「渋沢栄一自伝」で大志と創出の精神を掴む
おはようございます。
今回は、ビジネスの環境に身を置くのであれば
確実に読んでおきたい、ビジネスプロデューサーと言えばこの人、圧倒的に事業を立ち上げまくった伝説の日本人の自伝をご紹介します。
『渋沢栄一自伝』
本当に多くの事業を興した人ですが、特に印象に残っている実績や出来事をいくつか、ピックアップしてお伝えします。
歩兵取立御用係での歩兵徴収
大蔵省の改正係での行政改革
第一国立銀行の創立
人造肥料会社の経営改善
こうやって書いてみると、本当に、どれだけ幅広い領域で活躍した人なんだと、驚愕せざるを得ません。
まずは最初の「歩兵取立御用係」ですが、これは、京都を守ることを目的にした「京都守衛総督」に、実際には守るだけの兵の数が足りていないことを見抜き、必要な兵を集めることを目指したものです。
単に兵が足りていないことを言うだけでなく、実際に、どこから、誰を、どのように集めてくるかを計画し、実際に集め切るところに凄みを感じました。
目指す目的があり、そのために必要なことは何かを考え、提案し、実行する、これを愚直にやり切ることが重要だということですね。しかも、この時、渋沢はまだ25歳。組織を動かす提案に、年齢は関係ないことを思い起こさせてくれます。
そして、大蔵省の改正係。これは、今の時代で言う、シンクタンクや、コンサルのような働きをする組織で、必要な論点を一つずつ、研究して明らかにしながら、制度化していきます。
中でも、租税制度改革が凄いのですが、当時はまだ、物品をもって税としていたところから、初めて通貨を税として徴収することを計画し、制度化していきました。
今となっては、当然のことのように、何税は何%と、決まったものを理解することに必死になりがちですが、それを一から設計したのがこの人なのです。
もちろん、当時の原案から、150年も経過した現代においては、より高度化しているのはもちろんなのですが、全くのゼロから、諸外国の研究から自国の前提を踏まえた適応まで、やり切ったことを思うと、本当に凄いと感じます。
この時点で、渋沢30歳。国の制度を設計し、実行していくことができる人間がいるのだから、企業や事業を設計し、実行・成長させていくことも、できないはずがないと、大いなる勇気をもらえます。
そして、第一国立銀行の創立。せっかく行政で結果を出し始めているのだから、そのまま邁進しても良さそうなものを、自らの志を胸に、潔く実業家に入ります。
その志とは、「官尊民卑の風潮を打破して、国を富ますために必要な実業界、商工業を発展させる」というものですが、彼は常に、日本どうあるべきか、そのために自分は何をすべきか、という大局観を持ちながら、自分自身、そして日本を動かしていました。
小さな論点を地道にクリアしていくことは、もちろん大切ですが、このような大きな視点、大志からも、常に目を逸らさず、向き合い続けたいと感じました。
最後に、人造肥料会社の経営改善。本当に多くの事業会社に関わった人なので、その中のごく一部の紹介になりますが、この事業の何が特筆すべきかと言うと、最初のうちは、めちゃくちゃ上手くいかず、経営困難な状態だったのです。
そこから、この事業が日本の農村振興のために必要不可欠であるという信念のもと、肥料の原料である硫酸の製造を内製化するなどの経営改革をしているうちに、需要が爆増し、見事にV字回復を果たします。
事業の創出や改善に取り組む身として、勇気をもらいますし、目指す目的や思考のプロセスが、とても参考になります。
今回、特に心が動いた出来事だけをピックアップしましたが、本当に数多くの制度や事業を創出した人です。ビジネスや、行政に関わる人にとって、それら1つ1つの考え方やプロセスは、めちゃくちゃ勉強になるため、本書は一読の価値があるのではないでしょうか。
皆んなで、更により良い日本を目指して、
今日も目の前の仕事に魂を込めて
やっていきたいですね。
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