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入社1年目ロジカルシンキングの教科書

おはようございます 渡辺です。梅雨らしい天気が続きますがみなさま如何お過ごしでしょうか?
今週は、「マッキンゼー流入社1年目ロジカルシンキングの教科書」- 大嶋祥誉 を紹介します。

最近だと、ロジカルシンキングとか割と普通に聞くような気がするんですけど、僕が社会人になった2000年頃は、(少なくても僕の周りでは)それほどでもなくて、社会人として暫く経った後に、優秀だなと思う先輩だったか後輩だったかにMTGの後で、「どうすれば、さっきみたいな思考が出来るんですか?」と尋ねたところ、「ロジカルシンキングを意識してるんだよ」と教わって、「何それ?美味しいの?」ってなり本を読んで目からうろこが落ちた記憶があります。


ロジカルシンキングとは?

ロジカルシンキング、日本語で言うと「論理思考」というわけですが、要は「決めつけ」の魔力にとりつかれないということです。
本では、こんなストーリーが紹介されていました。

ある晴れた土曜日の朝、男はいつものようにポルシェを飛ばしていた。見通しのきかないカーブが近づくと、スピードを落とし、ギアを切り換え、200メートルほど先の急カーブに備え、ブレーキに足をおいた。そのとき、カーブの陰から車が一台、ハンドルを斬り損ねたうに飛び出してきた。崖から落ちると思った瞬間、道路すれすれに弧を描き、勢い余って反対車線に入り、あわててハンドルを切りなおしたかと思うと、また反対車線に入ってくる。
 なんてことだ。男は急ブレーキを踏んだ。
 車は蛇行しながら接近してくる。ぶつかると思った直前、対向車は左にそれ、すれちがいざま、きれいな女性が窓から顔を突き出し、あらん限りの声で叫んだ。
「ブタ!」
ふざけるな。男はカッとなって、怒鳴り返した。
「ブス!」
「めちゃくちゃな運転をしているのは、どっちなんだ」。しかし、怒鳴り返して、少しは胸がすっとした。ああいう女には、ひとこと言ってやったほうがいい。
そして、アクセルを踏み、急カーブを曲がった途端・・・、ブタに衝突した。

(「パラダイムの魔力」 - ジョエル・バーカー)

ありそうな出来事ではないでしょうか?このシチュエーションでじっくり考えることは出来ないかもしれませんが、「本当はどうなんだろう?」と一歩踏み込む冷静さにより、「決めつけ」を回避できるということです。そして、ロジカルシンキングの有名な例といえば、「空雨傘」というものがあります。

空:空が曇っている(事実の確認)
雨:雨が降りそうだ(事実をもとにした解釈)
傘:傘を持っていくべきだ(解釈をもとにした行動)

上の事例だと、

空:蛇行運転の車。すれ違いざまに「ブタ!」と言われた
雨:自分が罵られた
傘:「ブス」と怒鳴る

となります。確かに流れてはいるのですが、「自分が罵られた」と決めつける以外の解釈が無かったのか?というところが気になるところです。

この流れを汲みつつ、明日からロジカルシンキングの3つのステップについて紹介します!6月の最終週もよろしくお願いいたします!

STEP1 「それは本当?」

おはようございます 渡辺です。
今週は、「ロジカルシンキング」について考えています。今日は、STEP1 「それは本当?」となります。

先ず、最初のステップとしては、知ってるつもり分かったつもりから抜け出すということになります。以前にも何回か紹介した「群盲象を評す」という寓話がありますが、自分がこの盲人の一人になってしまっていないか?ということになります。

「それ本当?」と掘り下げる思考を「クリティカル思考」と言ったりしますが、まず大切なのは当たり前(裏返し)のことを言わないということになります。例えば、「確認不足でミスをしてしまった」という事象が発生した場合に、「確認を徹底してミスをなくします」といったものです。勿論これが悪いわけではないですが、もう一歩掘り下げて「確認しなくてすむような仕組みはできないか?」と考える思考となります。ここで3つの基本姿勢を紹介します。

1.目的はなにかを常に意識する

「なんのためか?」をしっかり考えるということです。上のミスの例ですが、外部に提出するものだったり、内部でも重要な意思決定につかわれるものであれば、ミスをなくすのは当然ですが、例えば資料をまとめていて、ドラフト段階であれば、ミスを減らすところに神経を使うよりも、大枠の流れを組み立てる方を優先するということもあるかもしれません。

2.思考パターンの枠を意識する

思考の枠の例を下に記載します。

思い込み、これまでの経験、 習慣、世間の目、教育、自分の信念、常識、メディア報道、ネット情報、成功体験、失敗体験

こういったものが、思考の枠となります。この中にとどまってしまうことなく、新しい発想するということになります。例えば、深夜の長距離バスというと昔は、安いけど疲れるというイメージでしたが、今は豪華なシートでそれほど安価でない、深夜帯に快適に移動したい人向けのものもありますね。

3.問い続ける(So what? why so?)

日本語にすると、「だからなに?」「それはなぜ?」です。あまり繰り返すと、尋問のようになってしまうのですが、問い続けることで何が本当の問題なのか?にぐっと近づけるようになります。

それでは、本日もよろしくお願いいたします!

STEP2「~だからそうだよ」

今週は、「ロジカルシンキング」について考えています。今日は、STEP2「~だからそうだよ」となります。ロジカルに展開して、わかりやすく伝える方法となります。この本の表現を使うと、

自分が伝えたい根拠を「説得力」という乗り物に乗せる。

ということになります。それでは、ロジカルにわかりやすく展開するときの3つのポイントについてお伝えしていきます。ピラミッドストラクチャーをイメージしながら考えてみてください。

1.論理モレがないか(広がり)

根拠となる「事実や情報」がモレなくダブりなく(MECE)そろっているか?ということになります。ダブってると、「これ同じ内容じゃない?」モレていると、「〇〇の点について考えた?」となりますので、要注意です。

2.論理が深堀されているか(深み)

昨日もありましたが、上から下へ「Why so?(それはなぜ?)」。下から上へ「So What? (だからなに?)」を繰り返すことでより深い洞察が行えます。

3.論理に筋が通っているか?(飛躍)

全体を見渡してみて、1段目は「結論」、2段目は「根拠」、3段目は「たとえば」と考えた場合、ストーリーが流れているか?ということが大切になります。違和感があるようでしたら、あらためて、その部分を掘り下げて考えてみるとよいかもしれないですね。

これらのポイントを押さえながら、論拠を組み立てていけると、説得力がぐっと増しますね。それでは、本日もよろしくお願いいたします!

STEP3「それいいね」

今週は、「ロジカルシンキング」について考えています。今日は、STEP3「それいいね」となります。

3つ目のステップとして、じぶんだけの深い意見を持つということです。昨日までのステップでせっかく、事例を洗い出し、根拠につなげ、結論を導くという論拠を組み立てたとしても、その結論に魅力がないと、「それ、いいね」とならないということです。「それ、いいね」と相手に言ってもらうためにも、相手の真相にある本当の気持ちや感情を引き出すような発想をする必要があります。とかくと、奇抜なアイデアの発想を想像してしまうかもしれないですが、既に世の中には論理的にアイデアを発想するメソッドというのがありますので、その中の一つ、シックスハット法を紹介します。

この発想法は、6つの違うパターンの思考をするというものになります。以下に6つのパターンと本に「若者や女性に日本酒の魅力を伝える」という例が載っていたので、併せて紹介します。

1.白【客観的思考】数字やデータ、信頼できる情報をもとに考える
・海外での日本酒人気が高まっている

2.赤【直観的思考】感情や感覚、直観的な発想をもとに考える
・大吟醸などの日本酒は意外に甘くて呑みやすいものもある

3.黒【否定的思考】課題やリスク、損失などをもとに考える
・おっさんっぽいイメージがある。酷く酔う気がする

4.黄【肯定的思考】評価できる点やメリットをもとに考える
・適量により、血行促進効果がある

5.緑【創造的思考】革新的なこと、これまでにないものを考える
・サッカー国際試合を日本酒がスポンサードする

6.青【プロセス管理思考】全体を見渡し実現性をもとに考える
・大阪万博にて世界のパビリオンとコラボした日本酒の製造・販売
 参考記事

このように、アイデアというと、とかく頭のやわらかい人による「思いつき」や「ひらめき」のイメージがありますが、論理的な思考アプローチからのアイデア発想を生み出すというのもあります。

他にも、マンダラート、オズボーン、SCAMPERなど色々ありますので、良かったら検索してみてください!
それでは、本日もよろしくお願いいたします!

論理的だけではたべていけない

今週は、「ロジカルシンキング」について考えてきました。最終日の今日は、「論理的だけではたべていけない」となります。

昨日までのところで、論理思考の3つのステップについて考えてきました。これにより、「決めつけ」の魔力に捉われず、「結論」「根拠」「たとえば」と論拠を組み立ててる方法を学んだかと思います。一方で、話を聞く側として、過度にMECEにこだわったり、論理の穴を重箱のスミをつつくようなことをしてはいけないと思います。「メタ思考」の著者、澤さんがよく仰っている、ランドルト環(視力検査の「C」の輪)のように、欠けている部分を指摘するというのは人間はやりやすいからです。

直観だったり、「なんとなく」も大切にしつつクリエイティブな発想の為に、論理的思考も駆使するという感じでしょうか?

たとえば、この本の冒頭では、結婚記念日に奥さんにネックレスをプレゼントしたけれど、あまり喜んでもらえなかったストーリーが描かれています。

「アクセサリーは女性が喜ぶプレゼント上位」(前提)
「奥さんがネックレスをネットでチェックしていた」(調査観察・事実)
「結婚記念日にサプライズでプレゼントしよう」(結論)

論理展開としては、上の通りで悪くはなさそうです。しかしながら、深い洞察が足りないばかりに、もしかしたら「プレゼントランキング」は独身女性を対象にしたアンケートかもしれないし、ネックレスをチェックしていたのもたまたまそのページにアクセスしただけかもしれません。他にも、ネックレスには強いこだわりがあるので、自分で選びたいかもしれませんし、プレゼントよりも一緒の時間を過ごしたかっただけかも。

日々の小さな感覚も大切にしながら、相手に「それ、いいね」と言ってもらえるような論理思考を働かせられるとよいですね。
それでは、6月も今日でおしまいですね。2024年も半分が経過しました。
また来週、7月からもよろしくお願いいたします!
(2024.06.24-06.28)


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