SS つっこみ【お題:何でやねんっ!】
銀色のどら焼きみたいな円盤から出てきたのは、緑色の宇宙人だ。
「これが、ファーストコンタクトか」
「まるで初デートのようにドキドキします」
「なんでやねん!」
政府高官が、軍高官に突っ込む。
タラップから降りてきた宇宙人は、二本足で二本の腕がある。宇宙人は手を水平にして、喉にあてる。
「ワレワレは、宇宙人だ」
「なんでやねん!」
地球人側が突っ込むと緑色の宇宙人は舌を出して、ほっぺに指をあてる。
「えへへへっ」
「なんでやねん!」
緑色の宇宙人は、急に真面目な顔をすると一枚のA4用紙を、地球人側に手渡す。そこには、賃貸滞納の督促と書かれている。
「これが最後通牒だ、家賃が払えないなら、この惑星から出ていきなさい」
「最後って、今回がファーストコンタクトですが」
「あれ? 座標を間違えた?」
「なんでやねん!」
地球人に頭を下げながら、緑色の宇宙人が細長い端末で座標を調べる。
「あー、ここは、地球ですね、チキュウです、恥丘じゃない地球です」
「なんでやねん!」
調べ終わると緑色の宇宙人は、地球人へ敵意を向ける。
「やっぱりここ、地球じゃないですか、私をだますんですか」
「前回は、地球にはいつ来られたんですか?」
「たった五百万年前ですよ、毛が生えたあなたたちにそっくりな人類と契約してます」
「証拠は?」
「これです」
宇宙語で書かれた書類には、ぐしゃぐしゃとサインがしてある。
「ちゃんと、ワレワレに地球を譲渡します、見返りとして文字や技術を教えます。書かれてますよ」
緑色の宇宙人が、書類を手でパンパン叩く。地球人は困ったような顔をすると、その頃の人類はすでに絶滅しているので、書類は無効だと告げる。
「えー、私たちの科学技術をろくに覚えられずに絶滅したんですか」
「そうですな、新しい契約をしましょう。科学技術を教えてください」
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「それで、技術を教えてもらえたのか?」
「だめでした、宇宙人が営業している間に、彼らの本社が倒産して無くなってました」
「なんでやねん!」
大統領があきれたように政府高官につっこんだ。
参加させていただきました。お笑いはむずかしいです。