ロッテルダム国際映画祭 9日目
今日は朝からオランダ北部にある都市・フローニンゲンに向けて出発!
フローニンゲンでもロッテルダム国際映画祭の中から選抜されたいくつかの作品が上映され、僕達の『莉の対』も選出されました。
フローニンゲンに着いた瞬間、もう僕達全員がフローニンゲンという街に恋をしていました。
美しい街並み、穏やかな空気、街としての利便性、新旧の融合、人の優しさ、異国情緒、その全てにおいて素晴らしい街でした。
そして、今回の上映会場はこちら。
という10階建の建物の中に劇場が5つ程入っていて、中にはラボやオフィス、バーやカフェなどもあり、さらにほぼ全ての階のぐるりに本棚が設えられていて建物全体が図書館のようになっています。
様々なサイズのシアタールームがある中でも僕達のテンションをぶち上げたのは、30席ほどのこのシアター。
まるで飛行機のビジネスクラスのようなゆったりしたスペースに、ソファのようなふかふかした座席。後方にはバーもあって素敵空間Maxでした。
そして建物の最上階はルーフトップになっていて、街全体が眺められるようになっていました。
フローニンゲンのプログラマーのHenkさんに建物のガイドをしてもらいまして、色々と建物や街の事を知る事ができました。
この街は大学街で、街全体にアカデミックな雰囲気が漂っていてどこかボストンを彷彿させる空気を感じました。北部の街という事で年配の方が多い街だと思っていたのですが、若者で溢れ返るエネルギッシュな街でした。Forumの中にも沢山の若者が机に向かって勉強していたり、ラボでは子供向けのセッションが開かれていたり教育の場としては理想的な街だと感じました。
とにかく、様々なデザインが素晴らしい。新旧の融合がとてもうまくいっている街だと感じました。
昼間にたっぷりと街ブラを堪能した我々ですが、夜はいよいよ上映&登壇です。
あたたかいお客様に迎えて頂き、キャスト達のユーモアあるご挨拶で会場はしっかりとあたたまりました。
上映後にはお客様が僕達に鑑賞の感想を伝えて下さいました。
賛否が分かれる作品だと思います。なんたって3時間10分ですから。
長ぇ!とバッサリの方もいらっしゃると思います。中にはかなり興奮して感想を伝えて下さる方もいらっしゃいます。
嬉しかったのは
「これは何か原作があるものなの?私は心理学者なんだけど、それぞれのキャラクターの精神構造が理解できる素晴らしい作品だった。風景も美しくて日本に行きたくなった」
というコメントです。
作品を観てもらえるのは嬉しいけど、批判にさらされる怖さがあります。誰しもそれを経ていくのだと思います。僕は今、真っ裸で船首に立っている気分です。温かい光を浴びながら潮風に晒され、航路を見渡せる特等席なのです。
莉の対の上映は4日にもう一度フローニンゲンでありやすが、僕たちはロッテルダムに帰るので登壇は今回で最後になります。
監督の登壇だけでも成立したと思うけど、キャストの皆さんのお陰で何倍にも何十倍にもチーム莉の対の魅力が増幅されてお客様に伝わったと毎回の登壇で感じます。
フローニンゲンは俺と彰夫の二人で行くつもりだったけど、みんなが来てくれて本当に嬉しかった。
あまりにも愛したフローニンゲンですが
後ろ髪を引っ張られつつ全力で振り切って
俺達のロッテルダムに帰るぞ!!!!
いよいよ授賞式。
ワクワクドキドキが止まらねぇ!!!!!