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呪われた女
立川 M 生桃
むかし むかし。雲に覆われ、空まで届きそうな大きな大きな岩山があった。その岩山には、山姥が住んでいると噂があった。
村人達は、恐れて、その山に近づこうとしなかった。そこには、1人の老女が役行者の墓を守っておった。
老女は、108歳の誕生日から不老不死になってしまった。老女は、それはそらは綺麗な顔立ちであった。
誰が見ても歳は40才位にしか見えなかった。
その女には特殊な力があった。悩み深き者を救う為に神と仏に使える事が生業なのだ。
ある時、たけのこ婆さんが、どうしても自分1人では解決できないから、その噂の老女を探すことにしたのだった。
たけのこ婆さんは、たけのこの里という特養の老人施設を最初に手掛けた。じやが。職員が全然、仕事をしない。楽をしてお金を欲しがる者ばかりじゃった。
それどころか、皆んなが仕事をしないので、仕方なく、たけのこ婆さんが一人、一生懸命仕事をした。
しかし、誰一人として、たけのこ婆さんの姿を見ても仕事をしようとせず、逆にあれもこれも、たけのこ婆さんに押し付けるのだった。
たけのこ婆さんが、とうとう職員の態度に嫌気をさしてしまった。
たけのこ婆さんは、祈祷師に尋ねる事を好む性質であった。
しかし。たけのこ婆さんが知っている祈祷師は、既に亡くなっておった。
そんな時、噂を聞き、その108歳の不老不死の山姥の住む場所を探し始めたのだ。