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世界一の投資家ウォーレン・バフェットの盟友、チャーリー・マンガーとはどのような人物だったのか

※投資に詳しい人にとっては物足りない内容だと思います。「バフェットの横にいつもいたおじいちゃんはどんな人だったのだろう?」と疑問に思った人へ向けた記事です。

 2023年11月28日、世界一の投資家ウォーレン・バフェットが会長を務めるバークシャー・ハサウェイの副会長チャーリー・マンガーが99歳で亡くなりました。バフェットに関しては多くの特集が組まれたり、書籍が出版されているため、様々なエピソードが知られていますが、マンガーに関しては取り上げられる機会が少なく、情報は決して多くありません。私の中ではバークシャー・ハサウェイの株主総会でバフェットの横に座っているおじいちゃんという印象が強いです。しかし、株主総会でバフェットが説明した内容を短く分かりやすい言葉、しかも、おしゃれな言い回しで補足をしているシーンを何度も観ることがあったので、バフェットとはまた違う魅力を感じ、以前から気になっていました。今回はマンガーとはどのような人物なのかについて調べました

◯マンガーがバフェットと出会うまで

 マンガーは1924年1月1日にアメリカのネブラスカ州オマハで生まれました(バフェットもオマハで生まれ育ち、現在も在住しています)。ハーバード大学ロースクールを卒業後、法律事務所に勤務し、40歳を過ぎてから独立して自身の法律事務所を設立、その後、弁護士を辞めて、投資に専念することになりました。6歳の頃からコーラやガムを売り歩き、11歳の時に初めて株を購入したバフェットとは違い、マンガーはそこまで早い時期から投資に力を入れていたわけではなかったようです。

 マンガーの転機になったのは、やはりバフェットと出会ったことです。2人の出会いは1959年、オマハで開かれたパーティーの場でした。そして、経営難に陥っていた繊維会社の株を2人は買い始めました。これが後に世界一の投資持株会社となるバークシャー・ハサウェイです。バフェットと出会った時、マンガーは既に35歳でした。それまでに離婚、息子さんが白血病を患い、多額の治療費が必要になったことで経済的に追い詰められたうえに、息子さんは亡くなり、自身も白内障手術の失敗で左眼球を失ってしまい、決して順風満帆な人生を送っていたわけではありませんでした。

◯マンガーの投資スタイル

 バフェットはベンジャミン・グレアムの『賢明なる投資家』を読み、バリュー投資(本来の価値より安い株を買い、そこそこの値段(適正価格)になったら売ること)に感銘を受け、この投資スタイルを大切にしていました。一方、マンガーは成長が続く会社、素晴らしい会社の株をそこそこの値段(適正価格)で買うという投資スタイルを大切にしており、これをバフェットにも勧めました。バフェットはマンガーのアドバイスを受け止めて、グレアムの考えに囚われすぎていた自身の投資スタイルをアップデート、これがバークシャー・ハサウェイの「良い会社を見つけて、経済不況などの影響で、その会社の株価が落ちるまでできるかぎり待ってから株を購入する」という投資スタイルになっています。

◯待つことの天才

 マンガーには多くの魅力と才能がありますが、何か1つに絞るなら、それは待つことだと思います。「良い会社を見つけて、経済不況などの影響で、その会社の株価が落ちるまでできるかぎり待ってから株を購入する」、とても単純なことのように見えますが、実際はこれがなかなかできないのです。「良い株が安くなるまで待ち、長く保有する」、マンガーが投資に関して待つことができなければ、バークシャー・ハサウェイが世界的な企業になることも、バフェットが世界一の投資家になることもなかったかもしれません。

 投資スタイル以外でも、マンガーは待つことに長けています。バークシャー・ハサウェイの株主総会では株主からの質問にバフェットとマンガーが長時間答えることが定番になっていますが、マンガーはバフェットが話し終わるか、バフェットから話を振られるまで基本的には喋りません。常人なら、自分の偉大さをアピールしたくなり、前へ出たくなるところですが、マンガーは沈着冷静な眼差しでひたすら待ちます。そして、いざ話す場面になると、バフェットが話した内容を最小限の言葉で補足をしたり、自身の考えを述べます。バフェットの話す内容もかなり分かりやすいのですが、「これだけは覚えて帰ってくださいね」という内容を話すスキルはマンガーのほうが上手だと個人的には思います。そのうえでバフェットを立てることも忘れず、お互いが信頼し合っているのが伝わります。

 今の世の中、「生まれた時から人生は決まっている」「年齢を重ねてから人生を変えるのは難しい」という声を聞くことが多いですし、そのような面ももちろんあります。しかし、マンガーの生涯が「人は何歳からでも人生を好転させることができる」「何かを始めるのに遅いということはない」ということを証明してくれていると私は思います。


◯出典
・チャーリー・マンガー-Wikipedia 2023年12月11日
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%83%BC

・Forbes JAPAN 片目を失い見えた成功 アメリカンドリーム体現したチャーリー・マンガーの人生 配信 2023年12月7日
https://forbesjapan.com/articles/detail/67767

・『ウォーレン・バフェットの生声』 文響社 2023年1月18日


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