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“Well-Being”でつながる仲間 異業種が集う「実践コミュニティ」とは?

ウェルビーイング推進の担当を任されたけれど、何から始めればいいの? 幸せな職場づくりを考えても、なかなか社内の理解を得られない・・・。そんな悩みを仲間たちと共有し、相談しあえる場があります。三井不動産ワークスタイリングが立ち上げた企業横断型の実践コミュニティ「Well-Beingコミュニティ」です。教育、法律、医療など様々な分野で働く仲間が企業の枠を超えて定期的に集い、ウェルビーイングについて話し合っています。

今回は、このコミュニティが生まれた背景や活動内容をお伝えしたいと思います。社内や企業を超えたコミュニティづくりに関心がある人はもちろん、ウェルビーイングを考えるみなさんの参考にしていただけると幸いです!


仲間で悩みをシェア

近年、人材を資本ととらえ、企業の価値向上をめざす人的資本経営への注目が集まり、社員や職場のウェルビーイングを高める動きが盛んになってきました。言葉としての「ウェルビーイング」は少しずつ浸透してきましたが、いざ社内でウェルビーイングの担当を任されたものの、具体的に何をすべきか悩む人は少なくありません。また、社内でウェルビーイングに関する知識や理解が足りないと、共感を得られず孤独になりがちです。

2024年11月に開かれたWell-Beingコミュニティのミーティング

そこで、ワークスタイリングは2023年11月、企業のウェルビーイング推進担当者が悩みを共有し、話し合う場として実践コミュニティ「Well-Beingコミュニティ」を立ち上げました。ワークスタイリングのパーパスは「すべてのワーカーに『幸せ』な働き方を」。シェアオフィスというハード面にとどまらず、働く人たちがそれぞれの「幸せな働き方」をデザインするきっかけを作ってきました。Well-Beingコミュニティの活動も、パーパスを実現するための大切な取り組みと位置づけています。

慶應義塾大学大学院と連携

そもそも実践コミュニティ(Communities of Practice)とは、共通のテーマへの関心や問題意識を持つ人々が集まり、経験や知識を共有しながら互いに学びを深める場です。企業を取り巻く環境がめまぐるしく変化し複雑化する中で、個人や組織が課題解決のヒントを得られる場として注目されています。

なかでもWell-Beingコミュニティの大きな特徴は、企業横断型であるということ。異なる企業のウェルビーイング推進担当者たちが、2週に1度集まり、雑談や対話を通じて悩みを共有し、解決の糸口を探します。そして、コミュニティで得た知見を職場に持ち帰り、実践していくのです。

2024年11月のミーティングには異業種の12人が集まりました

現在は様々な業界(教育、法律、医療、不動産など)から20代~50代の8人が参加。業種や職種、年代が多様なメンバーが集まることで、ウェルビーイング向上のアイデアが生まれるだけでなく、メンバーが「自分にとっての幸せな働き方」を考える機会にもなっています。

Well-Beingコミュニティは、産学連携の取り組みでもあります。2023年3月の企画構想段階から、慶應義塾大学システムデザイン・マネジメント研究所が協力。研究員の方々が各種会議に同席し、コミュニティづくりや運営をサポートしてくれています。

「ここは肩書きのいらない場所」

2024年11月、Well-Beingコミュニティを知ってもらうためのミーティングが東京・八重洲で開かれました。参加者はレギュラーメンバーを含む12人。いつもの定例会と同様に、いくつかのグループに分かれて雑談が始まります。会場のプロジェクターには、コミュニティが大切にしていることが示されました。一部、ご紹介しますね。

“ここは肩書きのいらない場所”
ここは肩書きでつながるコミュニティではありません。仕事の立場は忘れて本当の自分と向き合い相手との対話を楽しみましょう!

“相手の発言は発見のチャンス”
あなたが持たない答えや視点をメンバーはもっているかもしれません。意見は対立させるものではなく、新たな発見と思いましょう!

“あなたのアドバイスは宝物”
ここはアドバイスが歓迎される場所。あなたの意見が相手にとっては目からウロコの発見につながる!

Well-Beingコミュニティが大切にしている七つのこと

参加者たちが得た気づき

こうしたことを前提に、途中でメンバーを入れ替えながら、1時間ほど話し合った参加者たち。実際にどんな気づきを得たのでしょうか。

時には笑顔、時には真剣な表情で話し合う参加者たち

建設関連の企業に勤め、関西から駆けつけたという男性。社内でウェルビーイング推進の機運が高まるなか、ヒントを得ようとイベントに参加したそうです。「職場のウェルビーイング向上のため、何をどう始めたらいいのか相談に乗ってもらいました。円滑にコミュニケーションが続きやすくなるような仕掛けはもちろん、コミュニケーションが生まれるきっかけづくりが大事だと分かったので、職場に持ち帰って活かしていきたいです」

別の参加者の女性は、職場の仲が良い分、改めて互いに感謝を伝える機会がなかったそうです。「あえて、そういう場や機会をつくることでウェルビーイングにつなげていくことが大切だと感じました。今日聞けた話をお土産として、持って帰りたいです」

参加者たちは、それぞれが得た気づきを披露しました

やるべきことが、見えてきた

ミーティングでは、法律事務所を経営する弁護士のメンバーが自身の経験を発表してくれました。かつて、若手弁護士の退職が相次ぎ、「教育体制が不十分」と指摘を受けたという男性。大きな危機感を覚え、コーチングを学びながら試行錯誤する中で、Well-Beingコミュニティに出会いました。

コミュニティに加わることで目の前の仕事からいったん離れ、ウェルビーイングについてじっくりと考える時間を持てるようになったそうです。そして、コミュニティで得た情報やアドバイスをもとに、様々な取り組みを実践しました。

例えば、スタッフ同士の横のつながりを促そうと食事の補助を出したり、請求書の自動作成システムを導入して業務の効率化を図ったり。「実践したことをコミュニティでシェアし、意見をもらえたことも非常に大きかったです
ね。おかげで、自分の中でやるべきことが少しずつ見えてきました」

お医者さんもメンバーに

多様な業界や職種の仲間が集い、気軽に悩みを共有できるWell-Beingコミュニティ。新たな気づきを得て職場に持ち帰るだけでなく、メンバー自身が自分の働き方を見つめ直す場にもなっています。

次回は、このイベントを機にメンバーになったお医者さんの話をご紹介します。コーチングで医師の働き方改革を実践した経験をじっくり伺いました。医療分野に限らず、幸せな働き方のヒントが見つかるかもしれません。どうぞお楽しみに!

#人的資本経営 #仕事 #人事 #組織開発 #ウェルビーイング