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呪われた女3
立川 M 生桃
たけのこ婆は河童から聞いた、隣の山のお堂に行ってみる事にした。
お堂に着くとそこには、毘沙門天の掛け軸が中央にあり、小さな茶黒い仏像があった。
たけのこ婆は、お賽銭を賽銭箱に投げ入れて、蝋燭に火をつけ、その火を線香に移し線香たてに立てた。
そして、どうしたものか? 訪ねてみた。
すると首にかけていた勾玉から百足の大きな物や小さな物から次々と出てお堂の壁や天井や床にびっしりとうごめいた。
流石のたけのこ婆もこれには、足がガクガクして、逃げ出そうにも逃げられず。目を閉じた。
た。 た。 助けて。
すると、小さな茶黒い仏像がみるみる大きく光輝いてとうとう毘沙門天の姿になった。
毘沙門天は何も言わず、たけのこ婆を睨みつけた。
たけのこ婆は、それはそれは恐ろしくなり、首にかけていた勾玉を握りしめて、勾玉を毘沙門天目掛けて投げてしまった。
そして、一目散に逃げ帰ってしまった。