よく聞かれる「ライターへの質問」に答えてみた【AIの影響って、ありますか?】
こんばんは。ライターのトイです。
最近よく聞かれる質問に答えてみるのコーナー。何かと話題の「AI」について、私なりの向き合い方について答えてみます。
Q.AIの影響って、ありますか?
ライターとして仕事をしているとお伝えすると、けっこうな確率で「AIによる仕事への影響」について聞かれます。
「AIはライバルになりますか?」
「AIでお仕事は減りましたか?」
「AIって、仕事でつかっていますか?」
さまざまなAIが登場した時、ニュースで盛んに「AIによってなくなる仕事が増える」「文章を書くことはAIに取って代わられる」なんてことが言われていましたもんね。
そんなニュースが出てきたのが多分去年とか一昨年だったと思うのですが、もうほとんどの仕事で「生成AIの使用についての規定」ができています。要は「使っていいよ」「使っちゃダメだよ」のルールですね。
そういう意味では、AIの色濃く影響を受けている仕事といえます。
では、私自身はどうなのか?
A.使ってなんぼ。
……と思っています。
「こんな奴認めん!」「AIには負けない!」ではなく「やあやあAIさん、ようこそ我が仕事場へ!!どうぞ仲良くしていこうじゃないですか!」という感じ。
そもそもの話、AIはライターではなく、ツールです。
パソコンが出てきて仕事が奪われた人は、確実にたくさんいます。
でも、パソコンに仕事を奪われた人は、パソコンを使わなかった人だと思うんです。
「こんなものは普及しないだろう」とたかを括って、試しもせず今までのやり方を続ける。
作家さんのように唯一無二の方であればさておき、会社でやるような仕事は誰かが引き継げる仕事が大半です。それなら新しい仕事を覚えている人が優位になるのは当然のこと。
パソコンをツールとして覚えて、うまく取り入れた人が、ビジネスでも残っていっていると思うのです。
フリーランスならなおさら、懐にある武器は多い方がいい。
私もさまざまな場面で、AIを活用しています。
校正ツールとして(特に表記揺れなんかの検知は便利)
自分にはパッと思いつかない言い回しのリストアップ
リサーチの際に事例をピックアップ
コードを書いてもらう
書いた文章を読ませて褒めてもらう などなど
特に「褒めてもらう」のはおすすめ。書いた文章を読ませて、なるべく具体的に褒めてもらうようにプロンプトを組んでいます(笑)。自分の機嫌を自分だけで取り続けるのは大変なので、AIにも取ってもらう作戦です。
ただし、まだまだ精度の低いところはあるし答えに揺れが出ることもしばしば。
校正にしてもコードを書いてもらうにしても、AIの情報+自分での確認やリサーチのWチェック体制が必須です。
より豊かな表現や、より間違いのない原稿に仕上げるために、AIを活用しているという感じでしょうか。
自分なりの「AIとの向き合い方」を見つけておく。
私の仕事の場合、AIにはまだ難しい領域が多いと感じています。
たとえばレビュー記事は、自分で使ってみないと出てこない感想が必ずあります。
Amazonのレビューなんかをみていても「お前これ、使ってないだろ!」ってサクラレビューは、なんとなく見抜けるじゃないですか。
レビュー記事も同じで、使ってみないとわからないことを書いてこそ、有益な情報になるし、そこに原稿料が発生していると思うんです。
AIには「洗い物をしたくないけどキッチンはきれいにしておきたい」というズボラで貪欲な心はわからないだろうし、ペンの書き心地のヌルがいいのかサラがいいのかを本当の意味で理解することはできない。
取材が必要な記事も同じ。人同士の会話でしか引き出せない言葉が、きっとあります。
AIが得意なところは任せつつ、自分が得意なところを強めていく。
AIに対して不安な気持ちや「負けたくない」という気持ちがあるなら、AIでもできる仕事を受けないことで、ある種のリスクヘッジができるのかもしれません。
人によって戦略は違うので、ライターから編集に移るという道もあるだろうし、資格を取って専門性を高めるという道もあると思います。
とかく思うのは、AIはライターの代わりではなく、いちツールであること。
一度使ってみて「便利じゃん!」と思えば使えばいいし、「ちょっと合わんわ」と思えば距離を置けばいいのです。使ったことには変わりないし、クライアントから「使ったことあります?」と聞かれた時に「あります!」と答えられますよ。
きっとこれからAIの進化で、いろいろなことが変わっていく。そのたびに目を背けるのではなく、自分なりの「AIとの向き合い方」を見つけておくのがいいのかなと捉えています。
さいごに
まとめると
AIはツールなので有効活用しちゃおう
目を背けるのではなく向き合って自分のスタンスを決めよう
以上が私なりの答えです。
一時期Webライター界隈で「取材ライターを目指そう」みたいなムーブメントがあったのですが、多分みなさんAIへの焦りがあったのでしょうね。
もちろん取材ライターも一つの道ではあるんですが、AIを使い倒して仕事する道を選んだ人もいると思うのです。何が正解とか、ないですよ全然。
自分が決めてこの修羅の道を選んだのだから、誰かに言われてもへこたれず、自分のやりたい道を考えていきたいですね。
なんだか今日いろいろなAI学習阻害問題を見ましたが……いろいろなものに騙されず、正しい知識と理解でたおやかに生きていきましょうね。