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呪われた女2
立川 M 生桃
ある日、たけのこ婆の所に見す知らずの男が訪ねてきた。
男は、大きな袋の中から水晶玉を出した。
婆さん。あんた、この水晶玉を買ってくれ。この水晶玉はあんたの願いを1つだけ叶えてくれる。
その後は、鍾乳洞を見つけてそこに納めなさい。
たけのこ婆は、突然の来客に驚きました。そして、訳の分からない押し売りをする、この男を信じて良いものか? しばらく、返答もせずに考え込みました。
すると、男は嫌なら別の物をあんたに授けよう。そう言って、袋から勾玉を出した。
たけのこ婆の好みは、勾玉だった。こんな綺麗な瑠璃色の勾玉を見たことない。
たけのこ婆は、その2つを欲しくなりました。
あんた。この勾玉は、いったい何に効果があるのかい?
男は、あんたの身を守るお守りだ。肌身離さず持っていろ。
そうかい。いったいこの2つで幾らになるのかい?
男が、お代はあんたが効果があったと思った、その時に、わしを訪ねて来い。
わしは島根の出雲に住んでおる。勾玉がわしの家まで導いてくれる。
そう言って、水晶玉と勾玉をたけのこ婆に渡して家を去って行った。
たけのこ婆は、まったく、あの押し売り爺いめ。こんなもんが本当に効果があるのか? 疑問に感じた。
しかし、勾玉に五色の糸で編んだ紐を通し、首にかけた。
そして、水晶玉に何の願い事をしようか?
考えた。 今の特養の職員が仕事をするように願うべきか? それとも不思議な力を持つ山姥の住処を見つける事に使うべきなのか?
たけのこ婆は、家の近くの滝に良く遊びに来る、河童に意見を聞く事にした。
すると河童の中でも長老の権助が留守だった。別の河童がたけのこ婆の首にかけている勾玉を見て、婆さん。あんた、それを何処で手に入れた?
たけのこ婆は、今まであった出来事を話した。
すると、その河童が隣の山にお堂がある。そこに行って、答えを出せ。そう言って滝の中に消えて行った。