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第53回ロッテルダム国際映画祭 総括
長かったようで、短かった
僕たちのロッテルダム国際映画祭が終わりました。
まさしく
Once in a life time experience
『一生に一度の経験』
だったと言えます。
もう二度とそういう経験ができないと思うと、物凄く寂しいです。
まるで青春そのものでしたから。
右も左も分からないまま、人生初の「映画祭」というものに出かけて、しかもキャスト8人と記者1人を引き連れての大所帯、to オランダですよ?
超大作でもなかなか9人もヨーロッパまでいかないと思います。それが、初監督初制作の超自主制作映画だっていうんだから意味不明ですよね 笑
プロデューサーも専属の制作もいない。俳優達だけで行ったようなもんですから。もうただの遊びやん。
だから、主従関係もないし上下関係もない。
みんなで毎日ウェーーーイ!!!!って言いながら、ひとつ屋根の下で全員で生活したんです。
朝はみんな好きな時間に起きて身支度して市内に出かけ、昼は上映の舞台挨拶があったり映画を観たり業界関係者と会ったり映画祭のプログラムに参加したり。夜は日々パーティがあったり家に帰ってきたらみんなでご飯作って明け方まで飲みながら話をして。程よく息抜きに観光を楽しんだり。
そんな生活が12日間も続きました。
北海道での泊まり込みでの撮影の時も似たような青春な感覚がありました。あの時は泥だらけ雪まみれになっての撮影でしたから、比較すると今回は随分と華やかなものでした。
僕はこういうのが好きなんです。
こういう時間を生み出したい。
みんなで同じ夢に向かって自由闊達にクリエイティブする時間はとてつもなくパワフルだし、楽しい。
最初は彰夫と二人でした。
僕たちが馬鹿みたいに真っ直ぐで明確で純粋だったから、しゃーねぇなって手助けしてくれる人が現れて。
何もない僕たちに手助けしてくれる人はもうどう考えても良い人しかいないから
そんな良い人しかいないグループはまた魅力的な人を引き寄せるんです。
良い人達がウェーーイ!ってやってるもんだから、そりゃ楽しそうに見えると思うんです。
オランダに来て、僕たちは現地で2人も仲間ができました。
僕はよく船旅に例えますが、航海を成功させるためにあらゆる技能者が必要です。
この二人は僕にはない技能を持った人達です。
だけど、技能じゃなくて、人柄が最高なんだよね。
だからもう絶対離さない。
この旅を経て、改めて僕は間違っていなかったなと感じました。
僕には、圧倒的に欠けている部分、足りていない部分があります。
しかも割と沢山。
それを補ってくれる仲間が欲しかった。
そうして集まってくれたメンバーがもう間違いなさすぎて俺大天才!!って思いました笑
まあ俺じゃなくて、みんなが大天才!!なのですが。
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まじで弱小チームだったけど、でも一丸になったら総和はどこにも負けない。と本当に感じました。
あとは、それに結果がついてきたら最高だなぁと思っていました。
ロッテルダムでの上映3回、フローニンゲンでの上映2回、合計5回の上映が全て完売
そして、タイガーアワード受賞。
全勝やん。
最強やん。
ガオーやん。
書きたいことが山のようにあるけど、最後に一つだけ言いたいことがあって。
どこまで映画祭側が僕たちの事情を知っていたかは分かりませんが、
受賞の理由はきっと作品の力だけではないと思っています。
他のフィルムメーカー達も強い想いを持って制作して、同じようにグランプリを夢見て、並々ならぬ想いでこの映画祭にやって来たと思います。
ロッテルダムからノミネートの連絡が来た時、本っ当に嬉しかったから、きっと他のフィルムメーカー達もそうだったんじゃないかなぁ。自身の作品のワールドプレミアを捧げるんですから、賭ける想いは物凄く強かったと思うんです。
監督としての実力も、深い洞察力も、芸術性も、正直僕は全然負けていると思います。これは謙遜じゃなくて。
皆さん素晴らしいフィルムメーカー達です。
それなのに『莉の対』にタイガーアワードを与えたロッテルダム国際映画祭は本当に凄いと思います。
誰かに「夢を与える」という点において、僕たちは絶対にどこにも負けないと自負しているからです。
もし審査員がそこも含めての評価であるのであれば、なんて素敵な世界なんだろうと思ってしまうのです。
僕たちを見出してくれたロッテルダム国際映画祭の選択が間違いで無かったと証明しなきゃいけません。
それが僕ができる恩返しだと思います。
僕は世界に対してその責任背負うことになりました。
おっも。
おっもろ。
またいつか、成長したフィルムメーカーとして帰って来ますね。
ありがとう、ロッテルダム。
ありがとう、IFFR!!!