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大学での講義が役立つ教育現場、目指す教師像を明確に    コロナ禍の小学校で活躍する若手教員にインタビュー

コロナ禍は各地の小学校でもオンライン授業や分散登校などの困難な状況を引き起こしている。今回はそんな厳しい教育現場に就職してまだ3年目のフレッシュな教員にインタビューし、最近の取り組みや教員を目指す学生たちに伝えたいことなどを尋ねた。

――どちらの学校にお勤めですか。
「名古屋市内の小学校に所属しています」

――小学校の教員を目指した理由をお聞かせ下さい。
「小学校時代の先生の存在です。その先生は小学校4年生の時、それまで引っ込み思案だった私を評価してくれて、学級委員になることを勧めて下さいました。それがきっかけで、これまでより自分に自信を持てるようになりました。自分も当時の担任の先生のような人間になりたいと思い、教員を目指しました」

――働き始めてのやりがいや苦労はいかがですか。
「苦労だと感じたことは特にないです。やりがいは、子どもの成長に気付けることです。昨日できなかったことが今日できるようになっている。小さな成長ですが、それを目の前で見られることにやりがいを感じます」

――コロナ禍において特に工夫されていることを。
「 工夫しているのは感染対策です。手洗い、マスクの着用、給食の黙食、感染リスクの高そうな活動の制限などを行なっています。ただ、子どもたちがマスクを着用しているので表情が分かりづらくなっており、気をつかっています」

――現状の初等教育の課題と今後も展望などありましたら。
「私は画一的な指導により、子ども一人一人に合った指導をすることが現状では難しいことが課題だと考えています。今後は、私の自治体でも導入されたタブレット端末をもっと活用できないかと検討しています。タブレット端末に入っているアプリなどを積極的に使うなど個別最適化された教育をしていきたいです」

――和歌山大学には教育学部があるのですが在校生にアドバイスをお願いします。
「まず大学生の間は勉学に励むのはもちろんですが、今しかできない様々な経験をしてほしいと思います。色々な本を読んだり、今は難しいですが、時期が来たら色々なところに行ってみたりしてみてください。そうすることで、視野が広がり実際に教員として働いた時に役に立つことがきっとあると思います」

―― 教育大学ご出身とのことですが、教員志望の学生が心得るべきことは。
「二点アドバイスさせて下さい。一点目は、大学の講義はしっかりと受けた方がいいということです。恐らく、講義では児童心理など抽象的な内容が多いと思います。実際の教育現場では、AとBがケンカしたというような具体的なことがたくさん起こります。大学で抽象的な理論についてしっかり学んだ上で現場に入ると、このケンカのような事例も小手先の解決ではなく、子どもも本当に納得した解決ができるようになると思います。これはほんの一例ですが、大学の講義が現場で役に立つことはたくさんあります。というのは大学でもっとしっかり学んでおけばよかったという私自身の失敗談から来ています。皆さんには、一つでも多くのことを大学で学んでおいてほしいです。
 二点目は、どんな教師になりたいかという教師像を明確にしておくことです。これは教員採用試験でも実際に現場に入った時にも大切な視点だと思います。自分の求める教師像をブレずに持っていて欲しい。まだ教育実習に行ってない方は想像しづらいでしょうが、実習に行かれた時に考えるのもよいと思います。それをしっかりと持っていると、指導もブレずにできると思います。皆さんの今後のご活躍をお祈りしています」

――本日はありがとうございました。

#和歌山大学 #和歌山大学新聞会 #教育 #大学生

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