呪われた女 28
立川M生桃
たけのこ婆は、天狗が助けに来てくれたと喜んだ。
天。天。天狗どん。 助けに来てくれたんだね。
よかった。たけのこ婆は、今まであった事を全て話した。
法螺貝の吹き方を教えておくれよ。全然、音が鳴りやしないよ。
たけのこ婆。法螺貝を舐めているのか?そう簡単に、お前が吹ける様なしろものじゃない。
しかし。法螺貝の吹き方の要領を教えてやってもいいぞ。この俺様に、お前の仏壇にある。あの秘密の仏像をくれるか?
えっ。何のことかい? お前が密かに、毎日、磨いている。あの、秘密の仏像だ。
仕方ない。わかったよ。その代わり、法螺貝の吹き方を教えておくれよ。
よし。それじゃ。約束だぞ。
法螺貝の音は、口を閉じてから、唇をぶるぶる震わせた音じゃ。
現代で言う所のトランペットを吹く原理と同じじゃ。わかるか?
それができたら、今度は法螺貝の吹き口に口を付けて、それをするのじゃ。
何回もするうちに、良い音色が出る様になる。
法螺貝の持ち方は、人それぞれじゃ。良いな。挫けず、練習に励め。
良いな。わかったな。そう言って、天狗は空高く飛んでいった。