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STEP99 脱酸素剤を入れるデメリット
通販の焼菓子には脱酸素剤は必要か?について前回お話ししましたが、日持ちを延ばしたいと思って脱酸素剤を入れることが必ずしもいいこととは限りません。
皆さん意外と知らないようですがお菓子に脱酸素剤を入れるデメリットもあるのです。
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●意外と知らない脱酸素剤を入れるデメリット
デメリットはいろいろあります。
わかりやすいところとで言うとコストがかかるとか手間がかかるとかですね。
脱酸素剤が1つ数円しますし専用のガス袋という袋も必要。
そうなると単純にお菓子の原価が上がります。
作業量も増えますし資材の管理もしなくちゃいけないです。
これはすぐに浮かびますね。
これら以外にもデメリットがあります。
それはお菓子の製造販売において、必ずしもお菓子の日持ちが延びることが良いこととは限らないということ!
日持ちが延びるなんていいことのように思えますよね?
でも日持ちだけが全てじゃないです。
脱酸素剤を入れて、あなたが思うお菓子のおいしさは本当に保たれるのかというところをよく考えないといけないです。
●おいしいこと≠安全なこと
これはいつもお話ししていますがおいしいこと安全なことはイコールじゃ無いのです。
賞味期限と消費期限の違いということではありません。
販売する時は賞味期限をつける時も、消費期限をつける時も、お菓子がおいしくて安全である必要があります。
脱酸素剤を入れて日持ちが延びる(ことが多い)のは、主にお菓子の安全性の面において、なのです。
お菓子って時間の経過とともに味や食感はだんだん変化していきます。
この変化は内容によっては脱酸素剤では防げません。
例えば、マフィンの上にシュトロイゼル(クッキーのクランブル)が乗っているお菓子を売る時
↓ ↓ ↓
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脱酸素剤を入れたら袋の中の酸素がなくなって、微生物の繁殖などが
起きにくくなり、安全の面において日持ちは延びるかもしれません。
でも、下のマフィン生地の水分を吸ってシュトロイゼルのサクサクはだんだん失われていくでしょう。
これは脱酸素剤を入れても防げません。酸素に関係のない変化だからです。
普通のパウンドケーキも同じです。
出来立ての外がカリカリ、中がしっとりの食感は脱酸素剤を入れても保たれません。
なので、脱酸素剤を入れて安全性の面で日持ちが伸びたとしても、あなたがお客様に味わって欲しいおいしさが脱酸素剤によって保たれるとは限らないわけです。
このバランスを両方取るのが大事。
もちろん、パウンドケーキにも色々なおいしさがあって、出来立ての外カリッ中フワッがおいしいという考え方もあれば全体が馴染んで熟成した味をおいしいという考え方もあるわけです。
後者を大事にしたい人にとっては熟成を進めながらも、微生物の繁殖リスクを減らせるので脱酸素剤は良いですよね。
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●あなたのお菓子のおいしさはどんなところ?
だから、お菓子を売るときには安全性とおいしさ両方の面で包装の検討が必要なのです。
焼菓子に脱酸素剤を入れることが正解になるかどうか、それは皆さんの考え方次第です。
あなたは、どんなお客様にどんなシチュエーションで、どんなおいしさを
味わっていただきたいですか?
きちんと文字にして考えてみると答えが見つかりますよ!
あ、脱酸素剤の使い方はかなりデリケートなので、正しく使わないと効果ゼロです。
使いたい方はwrappedの講座で学んでくださいね^^
… … … … … … … … … …
そして次回はなんと、STEP100です!
いつもご覧いただきありがとうございます!
次回も心を込めて書きますね。お楽しみに!
この記事は内野未紗が配信する
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いつも温かいコメントありがとうございます!
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