私の幸福論は恋人とアイスクリーム
深夜0時、恋人はアイスクリームが食べたいと言った。
一番好きなのは、家から少し離れたところにあるコンビニのアイスクリーム。
アイスクリームを求めて夜道を歩く。まだ昼間の暑さの残る世界で二人は手を繋いだ。 この世界にはまるで恋人と私しかいないように思えた。
アイスクリームを食べながら夜道を歩く。 罪悪感とか未来とか過去とか全部ない世界で恋人と肩を並べて歩く。
アイスクリームを満足そうに食べる恋人の横顔を永遠に眺めていたいと願った。
三大幸福論では、難しい言葉で幸福について語っていた。学のない私にとって、学生時代に学んだ幸福論は遥か昔の人の独り言のように思える。 遥か昔から幸福の定義は人それぞれあっていいのではないだろうか。
幸福とは、間違いなくアイスクリームと恋人である。絶対に譲ることのできない定義である。
夜と朝の間の時間に思った。