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【8月の激レア映画!】小林聡美出演の『キリコの風景』や、日本初公開となる『ヌードの映画史~黎明期から現代へ~』をはじめ、廃盤・未ソフト化など貴重な映画を“レア度”とともにご紹介!

文=飯塚克味 ①[廃盤]『セルロイド・クローゼット』 レア度…★★★☆☆  まずは[廃盤]になっているこちらの『セルロイド・クローゼット』。  今でこそ、LGBTQを声高に訴えることが可能になっていますが、ちょっと前までは、同性愛の描写はハリウッドではご法度でした。それを前面に出すと心の準備のできていない観客たちは物語に集中できなくなってしまうでしょうし、ゲイやレズビアンの人々の存在そのものが世の中に受け入れられていなかったからです。でも映画の作り手たちはさまざまな手法

アンドレア・シュタカ『Mare』幸福でも不幸でもない退屈さ

アンドレア・シュタカ長編三作目。今回の主人公マーレは夫ドゥロと三人の子供たちと共に、ドゥブロヴニク空港の直ぐ側にある借家で暮らしている。夫の稼ぎは多くないが、子供たちに手がかかるからとマーレの復職には消極的で、夫と子供たちが仕事と学校に行った昼間の時間は、家の中で様々な家事を一人でこなしている。象徴的だったのは、多少の喧嘩はあれど基本的には仲の良い一家がくすぐり合いをして戯れている中で、一人だけ焦げ臭い香りで我に返ってその場を離れるというシーンだ。彼女は家族内の交流ですら満足

「生きる」ための映画=ショーシャンクの空に

GW後の五月病期間に、梅雨入りしてしまったかのような空模様が続きますね。加えて、朝起きてスマホを開くと、目を疑うような悲しいニュースが飛び込んでくる。これはちょっといけません。U-NEXT映画部・林です。 生きる力が減ってしまうこと、誰にでもあると思います。 個人的な話ですが大学時代、いろんなことが重なり、力がどんどんなくなって、何に触れても魂が楽しまなくなった時期がありました。どんなことをしても哀しいし、虚しい。心のHPは残り一桁台、オレンジ色です。 とうとうある日の

デザイナーズヒストリーVol.1山本耀司

 以下、日経新聞の連載で気になった部分を要約してみる。

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海外批評家選出2020年ベスト10まとめ

今年も年の瀬になり、海外批評家たちがこぞって年間ベストを発表し始めた。年に何百本も新作映画を観ている彼らが、1年を10本(例外多数あり)に凝縮するわけで、その10本には彼らの人生そのものが反映されているといっても過言ではない。私はそんな彼らの(基他の映画好きの)リストを眺めるのが大好きなのだ。ということで、今回はMetacriticでまとめられている海外批評家ベストのまとめを邦題にしてみました。元のサイトはコチラ。ランキング形式で発表していない場合は掲載順に記載。随時更新中(

2020年 新作ベスト10

今年は色々大変な年だったが、物理的に鑑賞不可能だった映画祭がオンライン開催されるなど物量はシンプルに例年よりも増えた感じがしていて、諦めの悪い私は"こりゃあ観きれないなぁ"などと贅沢な悩みを抱えながら見て回っていた。おかげで新作は短編を含めて370本ほど鑑賞することが出来た。また、noteを書き初めて2年目にも関わらず、昨年執筆したハンガリー映画史の記事をキネマ旬報に寄稿することになるなど、図らずも最後までチョコたっぷりな年になってくれた(勿論本業の実験は本当に大変だったが)

2021年 上半期新作ベスト10

学生最後の3ヶ月(うち2ヶ月は修論書いてた)と社会人としての最初の3ヶ月が終わり、前者のおかげで上半期は旧作も併せて449本の作品を鑑賞できた。今年も昨年と同様コロナの影響で新作の密度が薄いので、新作の定義をザルにすることで母数のカサ増しを図ることにした。具体的には の三つを条件に作品を集めまくった。結局総数は157本となった(去年の今頃より観てる…)。 尚、下線のある作品は別に記事があるので、そちらも是非どうぞ。 1. Bad Luck Banging or Loon

クエンティン・タランティーノが"好き/オススメ/お気に入り"と言った全映画リスト(最新版)

やっぱりこのリストにはタラちゃんが必要なんだよ!!ってことで第四弾!今回は、クエンティン・タランティーノがベスト系記事やインタビュー、果てはコメンタリーなどで"好き"とか"オススメ"とか"お気に入り"とか言った全作品をまとめた狂気のリストを発見したので、その狂気を邦題にしてお伝えしよう!!リスト製作者が"ぜってえ終わんねえ"と言っている通り、このリストは完全には網羅しきれていないので、随時更新していきます!元のリストはコチラ(最終更新2021/06/01)。 ・1930年代