休日の話
ずっと憧れだった人。
目覚ましが鳴った。二人の好きなアーティストの歌声。今日は休日。
温もりを感じながら隣で眠る彼の寝癖に触れる。人と同じ空間で眠れなかった私が唯一1人で眠るより安心できる存在。温かな布団と彼の腕枕で二度寝をする。
昨日二人で帰り道に買っておいたドーナツをお昼にパジャマのまま食べる。録画しておいた深夜番組を見ながら二人で並んで座る。じゃんけんをして負けた方が2人分のカフェラテを用意する。
ゴロゴロしながらYouTubeを見る。夕方になって、夜ご飯何にする?って言いながら着替える。今日はお鍋にしよっか。いいね。モツ鍋ね!2合ご飯を炊いて、18時にセット。
手を繋いで近くのスーパーまで行ってキャベツともつ鍋セットと、今日は明太子も買ってたっぷり乗せちゃおって彼が言って明太子も買った。アイスも食べちゃおって私が言う。
家に帰るとさっき炊いておいたご飯がちょうど炊けていて、炊きたてのご飯のいい香りでいっぱいになっている。いい匂い!お腹すいたね!って言いながら急いで手分けをして夜ご飯を作る。
缶チューハイで乾杯して、もつ鍋を頬張りながらしょうもない話であーだこーだ言い合う。
寝る前に映画を観る。純愛映画だった。涙を流す私を優しく抱きしめてくれ、本当に心が優しいんだね、と彼が言う。
将来の約束もされていない私たちに未来はあるのだろうか。永遠なんてない。そんなことを思いながら横で眠る彼の髪に触れた。今晩もまた優しい温度に包まれながらまた眠りにつく。またちょっとだけ涙を流した。