意外と知らない紙の話#01 原紙サイズ
こんにちは。WRAPALLETです。
みなさまは紙がどのようなサイズで流通していると思いますか?
一般的に見かける紙のサイズは、文具店などの店頭に並んでいる決められた大きさの紙だと思います。
専門店では見本帳から紙を選んで、好きなサイズに断裁してもらうことができる店舗もありますが、それはごく一部です。また、商品を製造する場合は、専門の紙問屋を通して何万種類もの豊富な紙の中から好きなサイズを選ぶことが出来ますが、一般の方が目にする機会は限りなく少ないです。
みなさまが一般的に目にするサイズはとても限られていますが、実はその紙の元になっている「原紙」と呼ばれる紙のサイズ展開があり、用途に応じて選ぶことができます。
ここではその選ぶコツをお話しします。適切なサイズを選べば価格が抑えられるという利点もあります。
「意外と知らない紙の話」シリーズでは、デザイナーさんや商品製造に携わる方、紙についてもっとマニアックになりたい方に役に立つ紙のお話をしていきます。ぜひ参考にしてみてください。
原紙サイズについて
みなさまはA4やB4サイズに元のサイズがあることをご存知ですか。
A4やB4などのサイズは流通用としてJIS規格(日本産業規格)で定められていて以下のJIS規格寸法になります。
JIS規格寸法に断裁される前の紙を原紙(全紙)といいます。主な原紙サイズには、ハトロン判・L判・四六判・菊判・A列本判があり、使用用途に合わせて取り都合の良い紙を選べる様になっています。
原紙サイズの選び方
原紙サイズを選ぶ上で重要なのは、取り都合の良い(最も多く面付けできる)ものを選ぶことです。取り都合の良い紙を選ぶには、2つのポイントがあります。
ポイント1:余りが少ない原紙サイズを選ぶこと
ポイント2:多く面付けできる向きを選ぶこと
例えば、ヴァンヌーボVGという紙は、規格サイズに四六判と菊判がありますが、A4サイズにカットする場合どちらの判を選ぶのが良いでしょうか。
四六判より菊判からカットする方が余りが少なくなり、菊判でも菊判・短辺(636mm)からA4・長辺(297mm)を取る組み合わせより、菊判・短辺(636mm)からA4・短辺(210mm)を取る組み合わせの方が多く面付けできるので、取り都合が最適になります。
原紙サイズの求め方
前項で原紙を選ぶポイントについてお伝えしましたが、ここでは最適な原紙サイズを計算で求める方法についてお話しようと思います。マニアックな内容になりますが、参考になると幸いです。
ヴァンヌーボVG(規格サイズ:四六判と菊判)を、A4サイズにカットする場合を計算してみると以下のようになります。
計算で最適な原紙サイズが選べるようになると便利なので、ぜひ試してみてください。
商品開発の話
実際に商品開発を行う際、商品のサイズが決められていてそれに合う原紙を探す場合と、使いたい紙があってその原紙サイズに合わせて商品サイズを微調整する場合があります。
弊ブランドのペーパーブロックPALLET PAPERは、手を安定して置きやすいサイズに設計されています。当初は200×200mmの案を検討していましたが、取り都合がかなり悪いことが判明しました。手を安定して置きやすいサイズ感を保ちつつ、取り都合が良い現在のサイズの195×195mmに決定しました。
弊社では、商品のサイズが決定している場合は、取り都合の良い原紙サイズがある紙を選び、商品サイズに融通が効く場合は、取り都合が良くなるようにデータを修正して商品開発を進めています。
皆様が加工を依頼される場合も、商品サイズ優先か紙優先か、この旨をあらかじめ伝えていただくと紙の提案がスムーズです!
おわりに
長くなりましたが以上になります。紙をお選びになる際の参考になると幸いです。
皆様のご意見やご感想お待ちしております!
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