サンショウウオの四十九日 著:朝比奈秋
胎児内胎児として生まれた若彦の兄、勝彦が死んだ。若彦の娘の杏と瞬は結合双生児である。結合双生児と言っても全ての臓器をシェアしてる二人は考えを共有する事も夢を見る事も会話する事もできるが見た目には一人の女性にしか見えない。
美大に行くかネイルの専門学校に行くかで悩んでいた進路だったが母の薦めで看護学校に行く事になる。そして今はパン工場で働きながらネイルチップを作って売ると言う副業をしてる。勝彦さんとは伯父だが思い出という思い出は特に無い。しかし、父若彦は胎児内胎児で勝彦から生まれたと言う逸話に興味を持ち、葬儀に参加するのだった。
その中で瞬の語りで杏を語ったり、杏の語りで瞬を語ったりしながら最後は杏の中から瞬が生まれ始めた5歳の頃の記憶に辿りつき、池の中からザリガニを拾う場面を思い出してこの物語は終わってしまう。陰陽図のように陽と陰な二人はお互いの尻を食べ合うようなサンショウウオのようだと語られている。勝彦が死んで四十九日、祖母の実家で寝起きして毎年やってくる喉風邪にやられながら意識を失いそうになるが父が病院に連れてってくれる。
そこでこのお話は終わりだ。朝比奈さんは医者なのだそうだ。その傍ら執筆活動を続け、『塩の道』で林芙美子文学賞を受賞してデヴュー、『植物少女』で三島由紀夫賞を受賞『あなたの燃える左手で』泉鏡花文学賞と野間文芸新人賞を受賞、今作で芥川賞受賞である。
読み進めてて面白いと感じた事は無かった。夢の描写のような不思議な追体験をしたにとどまる。しかし、医者をしながらこんなに文学にも秀でる才能があると言うのは天は二物を与えてるよなと思うのだった。
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