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真相を知った時に震えました!「リバース」読書感想

主人公に感情移入して読み進めると、確実に真実を見失ってしまいます!

北國浩二さんのリバース、震えました。


途中まで、「犯人わかってるのに...」「SF?超常現象の助けられない系かな?」なんて思いながら読んでいた自分を殴りたい!

フォルトゥナの瞳みたいな流れになるのかなー?なんて思っていたのが大間違いです!

これは、作者に巧妙に巧妙に仕組まれた物語です。

あらすじはこうです

プロをめざしているバンドマン・柏原省吾はある日、恋人の上野美月から別れ話を切り出された。省吾の幼馴染である桂木妙子の交際相手のエリート医師・篠塚と付き合うというのだ。その直後、省吾は不思議な能力があるといわれている少女・野原すみれとともに、篠塚が美月を殺しかけている光景を幻視する。嫉妬ゆえの妄想か、それとも……。

この流れからの真相の持っていき方...

感服です!

主人公目線で追いかけると、確実に真実を見失います。

真実①を知った時の私
「確かに怪しかったけど、他に焦点が行きすぎて見失っていました」

でも、「こうに違いない」「この人はこうだから」というレッテルは、日常生活でもよくありますよね。

嫌な人と思ったら、どんな行動も嫌に見えるし
良い人、好きな人に対しては、ちょっと嫌なことされても許せるし、「こういう人だしな」で終わる

人の見方によって変わるものだと思います。

主人公が真相に辿り着けたのは、何を見てもどんなことがあっても一心に追い続けたからです。
誰の言葉にも耳を貸さず、直向きに追いかけたからこそ、最終的には真相に辿り着けました。

主人公の狂気的なまでの一途さが、行く末を見守りたくなります。

もっと早く気づいていれば...という後悔もありますが、最後が救われた終わりで終わったのでまあよしですね!

二段階の衝撃が楽しめます!!
えっ、これで真相わかったと思ったのにまだページ数がある!!

そこに待ち受けていた真の事実を知ると...
ある登場人物が、ずっと微妙な態度をしていた理由がわかりました。


狂気的なほどに真っ直ぐ過ぎる主人公に、衝撃呆れもしたし、可哀想にもなったし、「もう辞めたら?」という思いにもなりましたが、最後まで読むと「この主人公だからこそ、真相に辿り着けたんだな」「真っ直ぐさって大切だな」と感じさせられます。

まとめ

伏線回収とか、視点で騙されてしまう作品大好きなのですが、これはもーーー!
最後まで目が離せずに、ページを捲る手が止まらなくなる作品です。

主人公省吾のことも、まるで身近な人を見ているような気持ちで応援させられます!
私が小説内のキャラだったら、恐らく小説内の登場人物と同じく呆れてると思いますが笑笑


北國浩二さんの作品は、映画にもなった「嘘」も読みましたが、人がリアルで人間味溢れているところが好きです。

フィクションだけどリアルな話を読んでいる気分になれました。

今回読んだのは単行本なのですが、文庫版はまた違うみたいなので、次は文庫本を読んでみます。

違いを見つけるのが楽しみですね!

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