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STEP71 食品用ではない道具をお菓子作りに使うかどうか、 私の考え方

前回は
「アイシングクッキーに使う筆は食品用のものを使いましょう!
ネイル用や絵画用は食品衛生法適合ではないからよくないですよ」
ということを書きました。
となると次の疑問が湧いてくると思います。

全てのお菓子の道具が食品衛生法適合でないといけないの?

というところです。

これはきちんと正しい答えをいうとしたら
はい、お菓子に使う道具は全て食品衛生法適合でないといけないです。
ということになります。
実際に私も基本この考え方です。

ただ、実際に製菓業界で働いてきた経験や先輩方のお話などを聞いて、実際のプロの現場では一部の道具は必ずしも食品用ではないなと感じています。



●お菓子作りに使う食品用ではない道具

例えば!
細かい装飾を載せるピンセット

もちろん食品用も販売されているのでそれを使った方がいいですが、それこそネイル用などを使っている人もいると思います。

また、アイシングクッキーを作る時の手作りのアルミ型
これもアルミ板を買ってきて、自分で手で曲げて作ることも

ありますよね。

この場合も厳密にいえば元々食品用ではないですよね。

私の個人的な見解ですが、こういったステンレスやアルミの道具は元々が食品用でなくても使っている職人さんは多いなと思います。

ただし、きちんと洗って洗浄したり消毒などをしながら使っていますね。

まず、素材自体がきちんと洗えるということが大事。

ステンレスやアルミなら普通に洗剤で洗えますし、加熱もできるので煮沸消毒などもできますよね。

ではアイシングためにネイル用の筆や絵画用の筆を使うのはどうでしょう?

筆の場合、根元が糊で固めてあることもありますし、仮に糊などを
使っていない筆だとしても、ネイルや絵画用の筆は製造時に衛生に配慮されていないかもしれないですよね。

「使う前に洗えばいいじゃん!」って思いますが、
そもそも筆って、根元が束ねられていて奥まで綺麗にしにくい構造の道具ですよね。
おそらく分解もできないと思います。

ピンセットやアルミの型のように、しっかり洗えて乾かせるものと比べても筆は衛生管理がしにくいです。

しかも、アイシングは塗った後に乾かすだけで、高温で焼く工程もないことがほとんどだということを考えると、道具そのものの安全性はより大事だと思います。

なので私はアイシングの筆にネイル用や絵画用を使うのは個人的にはお勧めしませんね。


●食品用ではない道具をお菓子作りに使うかどうか、私の考え方

ここで言いたいのはピンセットや手作りのアルミ型は非食品用でも良いけれど、筆は食品用でないとダメです、ということではないです。

もちろん、どんな道具も全部食品用であることが一番良いことですし、本来そうであるべきと思います。

でも実際には使いたい道具が食品用でない時もありますので、その場合は今回のように
「こういう構造の道具だから洗浄も消毒もしにくいし、やっぱり食品用には使えないかな」
などのように、考える癖をつけて自分の責任のもと、判断して欲しいということです。

先ほどご紹介した手作りのクッキー型も形によっては接着剤を使いますよね?
いくら型を煮沸消毒などしても、接着剤が加熱で溶け出すとかそういう可能性もあるかもしれませんよね。
そういう心配があるのならもうそれは責任が持てないということ。

もう専門の業者さんにきちんとした食品衛生法適合の型を作っていただく方がいいと思います。


●食べ物を扱っているという自覚

趣味の域なのかプロとして責任を持って販売できるのかというこの線引きで、とても大事なことは私がいつも言っている口に入るものを作っているという自覚にあると思います。

道具選びも含めて一つ一つのことを考えてみてくださいね!

次回もよくいただくご質問にお答えします!
お楽しみに!


この記事は内野未紗が配信する
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