CityPopはなぜ世界の心をつかんだのか。ある奇跡のストーリー。
雨のしずくが伝う窓から、華やかな街の灯りが見えていた。タクシーが走るたびにその明度と色彩は、刻々と変化していく。
思わずため息をつきたくなるようなシティライトが、心の奥にキラキラとした粒子になって沁みていく。
ウォークマンのヘッドフォンからは、音楽が聴こえていた。
街のノイズもタクシーの走行音も運転手のおしゃべりもすべて無音で、音楽だけが僕の内側を流れていた。それを聴きながら見る六本木の夜は、ミュージックビデオのワンシーンのようで、あふれる詩を感じさせた。
若い僕は東京で働