入社4年目で新卒時代から目指していたマネージャーに。 そこで見えてきた新しい気付きとは?
2003年6月20日、男女共同参画推進本部によって『2020年、30%』の目標が設定されました。これは、「社会のあらゆる分野において、2020年までに指導的地位に女性が占める割合が、少なくとも30%程度になるよう期待する」という目標でした。2021年現在、日本の女性の管理職の比率は8.9%に留まり、『2020年、30%』の目標は達成されることなく『30年まで』の目標に先送りされました。日本には2,922万人の女性就業者がいると言われており、30年までに21.1%の乖離を埋めるには、単純計算をすると616万人の新たな女性管理職が生まれる必要があります。今回のWoW報では4月にマネージャーに昇格し、新たな一歩を歩み始めた4年目営業マネージャーでWoWの一期生のメンバーである林くららにマネージャーになって感じたことや”管理
職”とはをテーマにインタビューを行いました。
■CDO室について
CyberZでは2020年10月に女性活躍を推進する組織として「CDO室」を設立しました。CDO室では、2021年4月より女性の幹部・リーダーの輩出に取り組む活動「WoW」をスタートさせるなど様々な活動に取り組んでいます。
CyberZ AC事業部 マネージャー 林くらら
2018年に株式会社サイバーエージェントに新卒入社後、株式会社CyberZに配属。 一年目より大型顧客を中心に、国内に限らず海外の顧客も担当。 2021年7月からMGRに従事。
管理職を志したのはなぜですか?
自分のキャリアを人生の前半に圧縮したいと考えていたため、入社時からマネージャーというポジションを目指しました。マネジメントスキルはどの職種・業界でも通用するスキルだと考え、若くしてマネージャーになることに憧れていました。また、出産後子供との時間を優先したいと考えていたことも理由の一つです。最近では、働き方の多様化が進み、コロナ禍で自宅からも仕事ができるということが証明されています。そのため、母親になったら仕事を辞めるという考えも変わりつつありますが、若いうちに色んなことを経験してチャレンジしたいというマインドは変わっていません。
プロフェッショナル職よりビジネス職を選んだのはなぜですか?
ある日、「売上の金額が増えても見える景色ってあまり変わらないのではないか」と思ったことがきっかけです。売上金額のみで成果を出しても上には上がいますし、その成果が評価される業界も限られています。成長をグラフで表すなら、縦軸の数字での成長に加えて、横軸のスキルの幅で自分を成長させたいと思いました。どちらかというと、私はスペシャリストよりジェネラリストを目指したいタイプです。業務をスライドさせてできる幅を増やしていくことが理想です。
そのきっかけになった原体験などはありますか?
以前海外に住んでいた時、「言語」という1つのスキルに悩んだことがありました。当たり前ですが、どんなに日本語が上手でも英語圏では通用しません。反対に英語が話せても日本の街中では使う場面はあまりありません。このように流暢に話せる言語を持っていても、場所を変えれば一転します。
この経験から、私はどこにいても通用するような汎用的なスキルを養っていきたいと考えるようになりました。今は広告業界で働いていますが、たとえ広告業界を離れたとしても市場にとらわれずに発揮できるスキルこそ重要だと考えています。会社や業界の規模を超えたビジネスパーソンとしてのスキルを育みたいと思い、ビジネス職を選びました。
実際、管理職になってどう感じていますか?
正解が分からず常に模索し続けていて、”2回目の新卒”といった感覚です。業務自体に特別大きな変化はありませんが、業務における視点が変わりました。今まで自分の目標だけを追うことから、チームの数字と目標に責任を負うようになり、またメンバーの育成や組織作りもミッションとなりました。そのため、今まで自分が向き合ってきた仕事の視野がいかに狭かったかということを痛感しています。自分の業務以外に時間を割くことが増えたので、時間の使い方については今まで以上にやり繰りする必要があると考えています。
立場に対する特別な責任感などは感じていますか?
今だから思うことですが、マネージャーというのは役割にしか過ぎないので、あまり役職名にこだわることがなくなりました。私がマネージャーになろうがならまいが、やるべきことは変わりません。
新卒時代から目標としていた「管理職になる」という夢をかなえた今、若い頃に考える理想のキャリアについてどう思われますか?
まず「若いうちから選択肢を狭めるな」とおもいます。マネージャーになったからもうプレイヤーができないという訳ではないですし、マネージャーになった今でも実際に現場を担当しています。個人的の考えになりますが、管理職になれば業務が多岐に渡る分、幅広い分野の知識や経験を得られると考えてキャリアを選択したので、そういった視点でキャリアを考えると良いのかもしれません。経験を積めるのも若いうちだなと思ってます。
女性管理職がまだ少ない日本の現況を踏まえて、今後管理職という立場はどうなっていくべきでしょうか?
組織に「サーバントリーダー」という考え方が浸透していけばいいなと考えています。「サーバントリーダー」とは、チームメンバーを助けたり後押しするなどチームの下から支えるリーダーのことです。私自身も、常にサポートをしながらチームを引っ張っていくマネージャーになっていきたいです。
自身の今後のキャリアについてどのようにお考えですか?
”誰かの人生のターニングポイントになりたい”というテーマがあります。誰かの人生に関わり、生きてきた軌跡の中で、「この人に出会えて良かった」と思われる人になりたいです。マネージャーとしては、会社のため、チームのため、メンバーのために行動できる柔軟な人材になっていきたいです。管理職は、メンバーを指揮・管理する役割を担うため、より強固な人との繋がりを必要とされるポジションであると考えています。役割の中で、チームメンバーをコーチングすることで自分も学びを得て一緒に成長していくことができます。今後は自分の時間を他者のために惜しまず費やし、チームメンバーと人生を豊かにしていくサイクルを作っていきたいです。
WoWを通して感じた管理職の捉え方は変わりましたか?
「女性として活躍したい」という共通の思いがあるメンバーとのワークだったので、みんな似たような価値観を持っているものだと思っていましたが、メンバー一人一人の価値観や将来像が大きく違うことを知りとても驚きました。人それぞれ自分のありたい姿、なりたい姿があり、同じリーダー職を目指していても進んでいく方向は違うということに気付きました。私自身、当初は先輩のマネージャーをお手本に、自身の価値観を当てはめようとしていましたが、ロールモデルは必ずしも持たなくて良いんだと思うようになりました。「管理職」とひと言でまとめられがちですが、人それぞれ価値観・ありたい姿が異なるように、色んな「管理職」があっても良いものだと感じました。
WoWとは「Way of Woman」の略で、女性の道を自ら切り開くことに願いを込めた取り組みで、活躍したい、成長したい、チャレンジしたいという想いをもつ女性へ向けた選抜型のプログラム。募集では定員の2倍の応募があり、入社2年目から9年目の9名の女性社員が参加。参加メンバーには、WoW特別研修プログラムや代表の山内直下のワーキンググループへの参加、社外の女性役員との接点の提供、勉強会の実施など独自のプログラムを行いました。本プログラムを通じて、現場では培われにくいリーダーとしての視座の向上、スキルアップ支援に取り組んでいます。プログラムを始動してから4か月目でWoW参加メンバーの40%が昇格をしており、管理職メンバーの輩出にもつながりました。参加社員の満足度も100%のプログラム。
その学びをどのように活かしていきますか?
まずは自分の「色」は何かを見定めていく必要があると思うので、改めて何が強みで何が弱みか、自己分析だけでなく他者からの意見も取り入れつつ、考えています。新卒になった気持ちで引き続き様々なことに取り組んでいきたいです。
また、成果で引っ張るプレイイングマネージャーもいれば、育成を得意とするマネージャーもいます。同じ組織に所属している人の様々な働き方を理解しつつ、自分なりの新しい管理職像を作っていきたいなと思います。
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