STEP154 クリスマスに誕生日ケーキを用意しないお店は悪なのか?
お誕生日がクリスマスやクリスマスに近い方っていますよね。
お菓子の仕事をしているとクリスマスに近い誕生日の方から言われるのが「誕生日ケーキを作ってもらえない!ひどい!!」というお話。
もう本当、そうですよね。楽しみにしている年に1回の誕生日。希望のケーキを作ってもらえないとなったら悲しいです。
クリスマスがケーキ屋さんにとって1年で1番の書き入れ時であることは言うまでもないですよね。
たくさんの方がケーキを食べたいこの日はお菓子屋さんにとってとても大事な日です。
なので、いつものオペレーションとは変更して効率を上げるために作るケーキのラインナップを変更して種類を少なくすることが多いです。
ホールケーキもクリスマス仕様のものだけにして、他のプレートに変更することも含めて一切お受けしないというそういうお店も多いです。
なので、「私にとって1年に1回しかない大事な誕生日なのに食べたいケーキを作ってもらえない」と、悲しい想いをされている方は結構多いと思います。
こういうことがSNSで投稿されるとケーキ屋さんって酷いよねという、そういう意見も書かれていること多いのですが、実際のところこれは酷い対応なのでしょうか?
●クリスマスはたった1台でも違うケーキを作るのは難しい。
普段からお誕生日ケーキを売っているお店の立場からすると、ほとんどの場合
「本当はいつものケーキを作ってお誕生日のプレートをつけてあげたいけれど責任もってできないからごめんなさい」
と、泣く泣くお断りしているケースが多いと思います。
お店も作ってあげたいです!
でも責任を持ってお約束できないからお断りするわけです。
クリスマスのケーキ屋さんは本当に大変です。
実際に働いていた立場からすると、たくさんの数が売れるのでたった1台でも違うオーダーに対応するのは本当に難しいです。
「1台くらいできるでしょ?」
「せめてケーキが同じでプレートつけるくらいできるでしょ?」
など、お店の外から見ていたらできそうなことに思えても、数をたくさん売っているお店ではすごく難しいのです。
たくさんの数を売る場合、厨房の中は流れ作業になることが多いです。
以前にも書いていますね!
ここにも書いていますが、分担制なんです。
1人で1台ずつ仕上げるのではないのですよね。
しかもそれがクリスマスになるとさらに細かい分担制になります!
いちごのショートケーキをたくさん売る店だったら
スポンジをスライスする人
シロップを打つ人
いちごを切る人
サンドする人
ナッペする人
絞る人
飾りを載せる人
という感じで役割分担することが多いです。
みんなそれぞれこの役割をひたすらずっとこなすのです。
私のいたお店はこれに加えて生クリームを補充する人までいました。
ナッペしている先輩たちのボウルに泡立てた生クリームをひたすら補充するだけの人!
新人パティシエがやってましたが、これをクリスマス期間の数日間ずーっとやるというくらいの仕事量です。
そのくらい分業して効率化してやっとたくさんの数を作れるわけです。
こうした状況の中だと1台だけ違うケーキを作るのがいかに難しいか、ちょっと想像できますよね。
本当はパティシエだって対応してあげたいけれど、それだけたくさんの方が
ケーキを求めていて、そのお客様のことだって同じように大事なんです。
●お店側、お客様側、お互いの事情を汲み取ろう
「それならプレートくらいお誕生日のをつけて!」
というところですが、これもお店によってはできないと言われます。
なぜなら何百台もケーキを売る中で、1台だけプレートを変えると管理がとても大変になるから。
箱に入った状態で、何百台もケーキを作り、1台だけ違うプレートにして、そのお客様が来るタイミングに合わせてスムーズにケーキが出せるようにするのはすごく大変。
なので、プレート対応は全くしてもらえないか、ケーキとは別添えならやりますということが多いですね。
とはいえ!これはあくまでもお店側の事情!
年に一度しかない誕生日に自分の食べたいケーキが買えないしかも毎年買えない、ということはこのさっき一生買えないんじゃないかと思うお客様のお気持ちを考えると、それは辛いですよね。
小さなお子さんなら尚更です。
しかも普段から買っているお気に入りのお菓子屋さんで対応してもらえないというのは、お客様からしたら余計に辛いですよね。
なので、これ、解決策あんまりないんですよ。
ただ、大事なのはお店もお客様も、お互いの事情をしっかり汲んで、できる範囲で交渉することかなと思います。
クリスマスの日にちは2000年前から決まっているし、自分の誕生日は自分でコントロールできないし、もうこれはお互いにどうしようもない事情があるのです。
なのでお互いのお話をよく聞いて妥協点を探るしかないですね。
●お店とお客様が信頼関係を気付くことも大切!
最近は働き方改革もあったり、小さなお菓子屋さんで数を売らないようにしている店もあるので希望通りのケーキを作ってもらえることも増えてきたとは思います。
ただしそういうお店があるかどうかは地域によります。
また、当たり前ですがお店も人間がやっているので、いきなり初めての全く知らないお客様に「クリスマスに誕生日ケーキを作ってよ!1台くらいどうにかなるでしょ!」と強くお願いされるよりは普段から来てくれているお客様に丁寧にお願いされた方が優遇して対応したくなるものです。
人間なので(2回目)。
可能なら普段からお店の方と仲良くなって信頼関係性を築けるといいなと思いますね。
結局どうしたらいい、というのはお店によって事情が違うのでここで結論は出せませんが、お店もお客様もお互いの想いを理解しようと考えてお話ししてほしいなと思いますね^^
この記事は内野未紗が配信する
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