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オンラインで学生×社会人企画をしてみたら気付きの芽がいっぱいだった!

 1月に、コロナ禍を生きる学生たちの話を聞いてみたいなと思い立ってnoteにも記事を書いてみたりしました。そして、2月にはそれを実行に移すべく「集まれ!コロナ禍を生きる学生たちーもやもやしているものを聴こう・語ろうー」という企画を立ててご紹介しました。3月に入って先週の土曜日(3/6)に、ついにその企画を実施してみたのですが、私自身も、あるいは参加してくれた人たちの中にも、さまざまな発見や予想外があってとても勉強になったので、読んでくださる皆さんにも共有したいなと思って書いてみたいと思います。

□開催するまでの振り返り

 2020年、コロナ禍の中で自分ももがいて、もがきながらも友人やお世話になってきた大人たちとお話をして、吐き出すことで前を向けたり、共有することで明日の気持ちが少し軽くなったりした実感がありました。そんな中、大学で教えている友人が「大学生は一番我慢していると思う」という発言をしていて、大学生とも吐き出したり共有したり向くべく前を探すような時間が作れないかなと思い、noteにも綴っていました。

 そして、このnoteを書いたことで、一緒にその場を作ろうと言ってくれた友人がいたり、その場づくりにいろいろとアドバイスやディスカッションしてくれた友人がいたり、恩師の先生が応援してくださったりもしました。何よりも驚いたのは、直接コンタクトを取ってくれた大学生がいたことです。どうなるかは分からないけれど、やらないよりはやってみようと思い、実際に企画を立てました。

 記事にも書いていますが、この企画については、単に学生の話を「聞いてあげる」でもなければ「聞かせていただく」でもなくて、学生も話したいことを話してくれてて、社会人も聞きたいことを聞かせてもらったり思ったことを話したりして、年齢や地域や立場を越えて話をすることで何かが見えてきたらいいな~という趣旨の企画でした。

 1回だけでも良かったのですが、機会を多くセッティングした方が参加しやすいかなと思い、2月末の平日と3月頭の土曜日に設定しました。しかし、結果的に3月頭に参加希望者が集中したので3月のみの開催として、大学生5人、社会人8人(私を含む)の13名での会になりました。結論としては良い感想を持ってくださる参加者さんばかりでしたが、何が面白かったのか、そして今後に活かすにはもっとどうしたらより良くなるのかもたくさん出していただけたので、そういったこともご紹介したいと思います。

□企画してみたら社会人が多く集まった件

 今回参加してくれた皆さんのざっくりした概要は、こんな感じでした。

〇企画側:主催者(まちづくり、防災、教育、ライター)、共催者(元CA、ヨガ講師、オンラインツアーガイド等)
〇ゲスト社会人:大学教授、中学教員、高校教員、大学非常勤、クリエイター、元営業マン兼旅人(経験豊富!)
〇ゲスト大学生:名古屋の大学に通う4年生、静岡の大学に通う4年生、東京の大学に通う2年生と3年生、山形の大学に通う4年生

 元々は2回に分けていたので、企画側は2回とも参加のつもりで、ゲスト社会人は各回2名ずつくらいを想定していました。つまり、社会人が3~4名に対して、学生さんが3~4名でトントンくらいが良いかなと思っていました。実際、リアルの場でのワークショップなどもそうですが、1回にちゃんと話を聞いてコミュニケーションが取れる人数は大体5~7人がベストと言われています。それはオンラインでも同じなので、今回も7人前後で抑えようという考えでした。

 ただ、いくつか計算外れなことがあって、1つは大学生のアルバイト事情です。2月の中旬に2月末の平日夜を呼び掛けても、多くの大学生はバイトのシフトを入れてしまっています。言われてみれば、自分の学生時代もそうだったなあ…と反省しました。「興味はあるけどバイトが…」と連絡くれた学生が数人いました。社会人は仕事が終わったあとの平日20時以降なら参加しやすいかなと思ったのですが、学生ありきで考えた企画なのに学生ファーストになっていなかった反省点が最初の学びでした。

企画内容

 それから、もう一つ予想以上だったのは、社会人の関心が思っていた以上に高かったということです。結果的に、2月の分を無くして1回にしてしまったので、2月分でお声がけしていた社会人ゲストさんを断るのももったいないと思って3月にまとめちゃった私も反省なのですが、社会人参加が多くなりました。しかも、今回参加された以外にも「参加したい」「学生の話を聞きたい」という社会人は複数名いたのです(今回は人数が多くなりすぎると趣旨通りの企画にならないことを危惧して、お断りしてしまった方もいました)。先にも書いたとおり、学生の話を「聞いてあげる」というだけのスタンスではなく、共に語るようなスタンスを想定していましたが、むしろ学生の話を「聞かせてほしい」というスタンスの社会人が多いことも気付きでした。

□当日の流れ

 当日は、まず企画の趣旨説明と主催者の自己紹介をさせていただいたのちに、参加者(社会人・学生共に)に自己紹介と参加理由(なぜ参加したか・聞きたいことや参加するにあたって期待していることは何か)などを話してもらいました。そのうえで、学生さんメインに「この1年コロナ禍で辛かったこと」「コロナ禍でもポジティブに感じられたこと」などそれぞれに聞いてみました。話の流れによっては関係する、あるいは良い返しをもらえそうな社会人さんにあてて発言してもらいました。

 出てきた意見としては、例えばオンライン化について、コロナ禍でオンライン授業ばかりだったり授業時間外での友達とのやり取りが激減したりでモチベーションが上がらないという話もありました。あるいは、対面で話していても画面越しの時だと温度感が伝わりにくくて辛かったという話がありました。一方で、良さを言ってくれる学生さんもいて、集中力を切らさないのは難しいし大勢の場合はまた違ってくるけれど、ゼミなどは教室型ではなく画面がゆえにずっと対面で参加できることが良いという意見や「オンラインのおかげで今日もこうして新しい出会いで皆さんとお話できます」と嬉しいコメントをしてくれたりもしました。また、大学であれば教授のフロアに行きにくいところがあるけれど、オンラインだと約束の時間にリンクに入るだけだから気持ちも楽というお話もありました。

 大学4年生は、コロナ禍で卒業旅行に行けなかったことが残念だったという話もありました。自分も学生の卒業旅行は色濃い思い出なので、青春のラストに思い切り遊べないのは悲しいなと思いました。一方で、就活はオンラインになってやりやすかったし楽だったという意見もありました。逆に、いかに今までリアルでの就活に無駄が多かったのか(何回も面接の場に足を運ぶなど)、ということを社会人たちで考えるきっかけになりました。

□リアル:オンライン=○:○

当日の様子

 話が進んでいく中で、私も疑問が沸々と浮かんできたので、こんな問いかけをしました。

「オンラインの良さも確かに感じるところだし、良さがあるから今もこのような場で皆さんと繋がれていると実感している一方で、私は職業柄も触れ合いを大事にしてきたので、リアルの良さが失われてしまうことを危惧してもいます。皆さんはこのバランス、どう考えますか?」

 すると、学生さんたちの中には「オンラインの良さとリアルの良さを活かしていきたい」という意見や「学生の間は良かったけれど、オンラインで仕事をするとなると心配なところもある」という意見が出ました。あるいは、「リアルでしか見えない"その人"があると思うから、オンラインで人を見抜ききれないのをどうしたら良いか」という相談なども出ました。それについても参加している社会人の皆さんからもいろいろな見解が飛び交って、有意義な意見がたくさん出たのですが、中でもこんなことを言ってくださった人がいました。

「自分たちは営業一つとってもリアル100%のオンライン0%の時代だったけれど、今はコロナもあって逆になったから、リアル0%のオンライン100%になっている。そしてこれはコロナが収束していくに従って%が移っていって、その人その人の最適を選んでいくような時代に入るんじゃないかな。これからそのバランスを見ていく、まだまだ実験段階だから、今の若い人たちにはたくさんチャンスがある気がするよ」

 この方は友人からの紹介で私は初めましての方でしたが、「おおー分かりやすくてすごく良いこと言ってくれたな~」と感動しました。そして同時にまたこんなことを思い、発言しました。

「今までは"これはリアル""これはオンライン"と世の中の風潮があって合わせれば良かったのが、これからはある物事に対してAさんとBさんでは"リアル:オンラインの割合"が異なるという状況が生じることになるんだなと思うと、可能性もある一方で、価値観の共有やコミュニケーションが難しくなる面もあるかもしれない」

 この話は中盤過ぎた頃に出た話だったのですが、最後に、あまり話を振ることができなかった、参加してくれた教員をしている同期に感想を求めたら「この話の時に興奮して発言したい衝動を抑えていた。コロナ禍になって世代間の中でも起きていたことが、今日こうして"リアル:オンライン=〇:〇"のバランスを取る人がそれぞれになるという現象の話になったことで一層浮き彫りになって可視化されたように思う」と熱くなって話してくれました。これは、彼にとっても、私にとっても、あるいは参加してくれた皆さんにとっても、大きな気付きになったような気がしました。

□参加者の感想

 最後に、参加してくれた皆さんに感想や「もっとこうしたら良いよ!」というのを私にまた教えてほしいとお願いしました。すると、終わってすぐに連絡してくれた方ばかりで、皆さん建設的に意見を出してくださいましたのでご紹介します。私も今後にめちゃくちゃ参考になりました。

〇社会人
・実際に大学生の声を聞けたのが良かった。
・いろいろ考えるきっかけになった。
・すごく刺激的でたくさん宿題をいただいた気がする。
・学生さんにもっと話をふってあげられたら良かった(大人だけが満足していないか心配)。
・自分以外の大人が良いこというなあと思った。
・程良い距離感で関われて良い会だった。
・呼びかけ方法などをもっとブラッシュアップしていくともっと良い会になると思う。
・かなり新鮮な会で参加して良かった。
・学生さんの環境の変化の対応力が想像以上で、参加する前に想定していた悩みが全然出なくて、自分たちが時代に取り残されないようにしなければと思った。
・自己紹介で話してもらう項目を絞って一巡目を30分くらいにおさめて本編を長く取るとなお良い会になる。
・延長分の30分がちょうど良いと感じたから次は2.5時間設定でも良いかもしれない。
・学生同士が会話できるような時間もあると良い。

〇学生
・今後に繋げられそうな素敵な出会いがあって、発見に溢れた時間だった。
・コロナ禍によってたまっていた悶々としたものを吐き出しスッキリすることができたし、それをどう克服するかやどう活かすかなど発展した話を聞けたことでとても自分にとって実りがあった。
・他の学生さんがみんなすごくしっかりしていて面白い話が聞けて良かった。
・また一つ視野が広がって良かった。
・今回10人近くいたので、相談したい人が参加する場合などであれば、話しやすい4~5人の方が真剣に話しやすいかもしれない。
・社会人や他の学生さんの話を聞いて考え方や話をする姿勢などを見つめ直す機会になった。
・社会人の話をいっぱい聞けたのが面白かった。
・普段出会えないような大人と話せるのが嬉しかった。
・今後企画する時は手伝いたいし続けていったら面白いと思う。

 また、上記を参加者全員に共有したら、学生さんの1人が「自己紹介時間を抑えたいなら、自己紹介シートみたいなのを事前に書いて共有すると良いかもしれないですね!」とまた連絡くれたのも嬉しかったです!

 全体を通しては、社会人からは「学生にもっと話させたかった」という意見が多く、学生さんからは「社会人の話が色々聞けたのが良かった」という意見が多かったです。なんだかお互いがお互いを思いやっていて、相思相愛みたいな結果なのも微笑ましい感じがしました。いずれにせよ、今回は計算外になってしまったこともあって予定よりも人数を増やしてしまった経緯があったので、今後はどちらもがより満足いく話ができるような人数割合を追求していきたいと思います。

□トライ&エラーを何度でも

 やってみて、ここには書ききれない素敵なやり取りがたくさんありました。参加してくださった社会人ゲストの皆さんもそれぞれの背景や職種、経験を踏まえてさまざまな視点での意見があって、学生さんにとっても面白かったようでした。これは私だけがホストでは成し得ないことなので有難かったです。一方、学生さんにもっともっと話しやすい環境を提供したり、もっと参加しやすい誘い方、アプローチの仕方もアドバイスをいただけたので、これはここで終わらせずもっとトライしてみなければと思いました。トライした分だけエラーを経験できるし、エラーを経験した分だけより良いトライができると信じています。今回参加してくれた学生さんには、与えるよりも与えられたことがことがたくさんありました。今後もまたトライ&エラーを繰り返していきたいと思います。

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