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2016年6月 sora tob sakana / 夜空を全部

 現在、各グループがオリジナリティを模索し、コンセプト/衣装/楽曲/ダンスのフォーメーション/etc…などで他グループと差別化を図り、この意外と長く続くグループアイドル戦国時代を必死で生き抜こうと活動している。そして我々楽曲派(死語?)のリスナーは、その数多いるアイドルグループから、自身の耳に合う楽曲を歌い踊るグループを探し出すのだが、それはそんなにすぐに見つかるわけもなく、色々な楽曲を聴いてはあーだこーだ言うのだが、先日HMV店頭のインストアイベントでパフォーマンスと楽曲に完全に魅せられてしまったのが、今回取り上げた‘sora tob sakana’である。

 グループ結成の経緯やレーベル云々という事は置いておいて、初めて『夜空を全部』という楽曲を聴いた時‘ポストロックの楽曲の上でアイドルが歌っている!’という衝撃と、その意外な相性の良さに感心してしまった。難解な構成で出来ているポストロックの楽曲に、誰もが経験した青春の‘あの頃’を想起させるピュア歌詞が、まだあどけない少女達のイノセンスな声で乗せられる事で生まれる不思議な郷愁が、彼女達のオリジナリティと言えるのではないだろうか。

 最新シングル『魔法の言葉』に収録の「広告の街」のような難解な楽曲に、よく10代そこそこの少女達が歌を乗せられるものだな、と驚いてしまう(しかもこの楽曲はサウンドだけでなく、Aメロの歌の譜割まで超難解)。

 すぐにCDを購入し、真っ先にブックレットの最後のページを確認したところ、楽曲のプロデュースをしているのがバンド‘ハイスイノナサ’の照井順政とあり、やっぱり良い楽曲は作る人もちゃんとしてるなー、と深く納得した。

 どうやら1stアルバムも予定されているみたいなので、今後の活動が非常に楽しみだ。

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