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掌編小説

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わたしの掌におさまる文章を置いています。
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#夢日記

Reminiscence before dawn

Reminiscence before dawn

 熱くて、寝苦しい夜だった。
 痛みをともなう喉の渇きで目が覚めた。

 さっきまでの僕はオンラインゲームの、空を自由に飛べる騎士で、白銀の鎧を身にまとい、陽炎のゆらめく東京の、高層ビルの屋上の縁に腰かけて、あざやかな青で塗られた夏の空を見上げていた。

 僕は一人ではなかった。同じビルの縁に佇むひとがいた。ひと目で上級プレイヤーとわかる虹色の架空金属の鎧。兜だけを脱いで、中にいたのは金髪

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