードカバーの本を何冊も借りたりしてました。なかなか読めず、そのまま返してしまうこともありましたが。
ところが妊娠出産を経て、文字が読めなくなりました。
よくあることらしいんですけど、とにかく長い文章が読めない。
つわり中は数行読むだけで気持ち悪くなってたし、出産してからは集中できないというか、文字を追っても頭に入ってこないんですよね。
だから、出産前後はTwitter(当時)に入り浸っていました。長文は無理でも140字なら読めるし書けるので。
でもずっと悲しかった。本を読むことは自分の人生の中に当たり前にあったのに、それができなくなってしまったことが。
そもそも子どもとの時間を優先するとゆっくり本を読む時間もないし、仕方ないと思っていました。
ですが、産後1年経とうとするころ、衝撃的なツイート(当時)と出会います。
57577のリズムで、短歌だということはすぐにわかりました。
が、わたしの中で短歌といえば百人一首の旧仮名遣いのイメージが強くて、こんな風に現代の、しかも気取らない日常を詠めるものだとはまったく知りませんでした。
ちなみにこの歌は、歌人の岡本真帆さんがご自身の歌をパロディされたもので、もとの歌はこちら。
言葉のもつ音の軽やかさと、そこに確かにある、同じ世界の誰かの生活。
短歌の世界ってこんなにも自由なんだと驚きました。
でそこから、Twitter(当時)スペースでの「生きるための短歌部屋」と出会います。
岡本真帆さんと、同じく歌人の上坂あゆ美さんのおふたりがお題に沿って短歌を持ち寄るスペースです。
短歌の素晴らしさもですが、おふたりの飾らない、でも言葉で表現される方らしさがあふれるお話がわたしはとても心地よくて、開催されるたびに楽しみに聞かせていただいてました(実は今でも次回開催心待ちにしてます!)。
そこで、おふたりがそれぞれ歌集を出されることを知ります。
本を読めなくなっていたわたしですが、短歌の57577、31文字での表現はすっと自分の中に入ってきました。
140字より全然少ないですからね。それでいて31音に、ものすごく物語や風景、感情がある。
2冊とも、すぐに予約しました。
同じ31音でも、そこにある温度や光の当たり方が全然違って、どちらの歌集も一首ずつゆっくりじっくり読みました。
スペースでおふたりのパーソナリティを知っているぶん、すごくおふたりっぽい歌がそれぞれの本に並んでいて、読んでいる間ずっと感情が揺さぶられて幸せでした。
さらにこの2冊の歌集のすごいところは、なんとおふたりがお互いの歌集を解説している公式副読本があるのです。
お互いの本を読んで、歌の解釈を解説してくれる。その解説も、歌人ならではの視点だったりお友達同士でもあるおふたりの関係性が垣間見えたりしておもしろいです。
もちろん、短歌の解釈は人それぞれなので、正解が書いてあるわけではありません。すっごく簡単に言うと「好きな人が好きなものについて語ってる本」。そんなの楽しいに決まってる。
そこから現代短歌のおもしろさを知り、今に至ります。自分でも詠んでみたいなと思いつつ、やろうとするたびに31音にぎゅっとまとめることの難しさを痛感します。
言葉や文章が好きなnoterさんには、きっと心に響く歌があると思います。
お気に入りの一首をぜひ見つけてみてください。
今日も読んでくれて、ありがとうございます。