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呪われた女13
立川 M 生桃
たけのこ婆があまりにも悲しむので、乞食の男が笑うのをやめた。
おい。たけのこ婆。人間の本性をそんなに悲しむ事はない。
それが人間なのだ。お前は、半分妖怪かもしれん。しかし、お前は人間なのだ。
若い女が、たけのこ婆に、お前さん。修行をしなさい。私の言った通りに信仰できるかい?
信仰は、とても寂しく。悲しく。辛い。それでもお前さんにできるかい?
生きる事が信仰なんだよ。
色々不思議な事はある。
お前さんは、これから色々な人と出会う。人間界まで、来ることができれば、お前さんの悩みも解決できる様になる。
そう言って、若い女がたけのこ婆に真言が書いてある経本を手渡した。
たけのこ婆は、自分の悩みを解決する方法を聞くこともなく屋敷を後にした。
次の日。どうしても若い女に会いたくなった。
天狗を呼び、若い女の住む岩山の大きな屋敷まで連れて行ってもらった。
四脚門をくぐる事も出来た。一安心するのもつかの間、屋敷に行くまでのとおりの木々や石畳から屋敷まで、蛇が足の踏み場も無いほどの数うごめいていた。
そのあまりの数に、屋敷の中に歩いて行けない。
気持ちが悪いやら、怖いやら、その場から逃げ出した。