今のモヤモヤ 小中学生とその親として
新型コロナウィルス感染症の影響で、子どもの通う小中学校が3,4,5月と3ヶ月間の休みになった。これまでの様々な経験と見聞きしてきたことから、個人的な視点でモヤモヤしていることと自分なりの考えを書き留めておきたい。
前提
我が家は小学生と中学生の2人の子どもがいる。私はリモートワーク6年目で基本的には自宅で仕事をしている。夫は4月の途中から在宅での仕事に切り替えたが、それまではほぼ自宅以外で仕事をしていた。コロナ前の家事分担はざっくり「料理」は夫担当。それ以外は私担当。という感じ。
学校からの学びの提供状況と対応
小学校
宿題というか勉強の内容とプリントが本格的に配布され始めたのは、4月から。3月中は春休み拡大版という感じで復習プリントが配布されていて、割と緩い感じでやっていたが、4月からは目安となる1日5−6時間授業分の勉強内容を書いたプリントとそこで使うプリント類が配布された。
その後も継続して配布され、一度学校までプリントを取りに行き、その後自粛期間延長の際にはサイトにPDFファイルがアップされ、印刷した。
先生たちが動画をedumapにアップしている学年も徐々に出てきている。
中学校
4月の中頃から本格的に勉強の内容が出された。新学期の教科書配布や副教材配布の前に一度プリント配布で学校を訪れたが、それ以降のプリント類は学校のサイトにPDFでアップされ、印刷して使用している。
プリントも動画もサイト丸ごとedumapを使っていて、先生たちの動画は一部の学年を除いてあまりアップされていない。
この状況下で私たち家族が相談して取った行動は下記の通り。
小学生
4月上旬:とりあえずプリント類を決まった時間にやる。丸つけは中学生の方が担当。丸つけはお小遣い制。間違い直しはやらず。
4月中旬:当然ながらモチベーションが上がらず、どうしたらモチベーションが上がるか本人にアイディアを出してもらったところ、スタンプラリーの提案あり。夫がスタンプラリーとご褒美チケットを用意したところ、2週間くらいはモチベーション高く取り組む。間違い直しも1スタンプにカウントされるので嫌だけどやる。
5月上旬:スタンプラリーの効力が切れてきたので、別の方法を夫と私で考える。GW明けから、プリントや漢字・計算だけでなく、教科書に沿って授業をするような内容も入ってきたので、家族で教科担任制を取って、対応することに。オンラインでつないで友達と一緒にやることも提案したがそれは嫌だと言われる。本人はごっこ遊び大好きのため、学校ごっこ風に楽しんでやっている。
中学生
学校から明確な勉強内容が出てくるまで、いろんな教材やサイトを試しつつ、このサイクルで回すのがベストとなった。
・予習:チャレンジタッチ(小学生の時からやっている)
・授業:スタディサプリ(オンライン教材を比較、新たに導入)
・復習:チャレンジタッチ記述式、エベレス(ベネッセのオンライン塾)
が、やっぱり長く続くとモチベーションも落ちてきていたのも事実。
GW以降は明確な勉強内容がプリントでどっさり出てきて、提出必須となった。(小学校は提出任意だが、中学校はそうではないっぽい)
せっかくできたサイクルを維持しつつできる方法はないか、本人と私でプリント見ながら1教科ごとに相談。うまいこと組み合わせてやることに。
おかげで勉強時間はかなり増えた模様。
モヤモヤその1:自宅での今の学びに欠けているのは?
学校が提供してくれたことと対応、あくまでその状況に合わせてきたわけだけど、学校に行かなくても学びは続けられている状況なのかなとは思う。
一方で、学校の対応に的外れな感じがモヤモヤとしている。
私個人に関していうと、学校に求めているのはインプットの機会ではなくアウトプットの機会だからと気づいた。
友達との交流という側面もあるのだけれど、学年が変わる節目を跨いでいるために、我が家の小学生の場合、新学年のクラスのお友達や先生よりも旧学年のお友達や先生との交流を望んでいるようだし、まずはリアルに会って交流がないとオンラインでいきなり顔合わせはちょっと抵抗ありという感じ。
アウトプットの機会を求めている理由は、マンツーマンで教えていると、例えば国語で感想や意見を発表するとか、他のお友達の感想や意見を聞くという行為で学びが深まるとか、気づきがあるという機会がないということだ。
オススメその1:双方向のオンラインの場づくり
アウトプットの機会が欠けている今、プリントや動画作りに励むよりも先生たちにやってみて欲しいことがある。それは、双方向のオンラインの場づくりである。
15−30分という短い時間でいい。例えば国語の授業のほんの一部でもいいから、感想や意見をシェアする場を作って欲しい。
その前に先生と子どものマンツーマンでオンラインで話すことを入れるといいと思う。手間はかかるけど、まずは電話をかけてオンラインにつながったことを確認して、その上でオンラインで5分だけでも様子を聞くといいと思う。こうやって地道に一人一人の環境を確かめて、どうしても無理な子供には別の方法でフォローする。決して横並びでみんなができないとやらないという選択にはならないで欲しい。文部科学省の担当課長も言っている。
モヤモヤその2:家事・育児・仕事の課題、それってコロナのせい?
我が家の家事・育児・仕事の分担状況は3・4・5月の自粛強化の段階を経て、大きく変化している。
元々、夫の自宅滞在時間は平日は朝の数時間、夜は子供たちが寝てからの数時間。土日は絶対に仕事を入れないよう努めていたが、それでもオーバーワークなことには変わりなかった。一方、私は今のリモートワークにしてから、否が応でも仕事には制限時間ができるし、それ以前も時短勤務していた時には制限時間がある状態で仕事をしてきた。
夫が4月に自宅での勤務体制が整い始める頃から、毎週末家族会議を実施。ランチ作りの担当、オンライン会議のための個室利用の相談、小学生の子どもの勉強の担当などを決めたり、今の気持ちシェアと1週間単位での振り返り、もっとよくできること、続けたいことのシェアなどをやってきた。
子供たちはランチ担当を担えるまで家事スキルはアップしたし、私の家事比率は格段に減っている。それだけじゃなく、週末やGWにはイベントを企画して楽しんでいる。
それでも小さな衝突は起こるし、たまに雰囲気がギスギスしたりもする。
そういう中で実感するのは、何か問題が起こった時に、お互いの気持ちを伝えあったり、一緒に解決のためのアイディアを出すという文化が我が家にはなんとか根付いてきている、そのために何か問題が起きても一人で頑張らず、助けを求めることができるということだった。
オススメその2:一人一人の大切にしたいことと気持ちをシェアしよう
小学生以下の子供を持つ母親が家事・育児・仕事全てを一人で抱えて辛い思いをしている状況は本当に長いこと問題になっているし、それをなんとか解決したいという思いを持って、私個人としても仕事をしている。
コロナ以前は、この状況を学校や保育園、祖父母や家事代行などなど外部の手を借りてなんとか回していた母親たちのところに一気に全てがのし掛かっている。さらにいうと、それは母親だけでなく、自宅勤務が父親一人であれば、それは父親にのし掛かってくる。そうなった時に、今までと全く同じようにやるのは無理ということをまずは受け入れる必要がある。
その上で、一人一人が今大切にしたいこと、どんな気持ちかをタイムリーにシェアすることが解決への第一歩と考える。大切にしたいこと、気持ちを中心に置いて、解決策を考える。辛い気持ちをシェアするのはよくないと思うかもしれない。我が家の小学生の子どもが様々なシーンで泣いたり怒ったりして、泣くと、中学生の子どもが「それってわがまま」「なんでそんな風に言うのか」という受け止めをしている。一方で、中学生の子どもに気持ちを聞くとすぐに出てこない。こんな風に気持ちが後回しになることは問題だと感じている。感情を表現することを第一にして、その上で感情をぶつけずに出せるようになること、そのプロセスを育んでいきたいので、日夜工夫するしかない。
まずは家族で、それから周囲のコミュニティーで、と輪を少しずつ広げてこの行動を広げていく。そのためにはまずは家族に自分の感情を伝えることから始める。これから長期的にみても必要だと考える。
この考え方の土台となるのは、長時間労働に裏打ちされた既存の仕事のやり方を大きく変えること。もう長らく問題となってきたことだが、この機会に今までのやり方にしがみつくのはやめて、一度手離してみて欲しい。そこから新たなやり方を作っていく他ないのではないか。