農業の収入保険、どうやら改悪の見込みのようです。。。
こんにちは、ひらっちです。今日は5月の最終日。なんだか今週は再び雨模様の1週間になりそうですね。朝から編集作業をし、電話取材をこなしたところですが、今日はあと4本原稿を仕上げ、夕方には農作業に繰り出したいと思います。ダッシュで頑張らねば!!
<いつもの簡単な自己紹介です>
僕は、地方国立大学を卒業後、ブラック企業で営業マンを経験。その後、フリーランスのライターとして独立開業、さらに数年後、新規就農して農業をスタートさせ、2020年現在、好きな仕事を選びながら人生を謳歌する「ほぼセミリタイア生活」を実践しているアラフォーです。
このnoteでは、特に20・30代のビジネスパーソンの皆さんに、僕の経験に基づいた「人生を楽しく過ごすための技術」を提供し、少しでもたくさんの方に「幸せな毎日」を掴んで欲しいと考えています。どうかお付き合いください。
■農業をテーマにした記事で人気が高いのは、補助金・給付金がらみのお話です
あらためまして、ひらっちです。今日は「農業のお金の話」をテーマに書いてみたいと思います。
このnoteでは、「お金」を中心に、さまざまな切り口で記事を書いています。いまだにトータルアクセス数で不動のトップを走っているのは、以下の「トリキの錬金術」のお話です。
もう「そんなこともあったなぁ~」なんて遠い昔の記憶のような気がしますね。それだけこの1年は、変化が激しかったということでしょうか。
あとは「FIRE」や「早期リタイア」関連の記事が順調にアクセスを伸ばしていますが、農業に関する記事でかなり健闘しているのがこの2本です。
やっぱりみんな、補助金や給付金のことは気になるもんね。特に2本目は「スキ」がもうじき100に到達しそうな勢いです。
あとは、この記事も結構読んでいただいているようですね。収入保険への加入者、コロナ禍でいまだに増え続けている様子です。
■農業の収入保険、どうやら「逆選択」の状況が生まれているようですね。
収入保険については、上記の記事内でも詳しく書いていますが、過去5年間の売上を基準に、その平均値の8割ぐらいの収入が保障されるという大盤振る舞いの保険になっています。
そして、実はこの保険、もしかしたらエリアによって違いがあるかもしれませんが、2021年の収入保険に、この時期からでも加入できてしまうというおかしな構造になっています。どうやらコロナ禍で確定申告の申告期限が後ろ倒しになった影響もあるようですが、すでに2021年の半分近くが終わったこの段階で、今年の売上が下がったら支給される保険に加入できるというのは、相当おかしいことがお分かりいただけるかと思います。
特に農業は、季節による変動が大きいビジネスです。もし仮に、春が農繁期で、売上の大半を2021年前半で稼ぐようなモデルの場合、保険に加入する前に売上の見通しがほぼ立ってしまう可能性があります。加入者はおおよその売上を確認した段階で、過去の売上基準を下回りそうなら加入する、といった選択ができてしまうわけですね。
先日、翌年と翌々年の収入保険について担当者さんが説明に来られましたが、「逆選択の状況が生まれてしまっていて…」と苦い顔をされていました。
「逆選択」という言葉を知らない方のために簡単に説明しますね。「逆選択」とは、契約者が保険事故の発生する確率が高いことを知りながら、保険を契約しようとすることを意味します。例えば、生命保険の場合、健康に不安を抱えている人、危険な職業に就いている人ほど加入する傾向があるわけです。保険金を受け取る可能性が高いのでお得というわけですね。ただ、保険会社にとってはあまり好ましい状態とはいえません。
農家はみんな経営者ですし、馬鹿じゃありません。農家の皆さんが「自分にとって合理的な選択」をした結果、想定を超える保険金の支払いが発生している模様です。モラルハザードが起きている感じですね。。。
こうした状況を受け、今年8月くらいを目途に保険料率の見直しが図られるそうです。ほぼ間違いなく「改悪」の流れだろうと推察されます。作物を問わず、災害などの被害に遭われた農家さんを幅広く救済できるいい保険だと思っていたのですが、今後の加入についてはより冷静な判断が求められることになりそうです。
■まとめ
本文中でも記載した通り、逆選択というのは、なにも農業の世界に限った話ではありません。死にやすい人が死亡保険に加入する方が、運転の荒い人が自動車保険に加入する方が、お得になりやすい。これは、保険が抱える問題点の一つです。だから最近は、色々と条件を付けるわけですね。健康な体であれば、保険料を安くしますよ、といったように。
保険がいるか、いらないかを議論する時には、この「逆選択」のことも考慮にいれると、より理解がしやすいと思います。めちゃくちゃ不健康な人ばかりが加入している医療保険に、健康なあなたが加入したら、損すると思いますか? それとも得すると思いますか? 答えは明白ですよね。
保険にできれば加入しない方がいいのは、この「逆選択」が起こりやすいからという理由もあるわけです。保険を検討するときは、このあたりの事情も考慮して選択するのが合理的でいいと思いますよ。