筋肉の衰えが加速する習慣とは?
5月17日に東京都健康長寿医療センター研究所より、、、
「老化による筋力低下に、交感神経が関わることを発見」という研究論文の発表がありました。
マウスによる動物実験ですが、交感神経には筋力を高めたり調節するはたらきがあり、高齢者の筋力低下とも関わっているのではないか、という研究です。
交感神経と筋肉の関係
交感神経は、副交感神経と併せて自律神経とも呼ばれていて、心臓や血管、内臓などの働きを調節しています。
近年の研究では、交感神経が関節を動かす筋肉に対してもはたらき、筋力を高めるなどの役割があることが解っています。
今回の研究で明らかになったことは、加齢とともに、交感神経の作用のうち、
(1)筋力を高めるはたらきが弱くなるということ
(2)筋肉そのものを硬くする作用が強くなること
この2つがわかりました。
さらに詳しく調べると、体を動かすのと同時に交感神経がはたらくと、筋力を高める助けになるのですが、体を動かさずに交感神経だけがはたらくと、筋肉が硬くなり運動の邪魔をする可能性があるということがわかりました。
あくまでマウスの実験ですが、今回解明されたメカニズムは、人間の加齢と運動機能低下の仕組についても、役に立つ可能性があると述べられています。
ここからは、私の仮説、想像です
この論文を読んで感じたことは、結局「機能低下の予防に運動をしましょう」ということにはなるのですが、同時に気を付けたいと思ったことがあります。
それは、体を動かさずにいて、なおかつ交感神経の活動が強すぎる状態にあることです。
交感神経は、体を動かす時だけでなく、精神的に興奮したり、ストレスを感じる時にも強くはたらきます。
つまり、ただの運動不足よりも、
「運動不足 + ストレス」
これが、最も筋肉の衰えを招くことに、繋がりかねません。
めったに体を動かさず、それでいて常に興奮して、不安、イライラ、怒り、緊張、恐怖、などの心理状態にあると、筋肉がどんどん衰え、硬くなってしまうのではないか、と想像できます。
若者でも同じことは言えますが、高齢になるほどこの傾向が強くなるというわけです。
体と心は繋がっているとよく言われますが、そのメカニズムを説明する大きなヒントになりそうな研究でした。
安定した心理状態で楽しみや生きがいを感じながら、
運動習慣があること。
健やかな身体を保つために大切なことは、結局、こういうシンプルなことに行きつくような気がしてきました。
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