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2016年4月 ATATA / JOY
日本のインディーズ・シーン(あまりこの言葉好きじゃないが)の中でも、最も本当の意味でindipendentなバンド『ATATA』。現在彼らはフリーライブツアー(しかも昼間の!)を敢行中で、ライブ会場で買えるミニアルバムはなんと写真集付き!という、完全な独自性を打ち出し続けている存在。
彼らの初となる写真集付き6曲入りミニアルバム「JOY」は、ツアー会場でしか買えず、私はまだiTunes版しかゲットできてないのだけれど、本人達が明かしているようにこの作品の楽曲全てが一発録り(!)で、演奏から溢れてくる緊張感のある楽しそうな雰囲気は聴いていて単純にテンションが上がる。ボーカルのライミングも冴え渡っているし、日本語でここまで韻を踏めて、意味もしっかりとあるリリックを書けるロックバンドのボーカリストは日本ではかなり稀有だと思う。ドラムとベースの安定感は、ギター2人(実の従兄弟)の技巧派でトリッキーなアンサンブルをしっかりと支えている。
ただ、このATATAというバンドをATATAたらしめているのは、時にメロディーに対するハーモニーとして、時にキラキラしたスパイスとして、曲に彩りを加えているキーボードの存在なのでは、と思っている。曲によってとてつもなくエモいメロディをさらっと差し込むから、曲を聴いていてキーボードの音がするとハッとさせられる。M3「Clark Kent」、M5「Song Of Joy」で鳴らしている音などは、本当にグッドメロディだ。
とにかくATATAには、このミニアルバムを引っ提げて今夏の大きなフェスに出て欲しいなぁ、なんて聴きながら、大盛り上がりの野外ステージを妄想して興奮してしまいます。