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「ありがとう」と「大好き」があふれる日々
夜、布団に入ると、息子は毎日のように言う。
「きもちいいね」
「きょうもたのしかったね」
「ありがとう」
「だいすきだよ」
今日もたくさん遊び、たくさん笑った。
ごはんを食べて、お風呂に入って、
お気に入りの絵本を読んで、
眠る前にぎゅっと抱きしめ合う。
そんな一日の終わりに、
「ありがとう」と言える彼の姿を見るたびに、
胸がじんわりと温かくなる。
息子は、愛情をまっすぐに表現する。
たとえば、おもちゃの消防車にそっと手を添えて、
「きょうも大好きだね!」と声をかける。
まるで大切な友達のように。
お気に入りのものに「大好き」と伝える
その姿が、なんとも微笑ましい。
私にも突然、「ママ、大好きだよ!」と
伝えてくれることがある。
予期せぬその言葉に、
驚きながらも、心がふわっとほどける瞬間。
「ありがとう」もそうだ。
遊び終わった後、食事の後、寝る前だけではなく、
ふとしたときに「ありがとう」と言う。
例えば、コップにお茶を注いだだけで、
「どうも、ありがとう」と小さな声で伝えてくれる。
それは決して誰かに言われてするものではなく、
彼の中から自然と湧き上がる気持ちなのだと思う。
そうだったらいいな、
そうであってくれたら嬉しいな、と母としてそっと願う。
もしかしたら、日々の中で感じる温かさや安心感が、
彼の心の中でふんわりと広がっていっているのかもしれない。
そうやって、誰かに優しくしたいとか、
「ありがとう」と伝えたいと思える気持ちが、
少しずつ育っていってくれたら、
私はそれだけで十分すぎるほど幸せだ。
「今日も楽しかったね」と言えるのは、
楽しいことだけを覚えているわけではなく、
一日をポジティブに振り返る力が育っている証拠なのかもしれない。
「〇〇したし、〇〇たべたし、〇〇だったよね」
彼は一日の出来事を順序立てて思い返しながら、
心地よい記憶を大切に胸にしまっていく。
そして、「ありがとう」と伝え、
「大好きだよ」と言って眠りにつく。
私はそんな彼の横で、
「今日もありがとうね」と返す。
愛情はこうして
循環していくものなのかもしれない、と私は思う。
「大好き」と言われて、
自然と「大好き」と返したくなる。
誰かに「ありがとう」と言われると、
また誰かに「ありがとう」を伝えたくなる。
息子がいつか成長して、
家族の外の世界へと羽ばたいていくとき、
この「ありがとう」と「大好き」が、
彼の中で変わらず生き続けますように。
そして、その言葉が、
彼の周りの誰かの心をそっと温める力になりますように。