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勉強キライを克服!子どもの「やりたくない!」を「やりたい!」に変えるコツ

「どうして、うちの子は勉強がキライなのだろう?」

このnoteのタイトルを読んで、興味を持ってくださったあなたは、そんな問いに一度は立ち止まったことがあるかもしれません。なぜ、子どもたちは勉強を嫌がるのでしょうか?その原因はどこにあるのでしょうか?

こんにちは!塾講師の、わたねこ(綿崎ねこ)です。
おもにXで、家庭学習についてのポストをしながら無料相談にお答えさせていただいております。

さて。少し思い返してみていただきたいのですが、冒頭のようなお悩みがある一方で、目をキラキラと輝かせて「学び」に触れる瞬間が、あなたのお子さんにもあるのではないでしょうか。

たとえば、公園で見つけた珍しい葉っぱの名前を調べるとき。または、図鑑を開きながら「これ知ってる?」と得意げに話しかけてくるとき。その瞬間、子どもたちは確かに「学ぶ喜び」を感じています。

勉強好きな子どもを育てる鍵は、この喜びをどのようにして“学習”につなげていくのか?にあります。子どもたちの目の輝きを守り続けるための扉を、一緒に開いてみましょう。



勉強嫌いの理由を探る

「どうせ僕なんて、何をやってもダメだよ。」

ある日、教室でCくんがぽつりと漏らした言葉に、私は胸が締めつけられました。Cくんは、問題を読んですぐに答えが出ないと、すぐに諦めてしまう小学2年生。「いっしょに考えてみようか」と声をかけても「めんどくさい」「わからなくていい」などと言ってしまうような子です。

そんなCくんの成長を願い、また心から信じながら、親御さんは「もっとがんばって」と励まし続けていました。しかし、その励ましがCくんにとってはプレッシャーになってしまい、いつの間にか「失敗するくらいなら、最初から挑戦しない方がいい」と思うようになってしまったようなのです。

これは「励ましては、いけない」「期待をしては、いけない」ということではありません。同じ伝え方をしても、うまくいくかどうかは、その時のお子さま次第だからです。

またある日、塾に来てから授業までの短い時間の中でCくんが昆虫図鑑を手に取り、「この虫、どこにいるのかな?」とお友達に語りかけている姿を見かけました。

その時のCくんの目は、純粋な好奇心で輝いている目でした。つまりCくんは、興味があることには集中できるし、「新しいことを知る」「知らないことに興味をもつ」という“学ぶ楽しさ”も知っているのです。それなのに、なぜ勉強に対しては拒絶反応を示すのでしょうか?

多くの場合、勉強嫌いの原因は、「学び=苦痛」という思い込みにあります。これは、過去の失敗や、無理やりやらされる経験が積み重なった結果である場合が多かったりします。“勉強”がキライなのではなく、“勉強をするときに感じる嫌な気持ち”がキライなのです。

周囲の大人からの期待や比較が、子どもの心に「失敗してはいけない」という恐怖心を植え付けてしまうことも少なくありません。

子どもが勉強をキライになってしまう場合の多くは、才能がないからではなく、「楽しさ」よりも「プレッシャー」が勝ってしまっているからなのかもしれません。Cくんの場合も、親の愛情ある期待が、皮肉にも彼にとってはプレッシャーとなり、自己肯定感を奪ってしまっていたのです。

勉強に対する拒絶反応を和らげるには、まず「学ぶことの楽しさ」を再発見してもらう必要があります。その鍵は、子どもの興味を尊重し、無理強いをしないことです。

Cくんが昆虫図鑑に夢中になるように、子どもは好きなことに対して驚くほどの集中力を発揮します。その力を勉強に向けるには、まず「苦手」ではなく「得意」や「好き」を軸にする環境作りが大切です。

ポイント:
・勉強嫌いの原因は、「学び=苦痛」という思い込みが背景にある。
・親の期待や励ましがプレッシャーとなり、拒絶反応を引き起こすことがある。
・子どもの興味を尊重し、学びの楽しさを取り戻すことが重要。



楽しむ子どもの未来図

Cくんのようなお子さんがいる一方で、学習に前向きなお子さんもいらっしゃいます。

「先生、見て!この問題、解けたよ!」
そう言いながらBちゃんが笑顔でノートを見せてくれたとき、彼女の瞳は自信と喜びで輝いていました。彼女は計算問題をゲームのように楽しみ、間違えても「えええ、なんで?あってると思ったのに!」と言いながら、もう一度……どころか正解にたどり着くまで、何度でもチャレンジできるのです。

その背景には、家庭での温かなサポートがありました。彼女の親はテストの点数や結果だけに注目するのではなく、「自分で考える時間」を大切にしていました。そして、小さな成功や努力を見逃さずに褒め、失敗を恐れない環境を作り上げていたのです。

たとえば、Bちゃんが問題を間違えたとき、親は「どうして間違えたの?」と責めるのではなく、「がんばって考えて答えにたどり着いたんだね!でも、答えが違ったみたい。もう一回、どうすればいいか一緒に考えてみようか」と声をかけていました。このような接し方が、彼女に「失敗してもいいんだ」という安心感を与え、チャレンジする意欲を育んでいたのです。

子どもの学びに対する姿勢は、周囲の大人の態度次第で大きく変わるという良い例ですね。「もっと頑張りなさい!」ではなく、「一緒にやってみようか」という姿勢が、子どもにとっての学びを「苦痛」から「楽しさ」に変える鍵となるのです。

Bちゃんが私に教えてくれたのは、学びの未来を明るいものにするためのヒントです。子どもが失敗を恐れず、楽しんで挑戦できる環境を家庭で作ることで、親子の絆も深まり、子どもの成長に大きな影響を与えます。

ポイント:
・子どもが自分から学ぶ姿勢は、家庭でのサポートが大きな鍵を握る。
・小さな成功体験を積み重ねることで、失敗を恐れない意欲が育つ。
・周囲の大人の「一緒にやろう」という姿勢が、子どもの学びの楽しさを引き出す。

それでは、ご家庭で簡単に取り入れられる具体的な実践方法について考えてみましょう。


学びを楽しむための3つの鍵

「勉強したくない!」という子どもの気持ちを変えていくためには、親御さんを含めた周囲の大人の関わり方が鍵を握っています。また、子どもが「楽しい」「もっとやりたい」と感じる環境を整えることも重要です。

まずは、以下の3つのポイントを抑えてみることをオススメします。学びに対する姿勢を、大きく変えられる可能性がありますよ。

1. 興味を引き出す環境を整える

たとえば、冒頭の方に出てきていた昆虫図鑑を手に取ったCくんは、嬉しそうに友達に話しかけていました。「この虫、どこにいるんだろう?」と目を輝かせる彼の姿は、普段の勉強に対する態度とは全く違っていました。

子どもが本来持つ好奇心を学びに結びつけることで、嫌々やる勉強が「自分からやりたい」と思える学びへと変わっていきます。たとえば、昆虫好きな子には、自然観察や図鑑を活用すること。恐竜に夢中な子には、図書館や博物館で情報を得られる機会を提供すること。そんな風に興味があることを起点として「新しいことを知る喜び」を感じてもらうことが効果的です。

「そんなのは“学び”ではない」と決めつけず、その興味を「学びのきっかけ」として受け入れてみませんか。

2. 自分のペースを尊重する

Dちゃんは、急かされると固まってしまうタイプでした。「早くしなさい!」という言葉を聞くたびに、彼女の表情はどんどん曇り、ますます勉強に手がつかなくなっていました。

そんな彼女に必要だったのは、「自分のペースで進めていいんだよ」という安心感。親御さんとしては、焦る気持ちが先行しがちですが、子どものペースを見守ることで、安心感が生まれます。焦らせることで一時的に宿題が終わっても、学びに対する負のイメージが定着してしまう可能性があるのです。

また、スピード重視で学習に取り組むお子さんの多くは、どんどん“雑”になっていきます。ここで強くお伝えしたいのは「一度“雑”になってしまうと、“ていねいに”するまでには相当な時間と労力がかかる」ということです。

慣れてしまえば、スピードはいくらでも後からついてきます。だからこそ、「少しずつで大丈夫」と声をかけて、その子なりのペースで着実に学ぶべきだと私は感じます。また、自分のペースで取り組むことで子どもは自信を持てるようにもなるのです。

3. 達成感を共有する

学習に前向きなBちゃんは、簡単な計算問題を解けたときにも、満面の笑みで「先生、見て!」と言います。その背後には、親御さんの「結果よりもチャレンジした過程をほめる」という姿勢がありました。

たとえ小さな成功でも、「すごいね!」「頑張ったね!」と共感することが大切だということです。達成感は次のチャレンジへの大きな原動力となります。また、親御さんが一緒に喜ぶことで、子どもは「もっとやりたい」という意欲を自然に持つようにもなるのです。

ポイント:
・子どもの興味を引き出す環境を作ることで学びが楽しいものに変わる。
・子どものペースを尊重することで安心感を与える。
・小さな成功体験を共有することで次への意欲を引き出す。


ご家庭でできる実践方法

それでは、家庭で実践できる具体的な方法についてご紹介します。

子どもの「学びたい!」という気持ちは、特別な道具や教材がなくても日常の中で引き出すことができます。以下に、私が実際に目にしてきた成功例を交えながら、家庭で簡単に取り入れられる実践方法をご紹介していきたいと思います。

好きなものを尊重する

恐竜が好きなE君は、図鑑や博物館を通じて読解力や観察力を磨くことができました。彼の親御さんは、「恐竜なんて勉強じゃない」と否定することなく、一緒に恐竜について学びを深めていきました。この姿勢が、彼に「学ぶ楽しさ」を教え、自信をつけさせたのです。

親子で一緒に学ぶ時間を作る

「宿題しなさい!」と上からの関わり方ではなく、「一緒にやろう!」という横並びの関わり方が、子どもたちには効果的です。たとえば、お子さんと同じ計算問題を親御さんが解いて「あれ?間違えちゃった!?」と笑いながら見せてみる。これは、子どもにとって「失敗してもいいんだ」という直接的なメッセージになります。これにより、子どもはプレッシャーを感じることなく前向きに取り組めるようになるのです。

日常会話の中で学びを促す

お買い物の際などに「100円のお菓子を3つ買ったらいくらかな?」といった簡単な計算問題を出すのも良い方法ですね。その場で答えが出せなくても、「考えてみて。あきらめずに考えることが大事なんだよ」と伝えつづければ、学ぶことへの抵抗感も和らいでいきます。

「なぜ?」を大切にする

「なんで空は青いの?」などといった子どもの素朴な疑問を、「そんなの知らなくていい」「そんなことより宿題をやりなさい」と否定するのではなく、「一緒に調べてみようか」「後で、一緒に考えてみようか」と受け入れて応じることで、学びの種がどんどん芽生えます。このような小さなやり取りが、子どもの好奇心と探求心を大きく育てるのです。

ポイント:
・子どもの好きなものを通じて学びを楽しませる。
・親子で学ぶ時間を共有することで安心感を与える。
・日常の中で簡単な学びの機会を作る。
・子どもの「なぜ?」を受け入れ、一緒に探求する姿勢を持つ。


親の声かけひとつで変わる未来

ある日、Aちゃんのお母さんが、私にこんなエピソードを話してくれました。

宿題をやらないことでイライラしていたAちゃんのお母さんに、私が「そんな日は『宿題をやらないことで、何を得られたのか』を聞いてみませんか?」とお伝えしたことがあります。その言葉で、ハッとしたとおっしゃっていました。

その日の夕食の時間にイライラを抑え、Aちゃんにこう尋ねたと言います。「今日は宿題をしないで、どんな楽しいことをしていたの?」するとAちゃんは目を輝かせて「友達と秘密基地の設計図を描いたんだ!すごくいいアイデアができたよ!」と嬉しそうに報告してくれたそうです。

その笑顔を見た瞬間、お母さんは気づいたと言います。宿題を終わらせることが大切なのはもちろんですが、それ以上に大切なのは、子ども自身が「何かに夢中になる経験」だということです。

その日以来、Aちゃんのお母さんは、宿題が終わらない理由を責めるのではなく、Aちゃんが取り組んでいることに目を向けるようになりました。すると不思議なことに、Aちゃん自身が「そろそろ宿題をする」と自ら宿題に向き合う日が増えたそうです。

周囲の大人の声かけひとつで、子どもの未来が変わることがあります。「どうしてやらないの?」と問い詰める代わりに、「どんな楽しいことをしていたの?」と好奇心を持って聞く。それだけで、子どもの心には「親が自分の“スキ”を理解してくれた」という安心感が生まれます。そしてその安心感が、学びへの意欲や自信、そして自分から行動を起こす力へとつながるのです。

ポイント:
子どもが宿題をしない理由を責めるのではなく、話を聞く姿勢が大切。
親の声かけひとつで、子どもの学びへの意欲が大きく変わる。
「どうしてやらないの?」ではなく、「どんな楽しいことをしていたの?」という視点を持つ。


学びの未来をともに描く

最後に、「子どもとの対話」が家庭の学びをどう豊かにするのか、具体的な方法について考えてみましょう。

子どもたちは本来、「知りたい」「試したい」という気持ちをたくさん持っています。その純粋な気持ちは、親や周囲の大人たちが適切に寄り添うことで、より豊かに育まれていきます。

たとえば、失敗したとき。大人であれば「もう一度チャレンジしてみよう」と思えることも、子どもにとっては「もうダメだ」と感じて諦めてしまうかもしれません。だからこそ、親がそっと手を差し伸べ、「もう一度、一緒にやってみよう」と笑顔で寄り添うことが大切なのです。

また、学びは特別なイベントではなく、日常生活の中にたくさん隠れています。買い物の計算、料理中の計量、散歩中などに出会う葉っぱの形――どれも、学びの入り口です。親子で一緒に小さな発見を楽しむことで、子どもの「もっと知りたい!」という気持ちは自然と引き出されていくのです。

「勉強を楽しむ未来」を作るのに必要なのは、特別なスキルや知識ではないのです。一緒に笑い、一緒にチャレンジし、失敗してもそれを乗り越える経験を共有すること。それだけで、学びは生活の一部となり、子どもたちにとってかけがえのないものになります。

今日から、始めてみませんか?たとえば、夕食後のひとときに、子どもの話をゆっくり聞いてみるところから。そして、小さな一歩を積み重ねる中で、子どもの目が輝く瞬間を、一緒に楽しんでいただければと存じます。

ポイント:
・子どもたちの「知りたい」「試したい」という気持ちを尊重する。
・学びは日常生活の中にたくさん隠れている。
・親が笑顔で寄り添い、一緒に挑戦する姿勢が大切。
・今日からできる小さな一歩を始めてみる。


もしこのnoteを読んで、「うちの子も学びを楽しむ未来を描きたい」と思った方は、ぜひコメントで感想やご質問をシェアしてください。みなさんのお話を聞けるのを楽しみにしています!

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わたねこ|家庭学習アドバイザー
頂いたサポートは自己研鑽と子どもたちの未来のために使わせていただきます。ちなみに現在は、kindle本を執筆中!本を読み漁っております。そして、各種講座・セミナーなども随時実施していきたいと考えています……!