紙婚式 著:山本文緒
図書館から借りて来て3冊目、あと2冊残ってるけど、紙婚式は短編で、面白い作品ばかりだった。
土下座
子宝
おしどり
貞淑
ますお
バツイチ
秋茄子
紙婚式
となっている。
土下座は衝撃的だった。土下座して結婚した妻が怖くて堪らない夫の話。
子宝は生き物が苦手なお嬢様が政略結婚した相手の子供を身籠る話。
おしどりはおしどり夫婦と呼ばれてる兄夫婦に居候した妹の他人行儀な夫婦生活の成れの果て。
貞淑は人気のお茶屋さんを営む夫婦の女が夜発してしまった旦那とは別の男の名前の真相。
ますおは完璧に理想的な毎日を送れてる幸せな妻が完璧な夫の秘密を知ってその本心を暴露される話。
バツイチが一番面白かった。バツイチ同士の恋愛の遠慮。
秋茄子も面白かった。幸せで裕福な夫の両親の真相に泣いてしまう夫を庇う嫁。
紙婚式は表題作だ。子供も持たず、金銭も折半してお互いに自由に暮らす干渉しない夫婦の物語。メリットだけを考えて一つになった夫婦の別れの物語だった。
男女の話だが、完璧な二人の理想の姿と言うのを描くのではなく当人同士の他人には見えない理由と愛情を描いている。誰にでも訳あって、順風満帆で行かない男女の恋愛を俯瞰してシニカルに描いている。山本文緒さんの短編は直木賞を獲ったプラナリア以来だったが、紙婚式も面白かった。文緒さん天国で安らかに。あなたの文学はしょうもない人生を送ってる私に十分な慰めを与えてくれました。また、あなたの作品を追って読もうと思います。
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