「ダラダラ」は悪いこと?子どもの成長を促す意外な効果とは
学校から帰ってすぐに、おうちでダラダラしてしまう。
――そんなお悩みをよく聞きます。
「学校から帰ってきても宿題をやらず、ずっとゴロゴロしていて困ります」
そうおっしゃるお母さんの表情には、どこか罪悪感が滲んでいました。
でも、私はこう思うんです。
「ダラダラできるおうち、すごく素敵じゃないですか?」
子どもにとって学校の8時間とは
毎朝7時過ぎに家を出て、クラスメイト30人と過ごす8時間。先生に話しかけられ、友だちとの会話があり、課題に追われる。楽しい瞬間ももちろんあります。でも、それだけじゃありません。
うまく答えられなかったり、友だちの何気ない一言が気になったり。学校は、子どもにとって情報の洪水の中を泳ぐような場所です。
そんな毎日を終えた子どもたち。おうちに帰ると、ふっと力を抜きたくなるのも無理はありませんよね。
ダラダラ=安心の証
私自身、小さい頃は家でもずっと緊張していました。
「ちゃんとしなさい」
母から何度も言われた言葉です。
「ちゃんと」とはなんでしょう?
掃除をすること?宿題をすぐにやること?その曖昧な基準に合わせるべく、私は家でもピンと背筋を伸ばしていました。
でも、大人になって気づきました。
家は、心がほっと緩む場所であるべきだと。
「ダラダラする」という行動そのものが、子どもにとって「ここは安心できる場所だ」と感じている証なんです。
ダラダラがもたらすもの
脳科学の研究によると、休んでいる間に脳は情報を整理します。新しいことを学んだ後、ぼんやりする時間は学びの定着に必要不可欠なんです。
例えば、塾でこんな会話をしたことがあります。
「宿題をやりたいのに、妹がうるさくてできないんです!」
小学3年生の男の子がそう訴えてきました。妹ちゃんは、どうやらとってもやんちゃで、お兄ちゃんと遊びたくて仕方がない様子。
私は彼に言いました。
「妹ちゃんの騒がしさをショータイムだと思って、楽しんでみるのはどう?」
すると次の週、彼はこんな報告をしてくれたんです。
「先生、サーカスって思ったら面白かった!でも布団を敷いておかないと危ないから、ちゃんと敷いといたよ!」
彼は「邪魔されている」と思うだけではなく、状況をユーモアで捉え直し、行動に移しました。子どもたちにとって、ダラダラする時間は、こうした発想の転換や自己解放を促す重要な時間でもあるんです。
ダラダラをどう見守るか
もちろん、ダラダラし続けるのは良くありません。
でも、こう考えてみてください。
最後に
親御さんたちにとって、「ダラダラ=悪いこと」と感じてしまうのは自然なことです。でも、ダラダラできるおうちは、子どもにとって安心できる場所です。
どうか、「宿題しなさい」と急かす前に、少しだけ見守ってあげてください。その安心感が、子どもたちの明日のエネルギーにつながるはずです。
そして、もしよければ今日から「私もダラダラしていいんだ」と思ってみてくださいね。
ダラダラが、親子の絆を深める瞬間もあるかもしれませんよ!