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創作欲からの出発。
年始に掲げた、今年最大の目標
長編映画『朱鞠』の制作大決定。
達成期日まで、
あと2ヶ月ちょい。
10月は制作部の3人に任せ、僕は脚本の改稿や、作品力を高めるために勉強したり資料を読んだり、自分にしかできないことに集中させてもらう事にしました。
この時間、めちゃくちゃ、楽しいです。
学びは栄養価が物凄く高い。
体のどこかが喜んでいるのがわかる。
そして短編映画『潮時』の編集作業や予告編の作成、映画祭に出すための資料作りも並行して行っていますが、この短編映画も僕たちにとってはその先の目標を達成するための足掛かりとして重要な役割を果たします。
昨年11月。
『朱鞠』を執筆する時に北海道に1ヶ月滞在しましたが、その際に僕を1ヶ月間泊めて下さった名寄のファン教授からメッセージが届きました。
「私は、必ず形になると確信してますよ。去年美しい景色を背景に語り合ったことやこれまで仕事に取り組んで来ている姿勢が確信させてくれてます。頑張って下さい。こちらの祈りも続けられていますので」
涙がこみあげてくる。
9月に企画を通せなかった不甲斐なさもあるけど
教授と過ごした、美しい時間が僕の心に蘇ってくるのです。
その世界が刻まれる次作『朱鞠』
世界中の誰よりも、自分がその作品を待ち望んでいます。
そんな僕の『創作欲』という特異点から端を発しているこの作品でしたが、今はその一点だけではありません。
色んな人の想いを背負っています。
道のりは、途方もなく長い。
まずは、脚本を改稿して
より魅力的な本に仕上げる。
昨日、久しぶりのメンバーでの集まりがありました。
オランダから一時帰国した、『莉の対』の宣伝アシスタント・さゆりを囲む回。
今年の事とは思えないくらい昔のように感じますが、ロッテルダム国際映画祭のオープニングナイトといって、映画祭の開会式が行われた夜、会場でキョロキョロしていた僕と彰夫に
「莉の対の監督の田中さんですか?」
と声を掛けてくれたのがさゆりでした。
元々は日本でメディアの仕事をして、今はオランダに留学をしている女性で、ロッテルダムには別の映画を取材するために来ていました。
「いや、俺たちを取材してよ!」
と初対面の彼女に軽口を叩いましたが、会期中に何度か顔を合わせているうちに次第に僕たちと仲良くなり、気づけば僕たちの宣伝の手伝いをしてくれ僕達の宿舎に泊まりにくるほどの仲になっていました。
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この感動的な動画を撮ってくれたのもさゆりでした。
そんな彼女が、一時帰国すると言うので、久しぶりにロッテルダムメンバーで集まることになったのです。
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みんな変わらず元気で嬉しかった。
それぞれの現場で頑張っているみんながいて嬉しかった。
二度とは戻ってこない、まるで夢のような奇跡の時間。
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同じ時間は二度と体験できないけど、大きな感動はきっとまたこの先で経験できるはずです。
いつかこのメンバーでまた仕事がしたいとも思っています。大切な処女作に力を貸してくれたメンバーです。
その時は、あの頃とは違う楽しみ方をしたい。
ああ。
秋は良いなぁ。
雨も気持ち良い。
葉が色づき始めるのが待ち遠しい。
創作欲に溺れそうだ。